このバブルは、すでに崩壊した模様

そろそろ見えてきましたね、バブルのピークアウト。
不動産市場のピークは昨年の秋だったと思います。
しかし、それから1年もたたないと確認できないほど
その崩れ方は緩やかです。
この時点でも「今はバブルだ」と物件概要書を手に、
炎天下を駆け回っているブローカーがいっぱい。

私は過去2回のバブル崩壊に立ち会っていますが、
今回は平成2年の動きとよく似ています。
あの時も、ハッキリとしたピークアウト感はありませんでした。
平成2年の立ち合い初日、株価が大きく下げたのを覚えています。
もう26年以上も前の話ですね。でも、記憶は鮮明。

確かその年、イラクがクエートに侵攻して第一次湾岸戦争。
私はサラリーマンを辞めた年でした。
26年前の夏も暑かったですね。
あの頃は携帯電話なんてのがありません。

汗だくになってマンションに戻ると、留守番電話がピカピカ。
「再生」ボタンを押すと「記録された要件は20件です」なんて。
「あーあ」と思いました。また、暑い街に出ていって打合せ。
まあ、28歳でしたからね。何でも出来ましたよ。

「明日の朝までに上げられる?」
「いいですよ」
コピーライティングなんて24時間あればできない仕事はありません。
徹夜すれば、パンフレットの3冊くらいは書きあげられます。

しかし、それはバブルの最後の輝きだったのです。
翌年、中央区の新富町で家賃38万円の事務所を借りました。
仲間を集めて受注体制を整えましたが、業界はハッキリ下降基調。
しかし、若いとは恐ろしいことです。
持ち前の「セイ・ハロー」精神で顧客を開拓しまくり、
4、5人の仲間の年収をたちまち1千万円以上に導きました。
でも、そこでバブルはおしまい。

1990年にピークアウトしたといわれる平成バブルは、緩やかに崩壊。
山一證券の倒産が起こった金融不況は1997年です。
翌年に北海道拓殖銀行の倒産、北洋銀行への残務整理合併。
実に7年から8年の時間がかかっています。

1990年に最高潮に達した不動産価格が底を打つのが2002年。
なんと、12年もの歳月を要しています。
あの平成バブルの崩壊は、実に「遅々として」進んだのです。
今回はどうでしょうか?

2008年にリーマンショックで崩壊したミニバブルは、
2013年には黒田東彦君の「異次元金融緩和」で救われました。
もし、あれがなければダラダラと下落基調が続いたはずです。
今回、私は「局地バブル」と名付けているこの地域限定の
不動産価格の高騰は、すでにピークアウトしています。

ただ、下落ははっきりとは見えていません。
前回は「リーマンブラザーズの倒産」というキッカケがありました。
今回も、何かのキッカケがあればハッキリと下落に転ずるはず。
しかし、今のところ何もキッカケは起こっていません。

前回のミニバブルと今回の局地バブルの違いは、国際性。
世界同時金融緩和、というのが今の状態です。
とうとう、イギリスまでが利下げをしてしまいました。
真面目に通貨政策を取っている「独立通貨」の国はスイスだけ。
FXのみなさん、これからはスイスフランの全力買いです。
20階建てで力の限り買って下さい。
ただし、損をしても私に文句を言わないでください。
「当たるも八卦」ですから(笑)。

まあ、冗談はさておいて・・・
今回のバブルは円とドル、ユーロ、そして人民元という
この4つで世界経済を9割がた支配するだろうという通貨が、
そろいもそろって「異次元金融緩和」と言う状態です。
これは「管理通貨制度の限界はどこなの?」を探るチキンレース。

今のところ、他国への借金が少ない円が最強です。
だから、今後は円高傾向になる、と私は解釈しています。
円高になると、日本の不動産価格は下がります。
理由は、儲かった外国勢が売りに回るから。

日本の不動産市場、ハッキリ言って歪です。
需要がないのに、上がるところは上がってきました。
金利が史上最低なので、銀行はバンバン貸してきました。
今でも、審査は史上「最ユル」ですね。

しかし、実際の需要はないので利回りは下がりっぱなし。
最近、私が広告制作を依頼されたマンションなんて、
場所は三流なのに利回りは3%未満ですよ。
そんなもの、あり得ない水準です。
売れないはずでが、仮に売れたら、買ったお方は大ばか者。
まあ、それでも広告は作りますが(笑)。

今後の焦点は、このバブルがどういう崩れ方をするか、です。
リーマンショック型の急激崩壊か、平成バブル型の緩やか崩壊か。
「低金利」というカンフル剤はかなり効いています。
現に、リートは4%物件に平気で買いを入れています。
コンマ以下で資金調達できますから、理論的にはOK。

今は世界経済が密接につながっていますから、
国内の不動産市場が国内の需給関係だけでは読み切れません。
つまり「空家が多いから暴落」とは言い切れないのです。
まあ、いずれはそうなることは確かですが。

ただしキッカケがあれば、急激な変化が起きるでしょう。
そのキッカケは、何度も言うように中国が起こすと思います。
世界史上、これほどまでの規模で経済的な矛盾を膨らませた
国家は存在しないと私は観測していますから。

さて、私とはかねてより友好関係にある
「ウチコミ」さんがセミナーを開いてくれることになりました。
テーマは

『これからの不動産投資の選択肢』
~海外不動産を視野に・日本と東南アジアでの投資を考える~

日時 8月6日(土)
場所 東京国際フォーラムガラス棟G510

今回はバリ島ではありませんよー(笑)。
私の講演の後、カンボジアの不動産を紹介するプログラムがあるそうです。
でも私、カンボジアのことは何も知りませんので、
お話しするのは『これからの不動産投資の選択肢』まで。

「榊淳司のお奨めマンション速報」

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2016/8/5 0:17 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、おはようございます。

今日も暑くなりそうですね。いや、なっています(笑)。
「自分と向き合う夏」、いいですね。
最近、日本の夏はなぜにバリ島の夏よりも暑いのか、
という不思議な現実を考えています。
そして、冬はかなり寒い。
この寒暖の差が日本人の無常観に一役買っていますね。

陛下のお言葉・・・なんとのう切ない思いがあります。
生前退位ですか。まあ、おおみごころに従うまでですが・・・

ごきげんよう 榊淳司

2016/08/05 09:28 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

対先進国でのニッポンの比較優位は、
まず「政治が安定」していること。
だから「治安は優良」である。

総じて社会的なインフラも優良。
国民性も「穏健・従順」。
たまにメンヘラがおりますが 。(笑)

他にもありますが、このくらいで。
そして、比較劣位は取りあえず不問と。(笑)

以上は「現況」です。
「将来」は分かりません。
ですが、この比較優位を死守して行けば、
「日本国」の骨格は保てそうですね。

多少はビンボウにはなるでしょうが、
それなりに暮らしてゆけば良いのです。
アッパーからボトムまで、それなりに。
いつの時代も変わりません。

さて。
報道に依りますと、8日、
国民に向けて天皇陛下の「御言葉」の発表がある由。
この夏のエポックでありましょう。
心身を清め、謹んで拝聴したいものです。

日本国の夏は 「己自身と向き合う」ときです。
自分とは何か?
わが両親とは何か?
わが幸せとは何か?
日本国は斯くあるべきか?
などなど。

そのための夏休みでもありますね。
真っ青な空に。
太陽の焼けつくような日射し。
身をしぼるような蝉の声。

8月8日。
間もなくですね。

ごきげんよう。

2016/08/05 03:35 | by まろたん

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