週刊ダイヤモンド「老後の住まい」に拍手

今日も株価は調子よく上がっていますね。一時14400円ですか。
ドルは99円でもみ合っています。100円抵抗線がすごい。
ただ、15000円も100円も時間の問題になってきたようです。
両方とも、早ければ来週あたりかもしれません。

こうなれば、ますます注目されるのが6月だといわれている
アベノミクス3本目の矢「成長戦略」の発表。
私が密かに気にしているのは、住宅政策が織り込まれているかどうか。
安倍政権はなにげに自民党の本流です。
彼らがずっと仲良くしてきた建設業、不動産業、住宅関連業界に
「いい顔」ができる政策を取るかもしれない、ということ。
つまりは、この半世紀以上続けてきた「持家政策」の推進。
現に、政権発足早々に来年からの住宅ローン控除を拡大しました。

確かに、住宅は景気への効果が高い分野ではあります。
現にアメリカにおいても、住宅価格の変動が景気の目安のひとつ。
日本でも「今後はマンションの価格が上昇」といわれています。
前から言っているように、都心と近郊で上昇するのは確実。
ただ、それで売れるかどうかは別問題です。

さて、今日は同じ住宅の中でも「高齢者向け」をテーマにします。
何度か書いているように、今後の住宅産業の主役はこの分野。
昨日、書店で見かけて思わず買ってしまったのが週刊ダイヤモンド。
私は最新号を買ったつもりが、1週前のモノでした(笑)。

ダイヤモンド

この手の特集は何度かあったのですが、今回はすごい。
かなり踏み込んだ取材をしていることに驚きました。
また、「マンション特集」みたいにデベよりの記事ばかりでなく、
しっかりと客観的な視点で書かれています。

1218件のサービス付き高齢者住宅(サ高住)を
都道府県別にランキングしているところがいいですね。
こういうデータって、前から出していたのでしょうか?
新築マンションをヘンな観点と点数でランキングするいつもの
マンション特集のよりもずっと有用な気がしました。
願うらくは、有料老人ホームのランキングも欲しかった。
次回以降に期待しましょう。ダイヤモンドならきっとやってくれる!

私は何度か富裕層向けの老人ホームを取材したことがあります。
「自立」者にとっての最大の悩みは「人間関係」と「食事」。
老人ホームというのは狭い社会ですから、
人間関係がややこしくなるとかなり居づらいものだそうです。
また、食事も自分の好みにあわないと楽しくないでしょうね。

それに対して、サ高住の場合は基本的に賃貸住宅です。
無理に人付き合いする必要はないし、食事は自前でもOK。
外部からのサービスも、どの業者にするか選べます。
つまり、基本的に自由度が広いスタイルなのです。

私は、今後こういった高齢者住宅の主役はサ高住であると思います。
しかし、富裕層はきっと高級老人ホームなのでしょうね。
もっとお金持ちは、自宅に医療チーム置くでしょう。
つまり、庶民一般はサ高住が基本。
現に今、猛烈な勢いでサ高住が増えています。
2011年の10月にこの制度ができて以来、1年半で約10万戸超。
新築分譲マンションの供給量と同程度の規模になりつつあります。
近々、新築マンションを抜き去るのではないでしょうか。

ところが、今のところ住宅業界の本流企業は参加していません。
なぜかというと、うま味が少ないからです。
めんどくさそうなのに、儲けが少なそうだから。
住宅産業というのは、基本がドカンとつくってドカンと売るスタンス。
儲ける時もドカンと儲かるし、損をするときもドカン、ドカン(笑)。
ひどく大雑把に大きなお金が動く業界です。
月14万円程度の家賃収入を数十戸規模で運営するなど
連中から見れば「チマチマしている」と見えるのでしょう。
それに、介護サービスの業者とも提携しなければなりません。

ただ、参入障壁はかなり低いのがサ高住の経営。
ダイヤモンド誌でも取り上げられていましたが、
東京都内には銭湯が経営しているサ高住もあるとか。
入居者は営業時間前に入れてもらえるのだそうです。
毎日銭湯の一番風呂に入れるなんて、いいじゃないですか!

一方、入居希望者はサ高住を探して選ぶのはちょっと大変。
だいたいヤフーの不動産やスーモみたいなサイトがありません。
一応、物件を網羅したサイトはあるのですが、
まだよく整備されていないので、ネット上での選別は困難。
「行ってみて」「体験してみて」ということになります。
ところが、サ高住に入ろうなどという方は、
たとえ自立していても何らかの健康の悩みがあるモノ。
だからこそ、自宅ではなくサ高住に入ろうとするのです。
ボタンを押せば誰かがすぐに来てくれるわけですから。

そういう方にとって、いくつも物件を見て回るのは大変。
若い方がモデルルームをハシゴするのとはワケが違います。
そういった点、公正な評価機関や便利なサイトがあっていいもの。
今回のダイヤモンド誌の企画は、その点かなりいいと思います。
ただ3400物件を超す全国のサ高住総数の
約3分の1しかカヴァーできませんでした。
リクルートあたりが、サ高住の「スーモ」を早く作るべきですね。
なぜ、まだやっていないのか不思議なくらい。
ついでにいうなら、有料老人ホームの「スーモ」も作って欲しい。
こちらはずっと採算性があると思いますよ。

今週号の「週刊スパ 5/14号」
「首都圏300万円で家を買う!」に私のコメントが掲載されています。
よろしければ読んでください。
n130514

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2013/5/8 15:09 Comments (0)

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