世界経済を怪しく語る男は誰だ?

日本時間では、すでに16日になりました。
アメリカ時間の16日になると、FOMCの会合が始まります。
17日になると、利上げが発表されるかもしれません。
見るところ、確率は五分五分。

イエレン女史は利上げをやりたがっていますが、世界のエコノミストの
大半は「来年まで待ってね、お願い」という感じ。
さて、どうなるでしょうね?

私は、日本の、それも東京を中心に、マンションの価格が
今後どうなるのかを書いたり喋ったりするのが仕事の一部です。
マンションの価格は不動産全般の市場と連動しています。
不動産の市況は日本の景気全体に影響されます。
景気の最も有力な指標は株価の動向です。

日本の株価を総合的に表すのは、東証の日経平均です。
でも、日経平均はヨーロッパの主要国やアメリカの
株価動向で左右されるところが大きいものです。
最近は中国、それも上海市場の影響が目立ちます。

上海の株価は中国国内の景気とシンクロしているはずです。
しかし、そこにはあの国独特の政治介入が発生しています。
また、どこの国でも政治と経済は密接にかかわっています。
国家は財政や金融政策で景気に好影響を与えようとします。
つまり、東京のマンションの価格は、東京だけでは決まらないのです。

しかし、経済学というフィールドは、何とも無力ですね。
ごめんなさいね、経済学徒のみなさん。
でも、私は正直そう思っています。
経済学には「これだ!」という定説がありません。
私は唯一「需要と供給の法則」しか信じていません。
そこから踏み出した法則は、ことごとく潰えたように思えます。
もっとも、私は詳しく学んだわけではありませんが。

例えば、16日と17日のFOMCで決まるかもしれないアメリカの利上げ。
仮に0.25%の利上げがあったら、東証の日経平均はどうなるのでしょう?
「下がる」と言っている人が多いと思いますが、実際に下がりますか。
もし、上がったらどうなるのでしょう?
その時にはその時でうまい説明があるものです。

「これで悪い材料が出尽くして吹っ切れたから」
「今までの下落で利上げを織り込んでいた」

ああいう説明を聞くと、いつも虚しくなります。
「お前、それが分っとったなら、なぜ前にいわんの?」
後付の説明に何の価値がありましょうや。意味は多少ありますが。
しかし、株価の動向なんて分らないものです。
何といっても世界の株式市場に参加しているプレイヤーの数は
軽く億を超えるでしょうから。
そんな連中の心の動きを法則化するのは不可能でしょう。
そこにもまあ「合成の誤謬」などという便利な言い訳があります。

つまり、経済学という学問は実体経済を捉えているようで
実のところ「分ったフリをしているだけ」かもしれないのです。
それでも、経済学は今でも日本の文系では主要な分野。
これでメシを食っている人はおそらく万人以上。
私のかつてのスキルであるコピーライターより多いかもしれませんね。

かくいう私も、最近は経済のことばかり書いたり喋ったりしています。
こういう自分が不思議でなりません。
大学4年生の時は日本経済新聞を読んでも1割も理解できなかったのに。
「私の履歴書」を読んで、日経を読んだ気になっていました(笑)。

今の学生さんは、就職活動の準備に日経を読んでいるのでしょうか?
私が思うに、それはあまり効率的ではないと思います。
何がいいかというと、まずバイトで2、30万円ためて株を買うこと。
その後、自分の株が上がるか下がるか考えながら日経を読む。
これが初歩の初歩です。でも、実に効果的。

株を買うお金は授業料だと思って下さい。
運が良ければ何倍にもなります。悪ければ紙くず。
でも、「授業料を払った」ということで気合が入ります。

若いサラリーマンさんたちも、闇雲に日経を読んでもダメでしょう。
私も社会人1年生の時はアパートで取っていましたが、見栄だけ(笑)。
書いてあることが半分以上分るようになったのは
30代も半ばになってからではないでしょうか?
「やっぱり榊はアホやってんなあ」なんて声が聞こえてきそう。
でも、その通りだから仕方ありません。

決算書の用語や数字の意味が分かるようになったのは、
自分の会社を作って決算をやったから。
もちろん、実務は専門家に任せましたよ。
でもね、あれって「経理責任者」のところにハンコを押すのは社長。
わたしはもう、25回くらいハンコを押しましたよ。
中身について100%分っていない書類にハンコを押して
税務署に出すのですから、ちょっとドキドキですよ(笑)。

会社を経営してみれば、そこから経済が見えます。
とっても小さな穴です。株を買うのと同じ。
でも、その小さな穴をどんどん広げていけばいいのです。
自分の利害関係に関わることから延長していって
最後には「世界経済がどうなっているの?」まで考えます。

まあ、各個人のアタマの中で考えているのは罪がありません。
私なんぞは、最近そういうことを書いたり喋ったりして、
お金をいただいていたりします。恐ろしいことです。
「こんなんでいいのかしら」なんて、思いながら喋っています。

さっき、深夜にもかかわらず2日前にインタビューを受けた
ある媒体誌のゲラ原稿がメールで届いていました。
開くと、エラそうなオッサンが事務所のソファでふんずりかえって、
足まで組んでエラそうなことを喋っている写真が出ていました。
「うわー、嫌な感じのオッサン」と・・・笑ってしまいました。
もう、自分で笑うしかありません。
なんか、その辺の雑誌で出てくるエラそうな文化人みたい。

あーあ、思えば遠くへ来たものだ、
と思いながらお神酒をいただいています。

さて、前回もご案内した通り急きょ進みそうな企画がバリ島不動産ツアー
なんと、今月27日出発で具体化しそうな感じです。
私は3泊と期中1泊で10月1日の早朝帰国を想定
直行便利用で予算は総額(現地飲み会も含)20万円未満
何とかやってみるつもりです。

滞在中、不動産見学ツアーを実施。
私も同行します。解説はできませんが、意見は言います。
みなさんさえよろしければ、毎晩夕食をご一緒します。
もちろん、基本的には自由行動です。
航空便は各自でご予約していただき、宿泊施設は
バリ島悠遊クラブ管理施設を優待料金でご利用可能。

これはまだ実施が決まったわけではありませんが、
もしご興味がおありの場合は、こちら

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2015/9/16 0:56 Comments (4)

4 Comments

まろたんさん、こんばんは。

最近、よく自分の人生の残りについて考えています。
大酒飲みですから、そう長生きはしません。
75と考えると、あと20年チョイですか。
まあ、自分としては10年でもいいですけどね。
わりあい淡白な人間ですから。
というか、「こだわる」ことは美しくないと考えるたちでして。
何事にも恬淡であるべし、を心掛けております。
実は本来はじめじめしたヤな奴だろうと思うので
極力理性的に振る舞うことを心掛けて
生きているうちに、どっちが本当か分らなくなりました(笑)。
今は平家の知盛のように「見るほどのものはみつ」といって
ケラケラ笑いながら死ぬることが理想です。

山陰一人旅、楽しみですね。

では、ごきげんよう。 榊淳司

2015/09/17 22:16 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

どのような「タイム・スパン」で世界と人生を考えるか?
つまり「長期・中期・短期」の時間のキザミですよね。
畢竟、人生とは「時間の長さ」ですから当然でしょう。

昨今「世代間格差」ということが言われます。
この場合の格差は、主に経済格差を言うようです。
どんな時代でも「ジェネレーション・ギャップ」は言われました。
人生とは「時間の長さ」と言う切り口から考えれば、
世代間の「ギャップ=広義の差異・ズレ」は当然あります。

例えば今、六〇代の人の平均余命=残り時間は「20年」。
三〇代の人の残り時間は、平均「50年」。
その格差は「30年」ですね。
人生とは、畢竟「時間の長さ」と見れば、この時間格差は、
当然ですが、あらゆることに影響してきますね。

私は今、66才。
長期のタイム・スパンでも、せいぜい「20年」です。
20年先しか見渡しません。
ところが今、三〇代の人は長期=50年を見据えることが必要です。

そんな将来のこと考えても、どうなるか「わからねー」と言うのも、
一理はありますが、それを言うならば、そもそも、
「明日のこと」だって「わからねー」というのが人生ですから、
「明日のこと」は「明日のこと」として、
また「50年先のこと」は「それなりに」見据えてみる、
と言う思考訓練は、無意味でも不毛でもないと思います。

ちょいとリクツっぽくなりました。
今日は、ここまで。何が言いたいのかの、続きは後日。

アンポ法案は決まったようで、慶賀なことであります。
これで、少しは「ふつうの独立国」に近づきます。
我が日本国のタミ草よ、いい加減に「おとな」になろうぜ。
ですね。

山陰ひとり旅は、シルバーウィークのあと、10月上旬に。
「雨天決行!」(笑)

ごきげんよう。

2015/09/17 21:30 | by まろたん

まろたんさん、こんにちは。

今日は荷物運びの肉体労働をしました。
ちょっとやっただけで、足が痛くてグダグダ。
ビールを一缶飲んだら、労働意欲はどこへやら。
まあ、ぼちぼちやります。

しかし、私は預言者もしくは予想屋だったわけですね。
今日もこれから某局に知った風なことを喋るはずです。
いずこの土地で果てるや分かりません。

世界は丸いけれど、そこに住む人の人生はみな凸凹。
同じ凸凹なら、好きなようにやっていた方が楽しめます。

ところで、山陰一人旅は終わりましたか?

ごきげんよう  榊淳司

2015/09/16 16:47 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

> 世界経済を怪しく語る男は誰だ。

今は知りませんが、むかーし、のこと。
競馬場などに「予想屋」なる怪しい男どもが出没していましたね。
レースの展開を熱く語り、結果予想を書いた「紙切れ」を売る。
私は買ったことありませんが、買う人びとがおりました。
いわゆる「サクラ」も混ざっていたのかも知れませんが。(笑)

さて。ケイバ・ケイリンに限ったことではありません。
世界経済も、大地震も、いや人生も、正解は「アンノウン」です。
まさに「神のみぞ知る」でしょうね。
バット・バット・ハウエバー。
そこで「終わって」しまっては、人生も世界も「色気」がありません。

で、我こそはと「神に代位して」未来を語る人びとあり。
そもそも、人生は、この世は「胡散臭く・怪しい」もの。
だからこそ、我こそが「神の言葉」を熱く語ろうと。
それによって、虚しく儚い人生とこの世を「色つき」に変えようと。

「色つき」の世界で、えるタミ草よ、ドツボに落ちなさいと。(笑)

ヨタは、ともかく。
ああ、あの「予想屋」の男ども。
みょーな「お色気」が、あったなあ。
目いっぱい、胡散臭く。

「旅の役者と予想屋さんは、いずこの土地で果てるやら」

ああ、ズンドコ・ズンドコ。(笑)

ごきげんよう。

2015/09/16 16:12 | by まろたん

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