公開講座8 3LDKに意味はない & 過激発言

今日は朝から晩までデスクのパソコンをパチパチ。
明日のテレビ出演のコメントに、ライター仕事のまとめ等々。
いくらモノを書くのが本業とは言っても、これは疲れる。
時々、気分転換でツイッター。
でもまあ、これも140字の文章を書くワケで、
アタマの中の同じ部分を使っていることに変わりなし。

こんな日に限って、事務所には誰一人やってこない。
かかってくるのは変な営業電話ばかり。

でも、もうひと頑張り。
この更新をやってから帰るつもりです。

今日は公開講座の第8回。テーマは
「3LDK」に理由はない
にしました。

全国で供給される新築マンションの間取りは
だいたい8割くらいが3LDKではないかと思います。
なぜそうなのかというと、それが「売れる」から。

でも、この傾向・・・今後は変わると思います。
なぜなら、この3LDKというのは「夫婦2人、子供2人」という
家族構成に合わせたものだからです。
これからの家庭は、子供が二人よりも一人の方が多くなりそうです。
そうなると3LDKでもいいのですが、
2LDKでも2LDK+Sでもよくなります。

現に今は、5,6年前に比べて3LDKのシェアは減っていると感じます。
そして今後、この傾向はさらに顕著になるでしょう。
というのは、これからの新築マンション市場は、
今までのように「ファミリータイプ3LDK」が中心ではなくるからです。
4,5年先には3LDKがトップシェアの座を明け渡すでしょう。
では、次の時代はどの間取りが主役?

実は、主役といえるような間取りはなくなると思います。
ここで、久しぶりに「そもそも論」をしてみます。
この3LDKという間取りの分類法は、日本オリジナルです。
広く「欧米」ではどうか知りませんが、アメリカでは
「3bedroom」みたいな言い方をするそうです。
というか、アチラの住宅事情は日本の長谷工型羊羹プランのように
日本全国どこの新築マンションでもほとんどが同じような3LDK、
ということはないのだろうと思います。

そもそも、3LDKという間取りはLDがあることで成立します。
日本語でいうと、リビング・ダイニング。
ご飯を食べる「食堂」と、寛ぐ「居間」が一続きになった部屋。
これは、アメリカあたりからの「輸入」ではなく、
実は住宅公団が編み出したオリジナルの概念なのです。
それを、長谷工が「コンバース」という画一的な間取りに採り入れました。
つまり、コンクリート住宅を工業的に大量生産するために、
四角い枠の中にはめこんで「田の字」3LDKに仕上げたのです。

これは、結果的に大成功しました。
日本国中、いたるところで「田の字」3LDKのマンションが作られたのです。
まあ、住宅の絶対数が足りない時代はそれでよかったのでしょう。
そして、驚くべきことに、誕生から四半世紀以上たつのに、
この「田の字」3LDKはまったくといっていいほど進化しませんでした。
今も、初期型とほとんど変わらない3LDKのマンションが
長谷工その他によって生産し続けられています。

さて、しかしそんな時代もとうとう終わりを迎えようとしています。
それは、長谷工型「田の字」3LDKが市場に飽きられたからではありません。
変化を求めない日本人は、いまでもコレに満足しているフシがあります。
終わりを迎える理由は、前述のように需要層の家族構成の変化。

20代後半までに結婚して子供を2人つくる、
という日本の家族の標準モデルが絶対多数ではなっています。
まず、少子高齢化による若年層の絶対数が減少。
そして、雇用不安なのかどうなのか、多くの若い人が結婚しなくなりました。
当然、昔のような勢いで子供も生まれてきません。

そうなると、この「田の字」3LDKの需要層は激減します。
すでに、その傾向は顕著に表れています。
長谷工型郊外大規模マンションはどこもかしこも、
ここ数年の間、惨憺たる売れ行きでした。
連中がくだらない商品を作っているのも一因ですが、
それよりもマーケットの中身が激変しているのです。

すでに都心で供給される新築マンションの間取りは、
3LDKが少数派になりつつあります。
この動きは、徐々に郊外へと拡大していくはずです。
言ってみれば「田の字」3LDKは、
その役割を終えて退場を迫られているのです。
そのことに気が付いているのかいないのか、
長谷工型郊外大規模マンションは、まだまだ市場に登場しそうです。

今後、マンションの間取りはますます多様化するでしょう。
それこそLDKという表示法がそぐわなくなる可能性もあります。
10年後は、アメリカ風に「ツーベッドルーム」なんて
いっている可能性すらあります。
私としては、呼び方なんてどちらでもいいと思います。
ただ、各マンションデベはいち早く
「田の字」3LDKの時代が終わったことを認識し、
これ以上市場に供給しないようにすべきです。
なぜなら、ただでさえ余っている日本の住宅を無意味に増やし、
将来の空き家予備軍をせっせと世に送り出すだけのことですから。

さて、マンションレポートの
久々の「新作」を出しました。

榊淳司のマンションレポート021
「港区・総集編」
全38物件、そのすべてを検証する
価格 9,980

これには、現在港区で販売されている、
ほぼすべての新築マンションについて、
私の「言いたい放題」の分析が盛り込まれています。
でも、けなしてばかりではないので、
そのあたりは誤解しないでください(笑)。

はっきりいって、港区も3LDKではなく
コンパクトタイプが主流になりつつあります。

それにしても・・・港区はいいですね。
前の文京区も気に入りましたが、
港区には現代の「東京らしさ」があふれています。
それに、資産価値は23区で最も安定しています。
もし、5000万円以上の予算でこれからマンションを買おう、
なんてお考えの方がいれば、やっぱり港区でしょうね。
私のレポートも、ぜひ活用してください。

さて、ツイッターでは「過激」にやっています。
一部をご紹介しましょう。
私はちっとも「過激」とは思いませんが、
周りはみんな「榊さん、過激ですね」とお褒め下さいます。

万来の批判を覚悟で敢えて言う。私はそれでも原発推進派である。我々は大きなミスを犯した。東京電力は信頼に耐えない企業であった。民主党政権は、この危機管理に完全に失敗した。しかし、言いたい。放射能では、まだ誰も死んでいない。津波では2万人以上が死んだ。そして我々には、電力が必要だ。

原発は人間がコントロールできる。少なくとも世界中の原発のほとんどは人間の制御下にあって、人を殺していない。あのガサツなロシア人達がミスったチェルノブイリでさえ、分かっているだけなら死者は100人くらい。今回の津波は2万人以上。アメリカはイランやアフガンで何万人も殺している。

普通のマンションの建設現場でも、時には事故で死ぬ人間がいる。火力発電所や水力発電所でも、人身事故はありえるだろう。風力発電は周辺住民に健康障害を起こすという。確かに放射能の危険は侮れない。しかし「木を見て森を見ない」ヒステリックな判断は避けよう。リスクと利益は常に並存する。

SAKAKIATSをフォローしましょう


2011/4/7 21:20 Comments (1)

1件のコメント

榊さん、今進行中のもんじゅの事故はご存知ですか?
20年ほど前に起こったナトリウム漏れじゃありません。
去年の夏にあった奴です。事故の責任者はもう自殺してます。
だってこれ、本気でやばいっすから。
これの対策間違ったら日本どころか地球やばいっすよ。

2011/04/21 22:22 | by KEROPON

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