マンションの一生は人より長い

今年の株式市場、出足はいかに、と見ていたら妙な展開でしたね。
最初にガツっとさげてチョロチョロあがって、小下がり終了。
なんかいかにも日銀が買ったような感じがします。
その後、ヨーロッパはだいぶ下がっています。
アメリカは現時点で下げ幅拡大。よくありません。

さて、今日は真面目にマンションについて書きましょう。
マンションの一生はどういう経過をたどるかというお話。
実に初歩的なお話なので、詳しい方はスルーしてくださいね。
あとで文句を言っても知りませんよ(笑)。

マンションを人の一生に例えるなら、男女が出会って愛し合い
子どもが生まれて小学校に上がる頃までは、
建築竣工して引き渡しまでに相当するでしょうね。
この間の主役はデベロッパーで、まあ親みたいなものです。
問題は小学校に上がった後。マンションでは「管理開始」となります。
ところが、マンションはこの段階で親と引き離されます。
というか、親が「俺はここまでだから」とにげるのです。
代わりに管理会社というお世話係をつけてくれます。半ば強制。
そこで初めてマンションは本格的に社会と交わるのです。
でも、そこにはあらかじめ細かなルールが決められています。
法律面では区分所有法、各マンションには管理規約。

まあ、小学校から大学卒業くらいまではいろいろあっても平和ですよ。
最近のマンションは出来が良いので、途中でグレだす(不具合発生)
可能性はあまり多くありませんから。時々とんでもない不良も出ますが(笑)。
問題は学校を出て社会人になったあたり。マンションなら築10年超でしょうか。

人間なら、それまでは規則を守って勉強していれば順風満帆です。
マンションも当初からある管理規約を守って、管理会社のいうままに
管理を続けていればほとんど大きな問題は生じません。
ただし、この間勉強をなまっていると後で大きなツケを払います。

人間でも、社会に出て5年もたつとどの程度に有用な人物か分りますね。
マンションも築10年が過ぎ15年が経過した頃に、いろいろ見えてきます。
まず、様々な補修箇所が発生します。大規模修繕の時期でもあります。
大規模修繕がすべてのマンションに必要だとはおもいませんが。
管理組合が当初の10年でよくお勉強をして、これらの試練を
次々と乗り越えていけるマンションは逞しく育ちます。

社会人10年、マンションなら築20年の姿を見れば、
双方ともに出来不出来がハッキリしますね。
才能に恵まれ、努力した人材は大きく飛躍します。
当初の計画内容が優れていて管理組合がしっかりしているマンションは、
見た目にも美しく熟成し、管理にも安定感が出てきます。
逆に建築効率最優先で設計・建築され、管理組合がおざなりに
管理してきたマンションは、どことなく萎れてみすぼらしくなっています。

さらに10年。社会人なら42,3歳。マンションは築30年。
ダメ社会人は出世もせずに窓際でリストラ対象。
同様にダメマンションは「そろそろ建て替えか」なんて話が出てきます。
逆に優秀な社会人はここでどんどん地位を向上させます。
優良な築30年のマンションは「これが築30年。みえないなあ」となります。
建物に味わいが出てきて、中古マンションとして人気を博します。

そして社会人の52,3歳はマンションの築40年。
ダメマンションは結構ボロボロです。
でも、優良なマンションはまだ全然そんな雰囲気ではありません。
社会人は・・・みなさん、身近にダメおやじがいっぱいいるでしょうから
説明するまでもありませんね。

実のところ、築40年以上のお話は私の想像です。
世の中に築40年以上のマンションはかなり少なめ。
あっても昔の建築なので相当に傷んでいます。
また、40年以上前はメンテナンスを考えて作らなかったので
補修も困難を伴うケースが多いですね。

ところが、今のマンションは建築技術面で相当進化しました。
メンテナンスを適切に行えば築40年でも平気なはず。
例えば、タワー初期の頃の大川端リバーシティでは、
古いタワーは築25年ほどですが、当時の最新技術を結集。
今でも大変な人気です。今後10年やそこらでしなびるとは思えません。
広尾ガーデンヒルズというマンションも同じ。新築時より高い!

そして人間なら60歳を超えると、マンションは築50年。
社会人は現役を終えるころですね。あっちこっちガタが出てきます。
ところが、マンションの場合は人間よりもかなり有利です。
それは、悪くなったところを取り替えられるからです。
エレベータも取り換えが効きます。外壁も塗り替えられます。
様々な不具合箇所を修理し、取り替えながら命を延ばせるのです。

ただ人間にはガンという厄介な病があるように、マンションにも
コンクリートを劣化させる様々な事象があります。
まず、そもそも正しく調合されて打設されたコンクリートなら、
100年は持つはずです。でも「シャブコン」や「海砂」が混ざっていると、
保護している鉄筋を傷めて劣化が早くなります。
そうでなくても、毎年外側から少しずつ酸化が進み、やがて鉄筋に至ります。
まあ、そのあたりは施工の精度を信じるしかありません。
自分でコンクリートの打設場面をチェックしたり、
成分を調べるわけにはいきませんから。

さて、近ごろの日本人は90歳くらいまで平気で生きます。
私は、ここ20年くらいにできたマンションなら、
適切な補修を順次行っていけば90年は十分に使用可能だと予測します。
もちろん、私はあと70年も生きられませんので保証はしませんが(笑)。

最後の同潤会アパートである「上野下アパート」は築84年で終わりました。
1929年の建設ですからね。立派なものです。
今の建築技術は昭和4年よりも進化していなければいけないでしょ。
だから場合によっては100年以上持ちますよ。
ただし、それを慈しんで住み、管理をしてくれる人がいれば、というお話。

さて、マンションの管理というのは、結局のところ法律とお金です。
区分所有法はできて52年になりますが、かなり時代と合わなくなっています。
築50年という場面を想定せずに作られたものですから。
そしてマンションの管理には、人間的な紛争がつきものです。
また、築10年を過ぎると管理費の滞納が目立ってきます。
さらには、管理組合の資産管理をずさんにすると、
理事や管理会社にごまかされたり横領に合ったりもします。
みなさんご存じないだけで、管理というのは実にトラブルが多いのです。

結局、そういった問題は法律とお金の処理に行きつきます。
これを自分たちで解決しようとすると、傷口を拡大するケースが多いですね。
早めに弁護士や会計士に相談すべきです。
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初期の相談は無料だそうですから、管理組合の理事さんたちは
大いに利用されるとよいと思いますよ。

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2015/1/6 0:58 Comments (4)

4 Comments

まろたんさん、こんばんは。

生活保護というのは、矛盾に満ち満ちていますね。
年金を真面目に払っている我々はバカを見ているワケです。
でも、なければ毎年の餓死者は数万人になるでしょうね。
街に乞食も増えるでしょう。
毎年の支出は4兆円だとか。バカにできません。
ただこの制度、そのうち破たんするでしょう。
ローマ帝国のパンとサーカスみたいなものです。
人間、食えなくなったら死ぬべきです。
ちょっと過激かなあ(笑)。

おやすみなさい。 ごきげんよう。

榊淳司

2015/01/08 00:53 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

おとといの記事から。
自民党総裁の任期を、3期・9年に延長すべきとの声が、
官邸周辺から出ていると。
安倍晋三は五輪大宴会をわが手でやりたいらしい。
ま、交代するにもロクなのがいないし、なら是か。

生活保護受給者が161万世帯に、記録更新と。
半分は65才以上の世帯だと。
推測ですが、その7-8割は女性高齢者ではないかと。
バサマは年金が不十分で蓄えなし、そして男より「長生き」。

この先、生活保護受給者は、ずんずんと「等比級数的」に、
激増するでしょう。
オトコでは非正規が予備軍で、オンナは「離婚貧乏」が、
ゾロゾロと流れ込むでしょう。

「経済格差」の問題は、まだ入口。これからが本番です。
現在の「社会保障制度」を、いつまで保てるのか?
バズーカだけでは、どうにもならんでしょう。
私は「自衛するだけ」。
その方法論にチエをしぼっています。

黒田バズーカ・2は、このまま5年も続ければ、アウトか?
自民党政権も、財務官僚も、日銀総裁も、もはや本音では、
「諦めています」ね。
「腹を決めています」ね。

その本音をカモフラージュするために、見透かされないよう、
財務官僚は消費増税を叫ぶしかない。
5%-10%上げたところで、どうにもならんでしょう。
「焼け石にションベン」でしょうに。

単なるパフォーマンスですよ。
高インフレで財政破綻・経済大混乱したときのための、
財務官僚のエクスキューズ用ですわ。
プライドも、メンツも、あるでしょうから。
財務官僚として懸命なる努力をしたのです。
が・・・。でしょう。

本音では、諦めて、腹を括ってますよ。
黒田バズーカ・2で、行けるところまで突撃だあと。
あとは、ちきしょう「もってけ、どろぼう!」だあと。
ニンゲン、腹を括ると「火事場のナントか」で、無敵ですから。

ま、ぼちぼち、具体的に自衛シフト構築、ですわ。
「終わり良ければ、すべてよし」
と言いますからね。

ごきげんよう。

2015/01/07 21:37 | by まろたん

まろたんさん、こんにちは。

確かに、東京の郊外は戦後の薄っぺらな都市文化を象徴していますね。
そこに立つと心が寒くなるのが私だけでないと知って、やや安心。
日本人は街を作るのが下手くそです。
といって、私は海外をたくさん知っているワケではありません。
東京の雑多なビル群を見ていると、なんだか情けなくなります。
ああいったビルの中のマンションの一室を買うために
多くの方が生涯年収の2割か3割をつぎ込んでいます。
何とも悲しいことではありませんか。

土曜のテレビ番組、録画予約しておきます。
多分、その時間は家族とビデオでも観ているはずですから。

それでは、ごきげんよう。 榊淳司

2015/01/06 14:07 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

東京郊外に感じてしまう空虚な明るさ。
その中身についてのコメントは、誠にもって首肯できます。

> 東京人のつもりだが、何の文化もない。
> ただただ、でっかいだけのショッピングモールだけ。
> 住人の面貌ににじむ、ヒガミ根性と嫉妬。

ご指摘の通りであります。
東京郊外に広がる風景は、戦後日本の政治・経済・文化の。
「底の浅さ」を見せ付けてくれますね。

厚化粧をして、小銭入れを握りしめ、ただ意味もなく装う明るさ。
テレビでは、変わり映えのない、ただただ消耗するだけの、
タレントの日銭かせぎ笑い。
そこの感じる、貧困よりもタチのわるい「貧乏くささ」。

そんな感性は、どこえやら。
整形ヅラのオトコとオンナどもの、目尻りと口許に、
ふと露出してしまう、やるかたない「嫉妬心」。

或る雑誌の対談で、永六輔が黒柳徹子に、屈託なく言う。
「あなた、まだテレビやってるの」
そこまで言うウウ。(笑)

東京郊外とテレビの有り様は、
見事なまでに、戦後の日本そのものですね。
四〇年も前に、三島由紀夫が日本人にあてた晩年の言葉を、
今更もち出すまでもないでしょう。

戦後七〇年の、これが日本人の「到達点」。
「みんな、よく生きてるよなあ」(またか・笑)

さあ、これから先、10-20-30年後。
どないなっているのか、どないしたいのか?
永六輔ではないが「あなた、まだ・・・」は、もう、なかんべ。
テレビだけではなく「オールオーバー・にっぽん」でね。

さて。
榊さまもご存知かも知れませんが、テレビ番組のご紹介。

10日・土の、夜9時-10時13分。
NHK・総合。
「シリーズ日本新生・ニッポン空き家列島の衝撃。
どうする、人口減少時代の家と土地」

ま、オウギョウなタイトルですが、タイムリーです。
1時間13分の実放映ですから、そこそこ突っ込んだ内容かと。
この時期、このテーマで、ハンパな番組は創れないでしょう。
けっこう全国区のテーマで、視聴者がおるでしょうから。

長くなりました。
安倍晋三の「七〇年・談話」も、ハンパなものは出さんでしょう。
否、出せんでしょう。

ごきげんよう。

2015/01/06 11:29 | by まろたん

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