公開講座12 「マンション値引き交渉の、イロハのイ」

新築マンション値引き交渉「イロハのイ」

いつか書いたと思いますが、私は新築マンションの
パンフレットを1000冊くらいは作った経験があります。
新聞折り込みのチラシなら、5000種類以上を制作したはずです。
その一つひとつについて、ほとんど売主や販売会社の
担当者と打ち合わせしています。
チラシの打合せはだいたいが月曜日。
直前の土・日の集客状況を見て、その週に折り込む
チラシの表現に「微修正」を加えるのです。
もっとも「微修正」で終わることは少なく、
ゼロから作り直し、みたいなことも日常茶飯事。
まあ、そんなことはどうでもいいのですが、問題は月曜の会議。

我々広告屋を交えての会議の前に、
販売会社による「報告」が売主に対して行われます。
土・日の集客状況、接客の内容、どの程度契約に至りそうか・・・
「○○さんは000万円の値引きを持ち出されまして・・・」
なんて話も、そこで出ます。
おもしろいですよー。
会議資料が我々にも配られる場合がありまして、
どんな方がモデルルームにやってきて、
どんなことを話して帰ったかがおおよそ分かります。
みなさんが書くアンケートの内容まで分かる場合があります。
「なにっ・・・○○電力は33歳で年収1500万円か・・・許せん」
みたいな会話が交わされたりします(笑)。
まあ、そんな覗き見的な話は別として・・・

実はこの月曜の会議がみなさんの「マンション値引き交渉」にとって
かなり重要な運命の分かれ道になっています。
販売会社の担当者が熱心に
「○○さんの000万円の値引きを認めてください」と
売主の担当者を説得してくれるかどうかで
その「値引き事案」の帰趨が大きく左右されるのです。

ただし、この「月曜の会議」にたどり着くためには、
越えなければならない次の2つのハードルがあります。

1 担当者の判断ハードル
2 販売責任者の判断ハードル

は、モデルルームでみなさんが
「000万円値引きしてください」と担当者に頼んだ場合、
その担当者の彼(彼女)があなたの値引き要求を
自分の上司に上げるかどうかというハードル。
このハードルを乗り越えるために最も必要なことは、
担当者に「この客は000万円値引きすれば必ず買う」
という確証を抱かせることです。
すると「上司(販売責任者)に上げよう」となります

は、話を振られた上司は、あなたの要求を売主企業に伝えて
値引きを認めてもらおうとするか、
あるいは握りつぶすかの権限を握っています。
これを乗り切るためには担当者が熱意をもって
その上司を説得できるかどうかにかかっています。

さて、整理しましょう。
あなたが気に入ったマンションのモデルルームに出かけて
担当者に「000万円値引きしてください」と要求したとします。
第一ハードルは、この担当者が「それはできません」と断るか、
「それでは上司と相談してみます」と答えるかの分かれ道。
第2ハードルは、「相談」された上司があなたの値引き要求を握りつぶすか、
それとも売主企業に「お願い」するかの判断。

そして、件の「月曜日の会議」。これがいわば「第3ハードル」。
売主に値引きをお願いするとなった場合は、
事情をよく知る担当者が出席し、直接説明するケースが多いのです。

そこで値引きをお願いされた売主の担当者も、
大抵の場合は自分で決済する権限を持っていません。
そこからまた売主の上司へと値引き事案は上げられます。
売主の首脳部が決める、最後の「第4ハードル」。

ただし、この際にあなたが値引きを頼んだ現場の担当者の
「熱心さ」が売主の担当者に伝わっていることが重要。
現場の熱意は、直接説得するわけではありませんが、
最終的に売主の上層部をも動かす場合が多いようです。

この項で私がいいたいことは、もうお分かりかと思います。
あなたがマンションのモデルルームで「値引き交渉」をする場合、
担当者が自分たちのために「熱心に」上司や売主を
説得してくれるかどうかが、かなり重要な要素だといえます。
つまり、担当者を「敵」にするか「味方」に引き込むかは
値引き交渉の成否にかかわる重要事項なのです。

「だったら、担当者の機嫌を損ねないようにしなければ・・・」

いいえ、そんなことはありません。
あの職業に就く方の共通特性としては、
・なぜか「アタマのあったかい」方が多い
・なぜか「エバりたがる」方が多い
ついでにいうなら
・広告のセンスが悪い方が多い

最後のひとつはみなさんにはあまり関係ありませんね(笑)。

もちろん、これは「多い」というだけで、
全員がそう、なんて口が裂けても言いません。
中には恐ろしく鋭敏な方も、至極温厚な方もいます。
ただ、そういう方はあの業界ではあまり出世しないようです。

さて、そういった特性のある担当者に対して「下手に出る」ことは、
けっして値引き交渉を有利にはしません。
では、どうすればいいのか?
別に難しいことは何もありません。
「普通」に「毅然」としていればいいのです。
それは、私が長年「月曜の会議」に出ていた経験と、
このブログに寄せられた多くの方々からの
「値引き交渉」に関する相談事例から導かれた結論。

値引き交渉には、細やかなテクニックも多少はあります。
知っておけば交渉を有利に運べる裏側の事情や、
販売の担当者が使うあざといトークを見破る知識もあったほうがいいでしょう。
そういったことを詳しくお知りになりたければ
私のレポートのロングセラーである

榊淳司の「マンション値引き交渉術」 

をお読みください。
これを読んだおかげで、多くの方が値引き交渉で
満足できる結果を得られた、と私にメールをくれています。
値引き額は、最高で数千万円という方がいました。
それを聞いた時には正直、
「その1%でいいから、私に回してよ」といいたくなりました(笑)。

でも、これが値引き交渉に必ず必要、というワケではありません。
社会人として、お仕事でネゴを経験している方は、
そのスキルを活かされれば十分戦えると思います。

ただし、間違えてもらっていけないのは
モデルルームの担当者は「敵」ではなく「味方」あるいは「戦友」。
そして、交渉には「毅然とした態度」が一番。
どうしても担当者と相性が合わなかったり、
味方になってくれそうにないときは・・・
私の無料相談を利用するか、「値引き交渉術」を買って読んでください。

さて、以上は新築マンションの「値引き交渉術」の「イロハのイ」。
但し、これが使えるには、その新築マンションが
「値引きモード」に入っているのが前提です。
モデルルームには客がわんさかやってきていて、
多くの住戸が「抽選」になりそうな人気物件は、
間違っても値引きなどは行われません。

多くの方がそのあたりを誤解していています。
「値引き交渉のテクニック」さえあれば、
どんなマンションでも値引きを引き出せると
お考えの方があまりにも多いのです。

値引きというのは、こむずかしい言葉でいえば
「市場原理に基づく価格形成に一過程」に過ぎません。
つまり、売れないから値引きをするのであって
売れるモノをわざわざ利益を削って販売する必要は何もないのです。
そのあたりをくれぐれも誤解なさらないようにしてください。

なお、中古マンションについては新築マンションとは
まったく異なる交渉ノウハウがあります。
中古については、原則的にほぼすべての物件で値引き交渉が可能です。
むしろ「値引き交渉をしないと損する」のが実態。
こちらについても、私の超ヒットのノウハウ集があります。

榊淳司の「中古マンション値引き交渉術」


2011/4/30 10:37 Comments (0)

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