過去に学び、今を分析、未来を想像

ギリシャの国民投票が緊縮プランを否決しました。
さあ、これから何が起こるのでしょう?
今日の日経平均株価は大きく下げましたね。
上海の株価も日経平均に大きく影響しているようです。
実のところ、そちらの方が大きいと思います。

今の中国の経済運営は「世界史的な実験」と言えるものです。
一党独裁の専制国家が、経済活動の一部を自由化して
なおかつそれを意のままに操ろうともがいています。
多分、政府の資金で大規模に市場に介入しているはず。
かつて、こんなことをやった例はありません。

上海の株式市場は、時価総額にして東京を上回ります。
日本政府(主に財務省)や日本銀行も、東京の証券市場で
株式を購入して市場を下支えしているのは事実です。
しかし、市場全体を牽引するほどの資金力はありません。
せいぜい、暴落しないように下落局面で買い支えるくらい。

上海はどうなのでしょうね?
日本と違ってプレイヤーは国内の個人が多いようです。
それも、信用と言うレバレッジを効かせた取引。
中国人は「一斉に」動く特性を持っています。
みんなが買えば買い、売れば売る、という連中。
ある時点で雪崩を打って暴落する可能性だってありそうです。
そうなれば、政府の限られた資金で支えることは不可能です。

困ったことに、日本経済は中国経済と密接に絡みます。
連中がくしゃみをすれば、我々は風邪を引くかもしれません。
銀座から爆買いの御一行様が消えると、ブランド店のいくつかは
店をたたまなければいけなくなるでしょう。

また、いつも言うように彼らが爆買いくださったタワーマンションを、
「一斉に」売却しようとすれば、それこそ暴落の憂き目。
都心や湾岸のマンション市場をかつてない混乱が襲います。
だからギリシャはともかく、上海からは目を離せません。

ところで、どう言う訳かここ数カ月、有料相談が増えています。
昨日の日曜日なんか、2組の方が事務所にお見えになりました。
1時間10800円ですが、だいたい2-3時間は費やします。
追加料金はいただいていないので、2組ならほぼ1日仕事。
初めて会う方がほとんどなので、それなりに緊張します。

現在、都心のマンション市場はバブル状態です。
はっきり言って買い時ではなく売り時。
何度も同じことをここで書いてまいりました。
それでも、「買いたい」方のなんと多いことでしょう!
相談に見える方はほとんどが購入でのお悩みです。

マンションの購入、というと人は熱に浮かされたようになります。
私なんぞはそこを冷ややかに眺めてモノ申すのが仕事ですから、
ひとつひとつのマンションについて冷徹な観測をします。
しかし、多くの人は一旦購入対象となったマンションについて、
まるで恋人を見るように「熱い視線」で眺めるのです。
また、不動産屋どもがそこを煽りに煽ります。

「恋は盲目」なんてことを言いますね。
熱くなっていると、見えるものも見えなくなります。
そこに不動産屋が付けこんで、冷静になる時間を与えません。
「0日までに決めてください。でないと購入できなくなります」
こういうのは、不動産屋の常套句です。

「今しか買えません。今後はもっと高くなります」
はい、その通りです。今後、新築マンションは値上がりします。
それは確実。だって、今デベロッパーが仕入れている用地は
ほとんどが去年よりも値上がりしています。
だから来年都心で出てくる物件は、今よりも割高。
しかし、それで売れるかどうかは別問題です。

世の中の流れというものは、いずれ変わります。
例えば、10年前と今では大きく変わっています。
10年前、中国はGDPで日本を追い抜く途上。
毎年10数%の高度経済成長を続けていました。
それでも、2005年当時は日本の半分の規模。
今、中国は世界第2位の経済大国になり、GDPは日本2.5倍。
今の勢いで成長を続ければ、そのうちアメリカを抜きます。

足元のマンション市場を考えましょう。
10年前の2005年、日本のマンション市場は大盛り上がり。
主に郊外エリアで第一次需要層向けの大規模マンションが
次々と売り出されて、販売はそれなりに好調。
海外からのファンド資金も不動産市場に入ってきました。
まさに不動産ミニバブルの前夜が2005年でした。

今、郊外の大規模マンションは供給が激減しています。
その理由は単純に「売れない」からです。
ベビーブーマーの最後尾は40歳を超えました。
一般サラリーマンの所得は実質的に減少しています。
ただし、金利も下がっているので「買いやすい」環境は整備。
もうちょっと売れていいはずなのに、売れません。
もう、35年ローンを組んでマンションを買う時代ではないのでしょう。

ということで、新築マンション市場は主戦場が都心エリアに移行。
郊外の大規模マンションは、ほとんどが長谷工になってしまいました。
といっても、最近の長谷工は「施工だけ」というパターンも多いようです。
そして都心の土地は値上がりして、なかなか買えない状態。
中小のデベロッパーにとっては、やりにくい環境ですね。

では、10年後はどうなっているのでしょう?
新築マンション市場の規模は今の半分以下に縮小しているはずです。
当然、いくつかのデベロッパーは倒産してしまうでしょう。
もちろん、大手や他業種大手の子会社は生き残っています。

郊外での開発はほとんどなくなるでしょう。
長谷工のビジネスモデルは死滅するはずです。
当然、今のバブルが続いているわけでもなし。
中国人が爆買いを続けていない限り、マンションの価格は
「需要と供給の関係」で決まっているはずです。

何よりも、実需でしか動かない賃貸市場が需給関係を反映します。
家賃は今の半分くらいに低下していてもおかしくありません。
賃貸住宅の空室率は3割に達しているでしょう。
ADなどという悪習が残っていれば、それこそ7や8は当たり前。
フリーレントが広まれば、3カ月や6カ月は普通になっているはず。

今後の焦点はAirbnbがどうなるかですね。
今の法的なグレーゾーン扱いが、黒になるか白になるか、
10年後にはハッキリしているはずです。
私は、一定の規制を掛けた上で白になると予測します。

予測しにくいのは中国の今後です。バブルはとうに崩壊しているはず。
でも、どのようなカタチで終息するのかよく分かりません。
共産党の一党支配は続いているでしょうか?
元レートは、変動相場制になっているでしょうか?
南シナ海、東シナ海、チベット、ウイグル、北朝鮮は・・・・

中国がどうなっているかによって、日本も大きな影響を受けます。
さらに言えば、中国経済の規模は世界第2位ですから
世界の景気を左右するスケールです。はたしてどうなるか?
ともかく、10年後が今と同じであることはありません。

私はこの7年間、「不動産価格は下がる」と言い続けてきました。
日本の98%以上の地域では、不動産価格は下がりました。
今も下がり続けています。今後も下がり続けるはずです。
しかし、都心と湾岸、城南、武蔵小杉、みなとみらいなど、
ほんの一部の地域でマンション価格がバブル化しています。
不思議なことに、戸建ての価格はさほど上がっていません。

モノの価格というのは、基本的に「需要と供給の関係」で決まります。
実際の需要ではない購入で形成されているこれらの地域の
マンション市場は、まさにいつ弾けるともしれないバブル状態。
だから「今が異常だ」という目で見なければいけないのです。
多くの人は、そこを「今が普通だ」と思いながら見ています。
だから、こんな時にも「買いたい熱」に浮かされるのです。

10年前と今と10年後、世界も日本も変わります。
都心のマンション市場も大変動しています。きっとするでしょう。
過去は学べます。今は分析できます。未来は想像できるのです。
「想像」が苦手な方は、私のところにいらしてください。
私が想像する未来図をお話しさせていただきます。

さて、資産価値レポートの更新情報です。
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私が数年前から「御所バブル」と呼ぶ現象は、
一度終息しかけたのですが、野村不動産の物件が
すごい勢いで完売したことで再燃。
でも、再び息切れしそうな気配ですね。
しかし、物件数はハンパなく増えています。
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2015/7/6 18:18 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんにちは。

さっき、懇意の週刊誌編集者から電話がありました。
「編集長が変わって、55歳以上の高齢者狙いの企画をどんどん出していくことになりました。何かいいネタないですか?」

まろたんさん、ございませんか?
いい知恵を出すと小遣いがもらえます。
座布団をもらうよりも嬉しいものです(笑)。

10年間、好きなことだけやって過ごす。
羨ましいですね。
身体の動くうちは、どうぞ楽しんでください。

私も、あと10年以上は働くつもりです。

ではまた。 ごきげんよう  榊淳司

2015/07/07 17:04 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

10年後。2025年ですね。
われらニッポン人、どんな風景を見ることになるのでしょうか?

ほぼ確かなことは、人口動態の変化でしょう。
その影響を受けて経済を中心に、さまざまの分野で、
かなり変わっているような。
榊さまご指摘の通り、住宅事情も「さまがわり」でしょう。

政府財政も、更に借金を数百兆円、積み上げているような。
ま、東京湾から大量の原油が吹き出てくれば、全部ゴワサン。
そのときは、も、わや。どんちゃん騒ぎでしょう。(笑)

10年後。私は75ですけん。ナゼか方言で。(笑)
この貴重な10年。
好きなことやって過ごすつもりですけん。
ほんま、好きなことだけを。

ま、エキサイティングな10年になりそうですね。
もしかしたら、平成が幕を降ろしているかも。
ですけんね。

さて。
安倍晋三が、このごろ、トイレが近くなったとか。
まさか、例の持病が ・・・?

ごきげんよう。

2015/07/07 00:49 | by まろたん

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