来年3月をどうやって乗り切るの?

マンションデベロッパーの株は連日乱高下。
低レベルで上昇する株、急落する株と様々。
ひとついえることは、各社の今期の決算はズタズタになるので、
たとえ一時的に上がっても、長期的には下降するであろうということ。
もうこれ以上下降できないレベルまで下がっている企業もありますが(笑)。
さて、今日はちょっと気が早いのですが、その今期決算のお話。
上場企業、株式公開企業は決算を開示しなければいけません。
年次決算はもちろん、四半期も。
CSクリエイトはそれができずに監理ポストに回されたわけです。
なぜできなかったか・・・それはあまりにも酷い内容であることが想像できます。
四半期の数字など、通常はなんとかお化粧できるものです。
でも、それができないのが年に一度の本決算。
大抵の企業は3月末に締めて5月中旬に発表。
来年の3月期は、いつもとちがって大変なのです。
なにが大変かというと、資産計上のルールが大きく変わるからです。
簡単にいうと、所有している土地の価値を、
これまでのように簿価(購入した時の価格)でなく
市場価格(売却できる価格)で計上しなければいけなくなります。
つまり、マンション事業用に仕込んだ土地の価格が下がったら、
その差額は「損失」となってしまうのです。当たり前といえば当たり前ですが。
そして今の時代、大抵の土地は大きく値下がりしています。
多くの土地を抱えたマンションデベロッパーが巨額の「損失」を計上すると、
単年度で赤字になるのはもちろん、
場合によっては「債務超過」になるところも出てくるでしょう。
債務超過になった企業の株は理論上価値がゼロになります。
銀行が融資を止めれば即刻倒産します。
信用がなくなり、マンションも売れません。
つまり、債務超過は企業の実質的な死亡を意味します。
このままでは、そんな企業が続出するのではないかと予想できます。
それを避けるにはどうしたらよいのか?
土地が値上がりするのがいいのですが、それはまずあり得ない。
在庫のマンションが売れて、業績に好影響を与えるのもいいでしょう。
でも、これも可能性はかなり希薄。
では・・・・
増資を行い、資本増強で債務超過を避ける。これが一番簡単。
でも、今時マンションデベの増資を引き受けるようなお人よし企業はないでしょう。
昔なら、お役所が指導して不振企業を有力企業に合併させて
カタチの上だけでも破綻を回避したものですが、今はそんなこともぜんぜん。
せいぜい銀行が債権の未収を恐れて、土地の売却先を斡旋する程度。
これは対症療法に過ぎず、根本的な解決にはつながりません。
さて、どうなることやら・・・・
前にも書いたとおり、政府は緊急に景気対策を行なうべきです。
でもKYの福田さんは、辞めるタイミングまでKY。
後継に有力な麻生さんはバラマキ派と目されているので、多少は期待できます。
ただ、証券税制をさらに複雑にしようなんて、経済的KY発言をなさる方。
目下のところ、何もかも不透明ですね。
マンションデベは生き残りを図るため、手持ちの土地を叩き売り価格で放出しています。
でも、売れるのは本当に条件のよいところだけ。
あと何社か大きなマンションデベが倒産するでしょうね。
このままではどんどん社会不安が広まります。
榊淳司


2008/9/4 19:25 Comments (5)

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