昨日は八重洲でミニセミナーを開催しました。
テーマは「マンションのモンスター居住者対策」。
お話しするメインは、弁護士の先生。
まあ、私は添え物みたいなものなのですが、
参加者の募集はこのブログのみで行いました。
昨日の参加者は8組9名様。
まあ、マックス17名しか入れない会議室なので、
ゆったりとやるにはちょうどいい感じですね。
参加者のみなさん、昨日はありがとうございました。
そのあとで懇親会。参加者3名と私と先生のあわせて5人。
近所の中華屋に入って食べ、飲み、よもやま話をイロイロ。
みなさん、お疲れ様でございました。また、機会があればやりましょうね。
そのあとで、先生と若干の打合せ&世間話。
まあ、なんとかその日のうちに帰宅いたしました。若干、疲れましたね。
この歳になると、体力がかなり落ちているのを実感。
若い頃みたいにイケイケドンドンとは参りません。
無理をすると2日くらい機能しなくなりますから(笑)。
さて、昨日のセミナーも、基本的なテーマはマンションの管理。
「マンションは管理で買え」なんていいますが、管理というのは
やってみるとかなり面倒くさいものです。
私も、とあるマンションの理事長を5期くらいやりました。
さほど熱心にお勤めしたわけではないので、
エラそうなことは言えませんが、本当に面倒臭い。
誰か他にキチンとやってくれる方がいればお任せしたい仕事です。
その点、一戸建てに住んでいると管理なんてありません。
ゴミの日にキチンとゴミを出す、というのが面倒臭いだけ。
管理費や修繕積立金を徴収されることもありません。
住宅を維持するためのコストは、固定資産税と壊れたところの修繕費。
駐車場代もスペースがあればタダです。
で、今日の話題はこの管理費と修繕積立金について。
まず、いくらくらいかかっているのか? という基本的な問題。
存外、自分の払っているコストがどれくらいか知らない人は多いもの。
「そんなの、通帳を見てれば分かるよ」なんて・・・
その通りです。でも、ちょっと掛け算をしてみましょうね。
毎月の負担×12か月×35年+修繕積立金+管理準備金。
これが、新築マンションを購入して35年ローンを払い終わるまでにかかる
管理費と修繕積立金の総額ということになります。
管理費というのは、普通のマンションだと㎡単価200円前後。
修繕積立金は㎡100円前後で始まり、最終的に300円くらいに
値上げされるケースが多いようですね。
だから、ならして200円と考えると月額負担合計400円。
75㎡のマンションだと3万円になります。
これを35年払い続けると1260万円ですね。
他に、入居時に40万円くらいまとめて払っているとあわせて1300万円。
年収600万円の方の2年分超。可処分所得の約3年分ですか。
このお金は、いったい何に使われているのでしょう?
実は、大半が管理会社の売上になってしまいます。
まず、管理費は日常の管理委託費として管理会社に支払われます。
そして修繕積立金は十数年毎にまとめて大規模修繕の費用として
工事を請け負うことになる管理会社の売上になります。
ただし、ここにはやや例外があります。
大規模修繕工事を管理会社に発注する義務はありません。
何社かの相見積もりを取って安いところに発注してもOK。
基本は民間同士の取引なので、通常の商行為です。
しかし、大半の管理組合が日頃の「流れ」で
管理会社に発注してしまっているのが実情です。
つまり、マンションの管理というのは管理会社にとっての収益源。
ほとんどの場合、ルーティンな業務をこなすだけで
毎月チャリンチャリンとお金が入ってくる、
楽に儲かる美味しい事業になっています。
もちろん、例外はありますよ。
管理組合がしっかり機能しているところは、管理会社にラクはさせません。
でも、そういうところはごく少数派。
さて、マンション業界周辺では、
この管理会社がもっとも手堅くもうかる業種です。
ですから、すべての大手デベロッパーは管理の子会社を持っています。
そして、自社の開発物件は100%その子会社に管理させます。
新築マンションは毎年増えていきますから、
管理会社の業績は自然に右肩あがり。
これほど簡単に成長を見込める業態は、ちょっと見当たりません。
余談をひとつ。
マンションデベロッパーは、経営が危うくなるとどうするか?
リストラとか経費削減などは、普通の企業と同じ。
独特の手法としては、用地の転売ですね。
通常、1年から2年先の事業用地は仕込んであるもの。
目先の資金手当てに、それを別の業者に転売してしまうのです。
リーマンショック前のミニバブル期には、これが逆に儲かりました。
「不動産流動化事業」なんて呼んでいましたが、ただの土地転がし。
業界内では「M社は開発事業そっちのけで土地コロやってんじゃ」
みたいな話がさっとひろがったりします(笑)。
まあ、土地の価格が上がっている時は、それで簡単に儲かります。
しかし、土地の値段が下がっている、あるいはマンションが
売れない時期というのは、買った値段より安く処分するしかありません。
だから10億で買った土地を泣く泣く7億で処分、なんてこともザラ。
それで、いよいよ売るモノさえなくなった時にはどうするか。
「子会社の売却」ということになります。
中堅程度のマンションデベなんて、ロクな子会社を持っていません。
その中でも、もっとも高く売れるのが管理会社。
ですから、「管理会社を売却」というニュースが流れたら
「ああ、あのデベはもうダメだな」ということになります。
例えば、コスモスイニシアという会社はリーマン後の経営危機で、
管理会社を大和ハウス工業に売却しました。
その後「ADR」になって、結局大和ハウスグループ入り。
そのうち、経営統合されるのではないでしょうか。
話しを戻します。
マイホームにマンションという形態を選ぶと、
35年で1300万円の管理コストが発生します。
では、戸建て住宅ではどうでしょうか?
ケースバイケースですが、総額で200万円もかかるでしょうか?
私の京都の実家は、築33年です。現在は貸家にしています。
時々修繕を要求されますが、まあかかって数十万円。
家族で住んでいた時代も合わせて200万円かかっていないはず。
木造2階建てで、延床面積は120㎡ほどかと思います。
つまり、マンションを買って住むと、
戸建てよりも軽く1千万円以上高くなるということ?
いいえ。これまでは、こういう乱暴な議論はほとんどありませんでした。
なぜなら75㎡の新築マンションが販売されているすぐ傍で
75㎡の一戸建てが同じ価格で売り出されている、
なんてことはまずなかったからです。
ところが、最近の首都圏ではそうでもなくなってきています。
RCの建築費が高騰したので、近郊エリアの新築マンションも
やたらと高くなっているのです。
80㎡くらいのマンションだと、同じエリアの建売戸建ての
ミニ開発物件とたいした差が出なくなっています。
すると、先ほどの乱暴な比較も「そうだね」となってきます。
私はよく「マンションVS戸建ての比較は神学論争だ」と
これまで書いたり言ったりしてきました。
広告屋時代は、不動産屋が制作をオーダーするその手の資料を、
たくさん作ってきました。もちろん、コピーも書きました。
マンションと戸建、どちら側もやりましたね。
だから、両方の言い分はよく分かっているつもり(笑)。
しかしこの問題。最後は個人の嗜好の問題に行きつくだけ。
実のところ、私はその両方に住んだことがあります。
まあ、ラクなのはマンションですね。
ゴミはいつでも出せるし、戸締りは簡単。
家の前を掃除する必要もありません。大雪でも雪かき不要。
エアコンは夏冬共によく効きます。
しかし、面倒臭いのは管理。何年かに一度は理事。
それに、管理費や修繕積立金はもちろん、駐車場使用料も発生。
ランニングコストの負担はバカにできませんね。
実のところ、ほとんどのマンションでは
管理費や修繕積立金を削減することができます。
なぜなら、前述のように管理会社というのは親会社に振られた仕事で
バッチリ利益が出る構造に甘んじていますから。
その美味しいところを削ってしまえばいいのです。
究極の削減法は、管理会社の変更。
業務内容を同水準にしても2割は削減できる、というのが通説。
しかし、これは超面倒臭い手続きを踏まなければできません。
がんばってそれをやった組合さんは結構多いですけど。
結局、今日の話に結論はありません。
マンションという居住形態には、かなり面倒臭い「管理」という
問題が常に発生して、それには年収3年分ほどのコストがかかる、
という現実をご理解いただきたかったのです。
多くの人はマンションを購入すると、安くない管理費と修繕積立金を
払うのが「当たり前」だと考えています。
しかしそこにはやや不自然な構造と仕掛けが働いているのです。
管理内容の枝葉末節については、あれこれ議論するつもりはありません。
だいたい、私にはそんな知識や経験もなし。
何年もやりましたが、ダメ理事長でしたから(笑)。
それよりも、このマンション管理のちょっと歪な
「基本構造」というものを認識していただけたなら幸いです。
さて、レポートの更新情報です。
湾岸タワーと中央区関係を一気に最新情報化。
中央区のマンション市場はそれなりに好調なのですが、やや息切れ気味。
新規物件の動きも鈍いですね。
しかし、それなりに検討できるモノもあります。
■勝どきビュータワー、■DEUX TOURS CANAL&SPA(ドゥ・トゥール)、■ザ・パークハウス 晴海タワーズティアロレジデンス、■KACHIDOKI THE TOWER 勝どきザ・タワー、■グレーシア勝どき、■ジオ勝どき、■セントラルレジデンス月島ステーションコート、【日本橋エリア】■IORIS(イオリス)、■パークホームズ日本橋浜町ザ テラス、■ザ・パークハウス 日本橋浜町,■CONOE (コノエ)〈東日本橋駅前〉、■(仮称)東日本橋プロジェクト 、■サンウッド東京茅場町パークフロント、■GREEN PARK 日本橋堀留町、【銀座・築地・八丁堀エリア】■グラディス 東京イースト、■プレシス八丁堀リバーフロント、■アスコットパーク東京リバーサイド、■グランスイート八丁堀、■リストレジデンス築地、■ザ・パークハウス 東銀座、■クレヴィア東京八丁堀 湊ザ・レジデンス、■パークリュクス銀座 mono
■IORIS(イオリス)、■パークホームズ日本橋浜町ザ テラス、■ザ・パークハウス 日本橋浜町,■CONOE (コノエ)〈東日本橋駅前〉、■(仮称)東日本橋プロジェクト 、■サンウッド東京茅場町パークフロント、■GREEN PARK 日本橋堀留町、■グラディス 東京イースト、■プレシス八丁堀リバーフロント、■アスコットパーク東京リバーサイド、■グランスイート八丁堀、■リストレジデンス築地、■ザ・パークハウス 東銀座、■クレヴィア東京八丁堀 湊ザ・レジデンス、■パークリュクス銀座 mono
■勝どき ザ・タワー(KACHIDOKI THE TOWER)、■ドゥ・トゥール(DEUX TOURS CANAL&SPA)、■ザ・パークハウス 晴海タワーズティアロレジデンス、■勝どきビュータワー、■グレーシア勝どき、■ジオ勝どき、■セントラルレジデンス月島ステーションコート
■パークホームズ豊洲ザ レジデンス、■勝どきビュータワー、■ドゥ・トゥール (DEUX TOURS CANAL&SPA)、■ザ・パークハウス晴海タワーズティアロレジデンス、■勝どきザ・タワー(KACHIDOKI THE TOWER)、■ベイズタワー&ガーデン(BAYZ TOWER&GARDEN)、■シティタワーズ豊洲 ザ・ツイン、■シティタワーズ豊洲 THE SYMBOL、■ブリリア有明シティタワー
ブログよりも過激な発言をお求めの場合は
私のツイッターをご覧ください。
twitter.com/SAKAKIATS
夕刊フジの公式サイト zakzak
に榊淳司の連載コーナーが設置されています。
まろたんさん、こんばんは。
前回の書き込みは、
あの方を不必要に不愉快にさせる恐れがありましたので、
遺憾ながら非表示とさせていただきます。
多分、セミナーの参加者さんですから。
しかし、昨日のセミナーは業界関係者が多かった(笑)。
さて、プリンターでは私はだいたいヤフオクで買った
非純正品を使っています。これまでまったく問題なし。
大規模修繕というのは、突っ込めば突っ込むほど
おかしなことがたくさんありますね。
一般のエンドユーザーというのは、
マンション購入の入り口でぼられ、途中で絞られ、
最後にまたカモられていますね。
上手に売り買いしている人は、ほんの一握り。
今また「上がった、上がった」と騒ぐ輩は
何年かのちに青い顔をすることでしょう。
ではまた、お待ちしています。
ごきげんよう。 榊淳司
榊さま。
このテーマは、一般論として、
「ランニング・コスト」の問題に集約されるでしょう。
つまり、継続して使用するための不可欠なコスト、です。
ですから、アンションに限りません。
クルマの車検などの維持費も、しかりです。
身近なところでは、パソコンで使うプリンターですね。
メーカーはプリンター自体は比較的安く価格設定していますが、
トナーは「高い!」。ぼったくり。(笑)
一例として挙げますと、
私はCANONのカラーレーザーを使っていますが、
プリンターは5万円余りですが、トナーは4色で、各1万円。
で、4色交換すると4万円也。
もう1万円余り出すと、新品が買えますわ。
メーカーは取説に、しっかり明記しています。
「かならず純正品をお使い下さい」と。
はめられたあ~。(笑)
テキさんも、エグイこと。
けっこう皆さん、泣かされてるみたい。
ま、ショーバイですから、お人好しではねえ・・・。
たまたまCANONを挙げましたが、どちらさんも同列。
周知の通り、あらゆるモノは「ランニング・コスト」で、
シッカリ・ガッポリ益出し。
継続使用する限り逃げられないという「足元みて」、やりたいホーダイ。
俗に言う「ぼったくり」ですね。
きょうび、こんなのばっかりですわ。
おおかたのパソコンユーザーが使っているウィンドウズ。
頼んでもいないのに、しょっちゅうバージョンアップ。
マイクロソフトは、イヤラシクもトボケて宣告します。
「セキュリティーのサポートが終了しますので・・・」
おどかすなよ~。(笑)
ですよね。
とは言え、泣く子とウィンドウズには、勝てませんから。
話がズレズレになりましたが、マンションの大規模修繕については、
榊さまがご指摘の通り、その頻度や修繕規模をしっかり吟味して、
賢い消費者・居住者になりたいものですね。
いつの時代でも、
バカは「騙され上手」と相場が決まってます。
古来、おカネは使い方で、その人の知性・教養がわかる、
とも言いますから。
「バカ丸出し」に注意したいものですね。
前回のブログ記事に、2回目のコメント書き込みましたが、
やっぱりボツですよね。
アイツは、多分「カキコ」ではなく、業界人の端くれ、
ネット・チョロマツかと推測しましたが。
「カキコ」として、おちょくってやろうかと・・・。(笑)
失礼しました。
ごきげんよう。
マンションの場合は金額が大きくて、かつ、管理費はともかく、
大規模修繕については、その頻度・規模などの是非ついて、議論の余地は十分ありますね。
昨日は大変お世話になりました。
誠にありがとうございました!
セミナーでは、様々な事例に基づき、対処策を御教示頂き、
是非、現場で活用させて頂きます!
さて、一つ質問を失念した事項がございます。
「水」問題です。上下階においての漏水問題です。
直に上からの漏水の場合は分かるのですが、原因が分からない
場合がございます。
例えば共有部分である外壁等、管理組合が関与しなければ
ならないのか、又どこまで費用負担等考慮すればよいか、
御教示下さいませ。
最後に私は、何分ミーハーなもので、ご無礼にもサインをお願いしてしまいました。
しかしながら、ご丁寧にサインして頂けたこと、大変嬉しく思って
おります。ありがとうございました!
RSS feed for comments on this post.