いつかも書いたように、支那は今、バブル崩壊の前夜にあると思われます。
アメリカの著名な投資家がそのことを指摘し、
その規模は「ドバイの1000倍」と表現したことが、
二か月ほど前に話題になりました。
なんといっても、日本円で50兆円ほどの過剰流動性(キャッシュ)を
「景気対策」として市場に流し込んだのです。
そういうバブリーなお金というのは、
往々にして当局の思惑通り産業への投資や消費には使われません。
たいていは、さらなる膨張を狙って株と不動産に流れ込みます。
その結果、この2つの分野で実態を伴わない需要、
すなわちバブルが発生したワケです。
今、上海あたりのマンションは平均年収の100倍だそうです。
私の知人は、10万円で買ったマンションが1000万円になったと大喜び。
今や、普通の人々が不動産や株に狂騒しています。
思い出しますね、われらの20数年前を。
あの頃は「1億総不動産屋」なんていっていました。
プロ野球選手なんかも、ビルを買っていましたね。
ああいう「異常事態」の、もっとすごいことが支那で起きているのです。
ただ・・・バブルというのは、必ずはじけます。
支那の場合、前回バブルがはじけそうになったところを
もう1回やり直す、という世界経済史上の大実験を行っているのです。
これが、どういう結果になるのか、本当に見ものです。
ただ・・・対岸の火事を眺めるだけでは済まなそうなのです。
今の時代、世界経済はおそろしいほど連動しています。
支那の経済規模は、今や日本より大きいのです。
日本の貿易のかなりの部分を占めていることも厳然たる事実。
支那の経済がおかしくなると、少なからず影響を受けます。
秋葉原や銀座でマナーの悪い買い物をしている連中が一掃される、
などというのは、ごく表面的な現象。
ユニクロの品揃えが多少悪くなっても、そんなに大きな影響はありません。
私がもっとも懸念するのは、通貨の混乱です。
支那の政府は、人民元を実力以下の水準に人為的におしとどめてきました。
そして、アメリカ国債(ドル)を大量に保有しています。
あの問題だらけの北京オリンピックの開会式に、
息子ブッシュ大統領が出席したのは、
支那の持つ大量のアメリカ国債に気を使って・・・
というのが、もっぱらの見方だったことを思い出してください。
このリーマンションショック大不況で、
アメリカも支那も、自国の通貨を大量に市場に流し込みました。
その水準は、不自然を通り越して「異様」といっていいレベル。
管理通貨制度を悪用したインチキといわざるを得ません。
結果、ドルは金に対してどんどん価値を下げています。
だったら、これからはユーロの時代か?
なんて、私も一時期そう思っていたのですが、
ギリシアの財政破綻とIMFの援助騒動で、ユーロの信頼もガタ落ち。
だいたい、イタリアやスペインなど、財政がかなりいい加減な国も
みーんな使っているのがユーロですから、その脆弱性はかなりのもの。
この世界同時不況で、唯一クソまじめな通貨発行量を維持しているのは
ほかならぬこの日本なのです。
では、支那のバブルが崩壊すると、どうなるのか?
パニックに陥った市場は、より安全な投資先へと雪崩を打ちます。
世界を見渡して、通貨制度でインチキをしていない経済大国は日本のみ。
すると・・・みな「円」に走るから恐ろしい円高に?
ありえるけれど、可能性はかなり低いはず・・・と思いたい。
まずなによりも、GDPの倍近い財政の累積債務。
さらに、円で買う資産はいずれも投資の魅力に欠ける実態。
企業業績が悪すぎるので、株はダメ。
債権の代表である日本国債は異様な低金利の上、
国際的に特異な「源泉徴収」制度があるので
外国人が大量に買うとは考えにくい投資対象。
最後に、不動産・・・・
可能性があるとすれば、唯一コレ。
ここで、われらが愛するマンションに関係してくるのです。
外国のマネーが再び日本の不動産に向かってきたら・・・
前回のミニバブルが崩壊してまだ日が浅いので、
そんなことはないと思うのですが、一抹の不安はあります。
この国の先行きは明るくないけれど、
なんせ1億3千万人分の不動産需要は確実にあり、
長年住宅業界が低レベルの商品ばかりを供給してきたおかげで、
やり方しだいではオイシイ投資も可能です。
支那のバブル崩壊
↓
国債通貨市場の混乱
↓
「円」への投機マネー集中
↓
再び不動産価格の高騰
うーん・・・国際経済にも国際金融市場にも、
まったくのど素人である榊の描くシナリオなんて、
当たりっこないと思うのですが・・・・
ともかく、支那のバブルは近々はじけそうです。
願うべくは支那政府さんよ、
もう一度50兆円ほど市場に人民元を流し込んで、
前代未聞の3度目のバブルを演出してくださいな。
かといって、札束を抱えた切れ目の野卑な連中が、
日本の不動産を買い漁りにくることは願い下げです。
どうぞ、バブル崩壊も社会不安も、暴動や虐殺も、
自国内で完結してください!
私たちは、アメリカみたいに口先だけの介入などいたしません。
ダライラマさんが天皇陛下と会うこともないでしょう。
あなた方の国で何が起きようが、
邦人と資産は引き上げて、黙って見ているだけにしますから。
はじめまして。いつも更新を楽しみにしております。
本当の話かどうかわかりませんが、中国人が日本の山を買い漁っていると聞きました。
買値は二束三文らしいです。山については全く知りませんが、
良い木がある山だそうです。良い木があっても手入れをする人がいないと山は荒れるそうですね。しっかりと手入れをしてくれてたら良いですが。。。。
補足です。
①の米国債は欧米諸国が本格的にデフレ経済に入ることが予想されます。特に米国は昨年100兆円近くマネタリーベースを増やしたにも関わらず、マネーストックは26兆円しか増えていません。しかもCPI(消費者物価指数)は下落傾向。デフレですね。日本と同じです。
お金の大半は中国、米国債に流れたものと思われますが、片方のパイプが閉じられれば米国債ですね。
米国債の長期金利がいずれ、日本同様1%台に下落する日が来るかと思います。
②の円、国債はやはり、鉄壁な安全資産なんです。
>GDPの倍近い財政の累積債務。それは政府債務だけの話。国家全体(官民全ての負債を含めたの経済主体)を総合した場合、日本は債務超過ではありません。アメリカなんかその観点で見ると債務超過ですが。
日本の政府債務は自国通貨建てです。デフォルトは一切ありません。過去デフォルトを起こした国家のような外貨建て対外債務や、ギリシャなどPIGSのようなユーロ(一国が勝手に金融政策できない)通貨建て債務ではありません。
日本の財政問題が本当に深刻なら、日本国債の長期金利が世界最小である説明がつきません
③ブラジルは新興国の中で最も手垢が付いていない、人口が多い、資源国であることですね。そして金融引き締めを行いますから、ドルキャリーで旨みが高いからです。オーストラリアも同じ。それにここは一応先進国だし。
ただ、ボルカールールで金融規制が厳しくなるから、
シナのように大量のマネーが流れるかどうかは、微妙です。
いつも、楽しみに見ています。
僕は金融関係の片隅で働いていますが、
シナバブル崩壊後、今後、マネーが動くとすれば
残念ながら日本の不動産には行かないでしょうね。
不動産投資は株以上に景気動向に左右されますから。
マンションが依然、供給過剰である、デフレギャップが激しすぎる日本ではムリでしょうね。今年の日本の景気はよくて横ばい、悪ければ二番底と浮上することはなさそうです。
民主党のマクロ経済政策はダメの一言ですから。いくら日銀が金融緩和しようが、効率的な財政出動がないとお金は回転しません(小泉時代、金融緩和しても国内民間の資金需要は全く増えていません。お金は円キャリーで海外に流出しました)。
民主の政策は実質増税、公共投資を凍結するものばかり。民間投資は元々盛り上がっていないため、これで不動産が上がるとは全く思えません。
シナバブルの混乱の後、マネーが向かう先は
①米国債
②円、日本国債
③ブラジル、オーストラリア
かなと思います。
更新、早いスね。
私は円高に関する世間の論調に20年来違和感を感じております。
鉄、油、ゴム、パルプ、麦などの資源を買いあさるチャンスではないのでしょうか?
円高で日本は浮揚しないものでしょうか?
マンションのコストだって…。
2010/03/08 08:46 | by 匿名RSS feed for comments on this post. TrackBack URL