さて、今日も真面目にマンション関係をテーマに突っ込みます。
すごいでしょう。4回連続脱線なしです。
でも、雪なんか降りませんよ。代わりに強烈な台風が来ます(笑)。
今日のテーマもマンション管理に関して。
お題は「お仕着せ4点セット」です。
「そんなの聞いたことないよ?」という方が全員です。
だって、今朝布団の中でこの言い方を思いついたので(笑)。
新築マンションを購入されると、様々な書類にハンコを押しますね。
肝心要は「売買契約書」。次は「重要事項説明書」。
その他にもたくさんあって覚えていないかもしれませんが
「管理規約集」とか「管理委託契約書」、さらには
「長期修繕計画書」なんてのもあります。
まあ、たいていの方が「はいはい」とハンコを押しちゃいます。
「大手の○○不動産だから、ヘンなことはないだろう」という信用。
日本はいい国です。それで大抵ヘンなことはありませんから。
そして、晴れて引渡し。家族とともにご入居。
新築のわが家で暮らすなんて、かなりのウキウキ気分ですね。
管理員さんが、毎朝笑顔で挨拶してくれます。
「おはようございます。いってらっしゃいませ」
なんか、召使を雇った気分になれますね。
そうこうしている内に、約1年。
管理組合から「第1回定期総会開催のお知らせ」という
けっこう分厚い書類が送られてきます。
そこには「議案事項」「決算報告」「来年度予算」
などという項目も盛り込まれています。
総会に出席すると、議長役の理事長が前に座っています。
「ああ、この人が理事長だったんだ」
大部分の人は、その時に初めて理事長の顔を確認します。
その左右をがっちり固めているのは理事さんたち。
背後あるいは横に立ってかしこまっているのが
管理会社の担当者(フロント)。
「ああ、そういやこの人よく見るなあ」
フロントさんは、マンション内でいつも愛想よく振る舞っています。
まあ、第1回の定期総会なんて、普通なら深刻な議案は何もないはず。
次期の理事を決めて、あとはシャンシャン。
しかし、ここで敏腕な理事会ならシャンシャンで終わらせずに、
「管理規約の改正」という議案を出してくるはずです。
管理規約とは、契約の時に渡され、同意のハンコを押したアレ。
「管理規約の第0条0項は・・・となっていますが、これは本マンションの・・・である事情には不都合ですので議案書00ページ0項のように変更したいと考えます」
というように、管理規約には必ず改正すべき点が見つかります。
なぜでしょう?
それは、基本的に統一フォーマットを元にしているから。
マンションには物件によって様々に個別の事情があり、
時を経るにしたがって個別の事象が起こります。
本来、それらを想定して管理会社の担当者が条項を改編しているはず、
なのですが、現実に起こることは、現実にならないと分かりません。
ですから、そういった管理規約の不具合に気づいた理事会は、
第1回の総会から管理規約の変更を議案にします。
しかし、そんなことができる管理組合はごく少数派。
ほとんどの第1回定期総会はシャンシャンで終了。
そして、問題はどんどん深く潜行して、見えないところで傷口を広げます。
話しを「お仕着せ4点セット」に戻しましょう。
新築マンションは、購入契約した時点で重要な次の4点が、
購入者の意思を何ら反映せず「お仕着せ」に決まっています。
1 管理規約
2 管理会社
3 管理費・修繕積立金
4 長期修繕計画
この4点は、管理を行う上での最重要項目です。
それが、購入者の意見をまったく聞かずに決められてしまっているのです。
「そんなもの、後から変えられるでしょ?」
そのとおりです。管理の主体は管理組合。
管理組合はこの4点を全部自主的に決められます。
そして、管理組合を構成するのは区分所有者(購入者)。
最終的には区旬所有者の意思によって、この4点が決まるのです。
しかし、そこには手続き上の困難さが伴います。
冒頭で紹介した「管理規約」。これはマンションにとっての「憲法」です。
だから、変更するにはとても高いハードルが設けられています。
例えば、日本の憲法は国会両院での3分の2以上の賛成決議と
国民投票における過半数の賛成。かなりハード。だから今まで実現せず。
一方、マンションの管理規約変更は、ほとんどの場合で
「区分所有者の4分の3以上の賛成」を必要とします。
100戸のマンションなら、75戸以上の賛成ですね。
はっきり言って、大部分のマンションではこれが不可能です。
管理総会への出席と委任状の提出を合わせて
やっと定足数の半分を超えるマンションがほとんどです。
それを75%の出席と委任状を集めるだけでも大変なのに、
その全部を賛成票にしないとできないのです。
ですから、この「4分の3議決」をやってのけた組合は、ごく少数。
それも新築入居してから5年以内が勝負でしょう。
それくらいまでは、多くの区分所有者が総会に出席したり、
委任状を出してくれますから。
100戸以上のマンションで、築10年を経過するとまず無理。
だから、この「お仕着せ4点セット」の1点目は
ずっと「お仕着せ」のままで脱げない可能性が大。
2,3,4については、総会の「普通決議(過半数)」で変えられます。
例えば、100戸のマンションの総会に59戸が出席・委任状提出したとして、
そのうち30議決権(住戸)の賛成があれば可決。
かといって、管理会社を変えるなんてのは、とっても大変。
管理会社というのは、たいていの場合はそのマンションを
分譲したデベロッパーの子会社です。
もちろん、競争なしで管理委託契約を受注しています。
だから普通に考えれば、ボラれています。
通常、管理会社を変更すると委託料は2割ほど減らせる、
というのが業界内の通説になっています。
したがって管理会社の変更は本来積極的にやるべきことです。
やってみたい方は、ご相談いただいても結構です。
管理費や修繕積立金も、いくらにするかはその子会社が決めています。
もちろん、自分たちの利益の出るように数字を作ったはず。
さらには、長期修繕計画に至っては、たいていが噴飯ものです。
まず、修繕積立金は入居後5年くらいから徐々に値上げをしていき、
15年後あたりで最初の3倍、なんて計画がザラです。
さらには「13年目には外壁補修を伴う長期修繕計画の実施」、
そして25年目に「第2回大規模修繕工事の実施」なんてのがあったり。
前にも書いた通り、すべてのマンションが
大規模修繕工事をする必要なんて、微塵もないのです。
なぜ、そんな計画になっているかというと、管理会社が儲けるため。
管理組合の長期修繕計画は、管理会社の長期収益計画なのです。
さて「お仕着せ4点セット」が、いかに管理組合にとって不都合であり、
逆に管理会社にとって「やりやすい」仕組みになっているか
お分かりいただけたかと思います。
管理組合がおとなしくしていると、管理会社にどんどん搾られます。
修繕積立金の残高が溜まると、管理会社はそれを取るための
様々に不要な修繕工事を管理組合に提案します。
そして、それを自社で受注してしまうのです。
だから、連中は信用するのではなく、厳格に監視すべき対象です。
いってみれば「油断も隙もない」連中だと考えた方が正解。
この国の「分譲マンション」というものを購入して住む場合
1 購入時にはボラれ
2 住みながらは搾られ
3 売却時にはカモられる
という危険がたっぷりと孕んでいます。
下手をし続けると、人生で得る収入の何分の1かという大金を、
彼らの懐へ流し込んでいるかもしれないのです。
マンションというのは、前の更新で書いた通り「面倒臭く」
しかもランニングコストがバカに出来ない住まい。
一旦区分所有者となったら、最低限総会に出席するか
委任状を提出することはなさるべきですね。
日本国民には投票の権利がありますが、
国政選挙でも投票率は半分ちょっと。
それで今、どういう国になっているのでしょう?
マンションにおいても、それは同じこと。
いや、何年かに一度は理事(国なら議員)が回ってきますから、
その役割はもっと重要だと思います。
そういう面倒臭いことがお嫌いなら、集合住宅(マンション)ではなく
独立住宅(戸建)を選ぶべきでしょうね。結局、コストも安いですし。
この話、神学論争なのでこのあたりで。
次回は脱線してみたいと思っています。
マンションの話は内容が重たくなるので書いていて疲れます。
それよりもバカっぱなしの方が、軽くて楽しい。
私の性格にも合っているのですが、
何といってもマンションが私の本業なもので(笑)。
まじめにマンションネタを4つ続けたことでやってくる?
台風の被害が少なくて済みますように。
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に榊淳司の連載コーナーが設置されています。
まろたんさん、こんにちは。
台風を待つ日曜日ですね。
裁判所へは私もよく行きます。
最高裁のあの建物へは入ったことはありません。
まあ、行きたくもありませんが。
お金の使い方は、まさしく人格の表出ですね。
私、実はほとんどお金を使いません(笑)。
モノを買いませんね。
カタチのあるものは書物くらいでしょうか。
自営業なので、スーツも不要。
ポロシャツとアンダーウエアくらいでしょうか。
あとは食品とアルコール。これはすぐに消えてなくなります(笑)。
ごくたまにパソコンや電化製品。
家の中はスッキリしていますよ。
たまに来るお客さんがビックリするくらい(笑)。
大好きなオペラは、高いので我慢。
時々知り合いのお金持ちがチケットを回してくれます(笑)。
それでも、お金が羽根をつけて飛んでいきます。
羽根をつけたお金はめったに飛び込んでこないし(笑)。
しかし、薬害訴訟とはいかにも複雑そうですね。
私の守備範囲外でなんとも申せません。
また、コメントをお待ちしています。
ごきげんよう。 榊淳司
榊さま。
今宵は、もう一文。
昨日、霞ヶ関の東京高裁まで出掛けました。
或る訴訟の控訴審の傍聴でした。
被告は、日本国と或る製薬メーカー。
原告は「薬害オンブズ・パーソン」という団体。
本事案の詳細については割愛しますが、
被告人・原告人からお分かりの通り「薬害訴訟」です。
昨日は判決の日でした。
結果は原告人控訴棄却。
オンブズ・パーソンは上告するようです。
三審制ですから当然ですよね。
因みに私は、
このオンブズ・パーソンのメンバーではありません。
薬害訴訟の一事案の顛末を、だだ傍観しているだけです。
人生、クスリとは無縁ではすまないだろう、国民の一人として。
つまり「ヒトゴト」ではありませんから。
リタイア後、この2年ほど、
私はこの国の薬害史を学習しました。
遅ればせながらでしたが。
書籍・雑誌・新聞・会報などなどを取り寄せ、片っ端から読み込みました。
読み込み歴史を知るに連れ、
いまさらながらですが「驚き、うなり」ましたね。
誠に、言葉がない。
と書いたところで、ま、筆を置きます。
語り出したら尽きないですから。
本事案の上告審は来年になるでしょう。
自分なりにフォロウ・アップし、顛末を見届けるつもりです。
ま、ヒマと言えばヒマ、ヒマジンですわ。
秋です。
よい季節です。
出掛けない手は、ないですね。
ごきげんよう。
2014/10/10 21:10 | by まろたん榊さま。
「消費は、最大の投票行動である」
と言い放ったのは、誰あろう、池上彰。
元NHK直参旗本にしては、垂直に立ち上がる言葉です。
消費する=お金を差し出すということは、
その相手の存在を是認し、全面的に支持することであります。
俗に「身銭を切る」という行為の重さが、ここにあります。
従って、やすやすと軽い考えでお金を差し出す行為は「自己の放棄」です。
納得できないものには、1円たりとも差し出さない。
何故なら、差し出せば「納得した」と見なされる。
すなわち、ここでは、
「あなたを認めます」などという「言葉」は、かる~い。
と言うことでは、有馬温泉。(笑)
お待たせしました。
ここで榊さまのコメントにつながります。
分譲マンションを買って住むと、
> ボラれ・シボラれ・カモられる。
もはや「禁治産者」状態ですね。(笑)
「オカネの使い方には、そのひとの知性・教養が表れる」
と古人の言。
ならば、ご同輩。
オデコに一万円サツを貼り付けて、日々、暮らしましょう。
我がニッポン、近代黎明の知・福沢諭吉翁の御尊顔とともに。
トンでもないシメになったようですが、
ま、こんな日もありましょう。
ごきげんよう。
2014/10/10 19:25 | by まろたんRSS feed for comments on this post.