マンション市場は爆発寸前・・じゃないよ!

今週発売の週刊ダイヤモンド、特集タイトルは「マンション動く!」。
何かいな、と思って買ってみたところ・・・・
なんだよー、また東スポかましてくれたな、と拍子抜け。
まあね・・・タイトルでドッカーンとやらないと
今時雑誌なんぞ売れませんわな。

カンタンに内容を紹介すると、
ここ数年新築マンション市場は不振が続いたので、
需要のマグマが溜まっていて、それが今年後半に爆発するかも・・・
という、業界の希望的観測を代弁したような記事。

一部の新築マンションのモデルルームは押すな押すなの大盛況とか。
それをもってして本格的な需要回復の前触れと受け取るのは
何ともノーテンキな解釈だと、私は思います。


いろいろなデータを出していますが、笑えるのはコレ。
各社の在庫調整はほぼ一巡・・・なんて、
このグラフのどこを見ればそんなことが言えるんじゃい!

あとはお決まりのランキングに中古の買い方、
管理費の節約方法に有利なローンの組み方・・・・
いつもながらの初心者向けノウハウ提供でお茶濁し。

ちょっと面白かったのは「管理会社覆面座談会」。
「簡単にハンコを押す組合はカモ」とか
「工事費の2-5%が管理会社の技術系社員の袖の下に・・」みたいな内容。
これは、業界内では半ば常識みたいなものですが
こうやって書かれると、ちょっと新鮮ですね。

それにしても・・・42ページを費やしている割には
内容が乏しい、と言わざるを得ません。
そもそも、ランキングなんぞ何の役に立つのか大いに疑問。
なんでそんなのに7ページも費やすのでしょう?

みなさんが本当にお読みになりたい情報をもっと載せるべきです。
例えば、
●ここ数年先までの新築マンションの市場推移、
 つまりは、価格が上がるのか下がるのか
●販売不振の大規模マンションと、その売れ残りの理由
●今後、新たに大型マンションが出てきそうなエリア
●実際に使える中古マンションの選び方や交渉法
●実際に使えるリフォーム会社の見分け方、紹介

でも、よーく考えたら、こういうことは全部、
榊がレポートと著書、そしてこのブログでやっていました。
ですので、予算に限りがある方は、
ダイヤモンドではなくて、私の
「年収200万円からのマイホーム戦略」
お買いになってください。
それこそ、中古住宅の選び方から値引き交渉の方法、
リフォーム会社の見分け方まで、詳細に解説しています。

さて、このダイヤモンド誌が「回復期の到来を予感させる」という割には
まったく説得力に欠けた印象になっているのは、
マンション需要層の懐具合に踏み込んでいないからです。
そもそも、マンションを買う側の収入が安定・向上しない限り
本物の需要なんて発生するワケないのです。

つまりは、個人所得。

みなさん、ここ2,3年で年収は上がりましたか?
上がったという方よりも、下がった人の方が多いのではないですか?
確かに、公務員や一部の専門職の方は上がったかもしれません。
でも、日本経済全体は縮小しているのです。
したがって、平均的には下がっているはずです。
今年はもっと下がるでしょう。景気は、ほぼ今が2番底です。

にもかかわらず、「マンション市場復活のマグマ」が
「爆発寸前!?」なワケがない、というのが私の見解。
東スポよろしく「!?」なんてやってごまかしているのがご愛嬌ですか?
まあ、雑誌を売るためとはいえ、
あまりにも安易なタイトルと記事、と言わざるを得ません。


2010/3/1 15:55 Comments (1)

1件のコメント

ダイヤモンド、AERA、自分の専門分野な記事だと「なんじゃこれっ」っての多いですね。
全体的にそうなんでしょうね。
大人の事情やらですかね?
大体、あの辺の雑誌を習慣的に読んでる人は世の中知らない人が多いですからね。

2010/03/01 20:32 | by 匿名

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