連休の谷間ですから、株式市場も外為も静かですね。
なんかこう「嵐の前の静けさ」のようで、ちょっと不気味。
実は、マンションの販売現場も例年4月はちょっとダレます。
GWで盛り返す、というのが理想形なのですが、今年はどうでしょうか?
最近、不動産屋みたいなことをしているので(笑)、
デベさんと話す機会が多くなりました。
どこへいっても共通することは「土地が買えない」という悩み。
こういう時に売り物件をたくさん抱えている業者は、まさに「稼ぎ時」。
ある程度高くてもデベさんは喜んで買ってくれます。
こんな私のところにも土地情報はいくつか入ってくるので、
何年か前に東京都知事免許を取ろうかと真剣に考えたことがあります。
日頃から「おバカさん」呼ばわりしているアチラ側の人間に
なってしまおうかなんて、よこしまなことを考えたワケです。
一応、宅建の資格は持っているので一度くらい使いたかったし(笑)。
まあ、私には似合わんな、と思ってやめました。
でも、ご自分の土地の処理に悩んでいる地主さんは、どうぞご相談ください。
私が「一番高く買ってくれそうなデベ」を見つけて差し上げます。
デベというのはよくできたもので、販売側と仕入れ側は
ガラっと「顔」が違うのです。
私は販売側には蛇蝎の如く嫌われているはずですが、
仕入れ側とは案外仲良くお付き合いしていたりします。
それと、20数年もあの世界の周縁にいたので、様々な人間関係があります。
まあ、もうみんな部長クラスで現場には出ていませんが。
さて、今日の話題は「マンション購入の出口戦略」。
マンションを購入するのは、いわば「入口」。
未来永劫そこに住むわけにはいかないので、出口戦略も必要です。
最大限に考えても、人間には寿命というものがあります。
「死んだあとのことは知らん」というスタンスでもいいのですが、
できればあとに残された人々のことも考えてあげたいですね。
私は去年出した「磯野家のマイホーム戦略」という本の中で、
サザエさんちの20年後を想定してみました。
この中で、サザエさんとマスオさんが「南町田」に
新築マンションを購入する、というシミュレーションをしています。
南町田の今は、確かに華やかで上品で、いい街です。でも、20年後は?
今後は、あの街で今までほど新築マンションは分譲されないと思います。
その理由は、もっと都心に近い場所で、
今のサザエさんが買えるくらいの価格で供給できるからです。
まあ、この2年くらいは無理でしょうが、
今の不動産ミニブームが収まった後はそうなるでしょう。
したがって、南町田と言わずいわゆる郊外型住宅地は今後、
人口流入が減少してどんどん老いていきます。
20年後、タラちゃんは大学を卒業して就職するでしょう。
普通に考えれば、南町田から大手町あたりへ通うのは大変。
もう少し近い所にワンルームでも借りるのではないでしょうか。
その頃は、今よりも家賃がうんと安くなっているはずですから。
サザエさんとマスオさんも、まだ40代。元気にがんばっています。
でも、その15年後はどうなるでしょう?
マスオさんは63歳で住宅ローンを完済します。
今から35年後、南町田の風景はいかに?
多分、60歳代の方が中心の「初老者の街」になっているでしょう。
タラちゃん世代が流入してきて、あの街で子育てを始めるとは
ちょっと考えにくいですね。
もちろん、中古マンションの価格もかなり安くなっているでしょう。
マスオさんたちが35年前(今)に3500万円くらいで買ったマンションは
きっと500万円から600万円あたりで取引されていると思います。
これって、ただの私の空想だけで言っているのではありません。
今から20年以上前に、都心から1時間程度電車に乗らないと
行けないくらいの千葉や埼玉エリアにおいて当時3000万円前後で
分譲されたマンションが、今は800万円前後になっている現象を
そのまま15年延ばして当てはめているのです。
南町田は渋谷から約38分。でも、アドレスは東京都。
今はそこまでは下がっていません。
でも高齢化と人口減少が加速する20年後、そして35年後・・・
人気の田園都市線といえども、そういった波は避けられないでしょう。
サザエさんとマスオさんが、そのまま暮らす、というのもいいでしょう。
自立しているのなら、きっと年金で生活は賄えるはず? です。
そして、20年。お二人とも寿命が尽きたとします。
南町田に残された築55年のマンション。
きっと、人が住んでいる住戸は半分くらいに減っているはず。
もう、なんの資産価値もないと思います
相続したタラちゃんは、どうするのでしょうね?
もちろん、もう私は生きていないので
そういった光景を見ることはないでしょうが。
マンションの購入、というのは「入口」だと申し上げました。
上の場合、サザエさん夫婦は寿命をまっとうすることが「出口」になっています。
でも、ほとんどの場合は人生の途中で「出口」がやってきます。
ローンが返せなくなる、というのは悲劇です。
海外への長期赴任。あるいは転職。家族構成の変化・・・
始めから「10年後には売る」と考えて買う人もいます。
また、そういった買い方を推奨している方もいますね。
ひとつの正解だと思います。でも、もっとも大事なことは
「いつ出口になっても大きな損失を蒙らない」物件を買っておくこと。
マンション購入に一番たいせつなのは、物件選びなのです。
ですので、「出口戦略」なんて言い方を変えても
結局のところは「物件選び」だと思います。
そして、「物件選び」の基本は、どんな時代でも同じ。
不動産の資産価値は9割が立地で決まる!
これこそ「不動産選びの不変鉄則」と名付けてもよいくらい。
実にカンタン。誰でも理解できる。間違いようがありません。
でも、現実には様々な珍現象が起こります。
すごく頭のいい人が「ここは将来値上がりする」「お買い得だ」
などと考えて駅から十数分も歩くような物件や、都心から離れた
新興住宅地にマンションを買ったりなさるのですから。
めったにやらないのですが、たまには動画を作ってみました。
テーマは「マンションレポート」とは
No comments yet.
RSS feed for comments on this post.