この秋、マンション市場は「最後の一花」を咲かせる

新宿余丁町のコーポラティブ計画を本格稼動させてから
なんだか強烈に忙しくなりました。
コーポラの業務が忙しいのもその理由のひとつなのですが、
それ以外の仕事もなぜかズコズコと入ってきたのです。
広告コピーに通常のライター仕事などなど。
来客も多くなるし、雑用もウジャウジャ・・・
余丁町プロジェクトに探りを入れるような業者? 
からの電話もあって、今日も珍しく自主残業。さきほど帰宅。

今日は「首都圏の6月のマンション供給が3割減」、
というのが業界のニュースになっていました。
最近、震災の不動産市場への影響も一段落したのか、
マスコミからの取材がほとんどなくなりました。
「マンション」がネタにならなくなっていただけに、
「3割減」というのはニュース価値が多少あったのでしょう。

いつかも書いたように、ああいう数字を業界関係者はあまり気にしていません。
実際の体感レベルとかなりズレがあるからです。
現在、マンションの販売現場は全体的にまあまあ「多忙」といっていい状態。
この9月に売り出す物件の準備が忙しいのです。
6月や7月は、販売を開始するには中途半端な時期。
多少増えようが減ろうが大勢に影響はないわけです。

多分、9月の販売戸数はドヒャっと増えそうな気配が漂っています。
本来、GWに出そうと企んでいたけど震災で出せなかった物件、
そしてそもそも9月に出そうと予定していた物件が一緒に出てきそうです。
すごくイレギュラーなカタチで出てきそうな物件もあります。

例えば、新浦安の大型マンション。
完売していて引渡しの最中に震災に見舞われた
「プラウド新浦安パームコート」というマンションは、
全550戸のうち、100戸前後がキャンセルになったというウワサです。
そのうち「キャンセル住戸発生!」なんてやるのでしょうが、
数が数だけに・・・業界でも前代未聞・・・ではなかった。
数年前の「ザ・タワーズ・ウエスト プレミアレジデンス」がありました。
あの時は売主企業が驕慢な態度で中央突破を図ろうとして大失敗。
結果的に大量のキャンセル住戸発生につながりました。
まあ、完全に人為的なミスといっていいでしょう。

ただ、今回の新浦安は天災。
売主企業に大きなミスはありません。
あえて言うなら、隣接の「凛区」でつけたバカ高価格に引きずられて
表面上、本当の市場価格での販売ができなかったことと、
新浦安というヤバイ場所を選んだことでしょうか。

それでも100戸前後のキャンセル住戸は、いつか売らなければならないはず。
手付金を放棄してキャンセルされた方が多いので、
値引きの原資はたんまりと確保してあるはずです。
そして、表面上は震災前の「完売価格」で出さなければいけないでしょうね。
すでに引渡しを受けて住んでいる方の手前もありますから。
でも、野村不動産と言う会社は事業の「見切りの速さ」では、
業界でもかなり上位。大手の中では最速かもしれません。
つまり、水面下ですさまじい値引きが行われそうだということ。

現状、ただでさえ新浦安の中古マンション市場はダブダブ。
売りものばかりで買い手がほとんど現れない状態です。
そこへ、100戸のキャンセル住戸が出てきて、
ギャンギャンと値引きをしながら販売されたら・・・・
恐ろしくて想像したくありませんね。

この会社の稲毛の大型物件は、湾岸エリアであるにも関わらず即日完売、
ということで話題になりました。
あれは野村としての戦略物件なので、何が何でも
「人気物件」であらねばならない宿命を負っています。
私は、あとで「キャンセル住戸発生!」に
ならなければよいと思っているクチです。
かつて、武蔵浦和で売り出された、ちょっと無理目価格のタワーマンションが
やはり「即日完売」だったはずなのが、竣工前になって
「キャンセル住戸発生!」となりました。
なんとその数・・・表に出てきただけで「20戸」。
そういう例もあることですから、「即日完売」を真に受けていないのです。
あの物件は、いずれ勢いが衰えるでしょうから、
そのあたりもしっかり見極めなければなりません。

一方、新浦安は大手新聞社の方々がたくさん住んでおられるとか。
だから、自分たちのマンションの資産価値が落ちるような
記事はなるべく書かない傾向が読み取れます。
その分、自分たちでしっかりウォッチする必要があるのです。
これからも、油断なく見張っておくつもりです(笑)。

ともかくも、首都圏のマンション市場はこの秋、
大量の新規売り出し物件が登場します。
おかしな広告に惑わされず、しっかり選別すべきですね。


2011/7/15 2:46 Comments (2)

2 Comments

いい部屋に住む事はとても大事な事。一戸建であっても集合住宅であってもそれは同じ。基本中の基本だ。

自分そのものが学生の時、立て直し直前のボロい寮の六畳一間を相部屋で生活していたり、その後も一時期風呂なしボロアパートに住んだ経験からするとそれだけは絶対に言えます。

どんなにいいことがあろうがいつも不愉快でした。

なので、もう二度とボロ屋で生活なんかしたくない。

仮にボロ屋でないとしても歳とってから老人ホームとかで他人と共同生活するなんて冗談じゃない。まっぴらごめんだ。そんな生活するんだったら山村の独居老人こそが本望だ。

その意味で、マンション買おうが買うまいが榊さんのブログは自分にとってはとてもエキサイティングな内容です。

2011/07/16 16:35 | by ・

これまでこちらのブログを楽しみに見てきましたが
今回の記事のいい加減さに本当にがっかりしました。
これまでの記事も適当な情報に基づいてるのじゃないかとうたがいたくなります。
わざわざ論拠まで伝えるつもりはありませんが確実に100件のキャンセルはありえません。
情報を発信しているもの、不動産のプロとしての自覚をもってほしいです。
これでは震災直後に市原のタンク炎上の際に出回ったチェーンメールのデマと大差ありません。

2011/07/15 23:06 | by Nak0492

RSS feed for comments on this post. TrackBack URL


Leave a comment

※こちらへ書き込みいただいたコメントは、承認後全て表示されます。
マンション購入に関する個別相談等こちらへ表示させたくない場合は、
専用フォームからお願いいたします。