「マンション」を説明的な日本語で表すと
「鉄筋コンクリート製集合住宅」でしょうか。
英語の“mansion”には決して集合住宅という意味はなく
マイケル・ジャクソンが住むような「豪邸」なのですが・・・
「集合」というのは、文字通り「集まっている」こと。
アパートや長屋も集合住宅に入ります。
では、なぜ人は集合住宅に住むのでしょうか?
集合住宅というものは、ここ最近になってできたものではなく
古代ローマにも江戸期の日本にもありました。
ローマでは階層を連ねる「ドムス」。
日本は平屋を横につなげる「長屋」。
江戸時代の江戸の人口の大半は、この長屋に住んでいたはずです。
自動車も鉄道も、ましてや自転車もない時代、
人々の移動手段はもっぱら足。よくて馬。
徒歩で仕事場に移動できないと暮らしていけないのです。
だから、限られたエリアでしか住めません。
当然、土地が足りなくなるから、自然に集合住宅が生まれたのです。
いわば、集合住宅とは緊急避難的な住形態。
現代日本のマンションといえども、この必然から生まれたものです。
住宅に関するアンケートを取ると
「マンションに住みたい」人よりも
「一戸建てに住みたい」と考える人がやや上回る結果が出ることが多いのです。
その理由はいろいろありますが、
やはり最大のものは「くっつきあってる窮屈さ」を嫌うわけです。
よくマンションの広告で
「戸建てよりもマンションの方が住みやすい」
という理由を並べ立てたものがあります。
逆に戸建ての広告では、マンションよりも優位である、
と主張するものを見た事がありません。
なぜでしょう?
この間のブログで書いた
韓国人は「竹島は自分たちのもの」と声高に主張するけれど
日本人はほとんど気にかけていない、というか知らない
のと同じような理由だと思います。
つまりは、言わずもがな・・・自明のことなのです。
竹島が歴史上のあらゆる面から見て日本の領土であるように、
一戸建ての住宅の方が、マンションより快適で住みやすいのです。
マンションが自分たちの「優位性」を主張する理由は、
韓国人の竹島領有正当論のように、一見それらしく見えますが
実はかなり「はかない」ものです。
●カギ1本で戸締り可能
マンションだって、バルコニー側から空き巣が入ります
●24時間セキュリティがある
戸建てだって、セコムなどと契約すれば可能
多少高くつきますが、要は金で解決する問題
●24時間ゴミ出しが可能
行政の無料サービスを利用しようとするから制限があるだけ
これも金で解決できる問題
●フラットで住みやすい
一戸建てだって平屋にすればフラットです
●高気密・高断熱
一戸建てでも鉄筋コンクリートで作れば同じ
木造は高気密ではないけれど、冷暖房で解消できる
●RC造は耐震性に優れている
木造でも同程度の耐震性は確保されている
まあ、例を挙げればそんなもの。
たいていはお金で解決する問題。
お金といえば、マンションは管理費や修繕積立金がかかるから
長い眼で見れば一戸建てより高コスト。
車を持っている人は、駐車場代だってかかります。
それにマンションには「管理」という自分たちだけでは
どーにもならない問題もあります。
なんと言っても壁ひとつ向こうは別の住戸
左右上下で4家族と壁を接して暮らすことになります。
その窮屈さはやはり大きなデメリット。
つまり・・・無理に比べなくても戸建ての方が
相対的に住みやすいし、長い眼で見れば低コスト。
では、なぜにマンションに住むのか?
その理由は、突き詰めればひとつ・・・価格です。
同じエリアなら、一戸建てよりもマンションの方が安く買えるからです。
逆に、安く買えないと意味はありません。
最近、都市の郊外ではマンションも戸建ても
価格があまり変わらなくなってきました。
これは、全国的な現象です。
価格が変わらないのなら、一戸建てを・・・
そうなるのは、ごく常識的な発想。
もちろん、木造住宅よりも鉄筋コンクリートが
お好きな方はいらっしゃるでしょう。
そういう方はどうぞマンションを買ってください。
でも、同じ価格なら多くの方が一戸建てを選ぶはずです。
だから、地方都市のマンションはなかなか売れません。
逆に、マンションというのは都市型の住まいです。
一戸建てが眼をむくほど高くてとても買えない
というようなエリアでこそ、存在価値があるものです。
例えば、いまや世界的に名を知られる街「新宿」。
行政的には「新宿区」というエリアに属します。
実は、この新宿区は繁華街としての顔の他に、
住むための街としてもそれなりの魅力を備えています。
ちょっと意外かも知れませんね。
もちろん、不動産の価格も安くはありません。
でも、港区ほど高くもないのです。
うまく選べば、それなりの価格で、おそろしく便利な場所に
マンションを買えたりもします。
今回、わが盟友の如月氏が、この新宿についての
レポートをまとめてくれました。
いつものように、なかなか鋭い分析と
販売中の新築マンションについて
マーケッターの視点から忌憚のない意見を添えてくれています。
価格も、前回同様に 3960円です。
No comments yet.
RSS feed for comments on this post. TrackBack URL