野村不動産アーバンネット「囲い込み」の実例

今日はちょっと趣向を変えて、
あるご相談案件をドキュメントタッチでご紹介します。
Wさんとおっしゃるエンドユーザーさんが
野村不動産アーバンネットの「囲い込み」によって
ご希望の中古マンションが買えなかった実例です。
中身のほとんどは、Wさんからいただいたメールの文章を
そのまま使っています。

■登場人物と企業
Wさん:私への相談者(エンドユーザー)
Wさん側仲介:C社
売主側仲介:野村不動産アーバンネット(以下、野村)
購入検討物件:プラウドXXXXX

概要
・ 一番手、満額、ローン審査通過済であったにも関わらず、購入に至らなかった。
・ 最終的には野村の直客で売買が決定した。いわゆる両手取引での売買契約となった。
・ Wさん側はC社を仲介としており、野村の直客ではなかった。
・ 野村の説明としては野村の直客は補修保証制度が活用できるのでその補修制度が理由で売主が売却相手を決定したとのこと。
・ 補修制度に関する説明はWさん、およびC社には一切なかった。
・ 売却が決まったことは事後報告であった。
・ C社は野村の直客であることがマンション購入に必要な条件であれば、Wさんと野村が直接契約してもらっても良いとの意向を野村へ伝えていた。
・ 野村はWさんの買い付け申込み書を売主には渡しておらず、買い付けが入ったことは口頭(おそらく電話)で買主に伝えた。

論点
野村の直客であれば補修制度が活用でき、その制度が理由で売主が売却相手を決めていることを理由に両手取引を誘因しているのではないかとの疑義。

経緯
10月XX日(物件が売り出された直後)
売主、C社、野村、Wさんの立会いの下、購入希望物件の内見。
内見前から売却相手は売主が決めるとの説明があったが、担当営業からは買い付け申込みがあれば売主は前向きに検討するとの意向を伺っていた。
内見後、WさんはC社で買い付け申込書記入。
買い付け申込書記入後、速やかにC社から野村へ買い付け申込書をメールにて連絡。

翌日と翌々日
C社から野村へ複数回状況確認の問い合わせ。Wさんが一番手での申し込みで、ローン審査も通っていることを確認。

3日後
C社が野村のオフィスを訪問。
状況確認後、野村の直客でないことが購入条件を不利にするのであればC社が仲介を外れても良いとの意向を説明。
野村は「売却相手は売主が決める」との一点張りで週末に3組内見が入っているのでそれ以降の決定になるとの説明。
C社からWさんへ状況説明、その後C社から野村へメールにて連絡。

6日後
C社が野村へ状況確認の問い合わせ。
野村は内見は滞りなく終了したので、買い付け申込みを待って、最終的な判断となること、明日には売却相手が決まることを説明。

7日後
C社から野村へ状況確認の問い合わせ。
まだ買い付けが入っていないので、買い付けが入り、売主が判断してから連絡とのこと。
本日中には最終決定となるとのことであったが、その日には連絡がなかった。

8日後
別の方へ売却が決定、と通知が来る。
事前に何の連絡もなかった。
状況確認のため、C社とWさんが野村のオフィスを訪問。
野村の説明としては「野村の直客であれば補修保証制度が活用できるので、その制度を考慮して売主は野村の直客を決定した」とのこと。
事前に補修保証制度の説明は何もなかったこと、C社は仲介に入らず野村とWさんが直接契約を行っても良いとの意向に対する十分な説明がなかった。
野村はWさんの買い付け申込み書を売主には渡しておらず、買い付けが入ったことは口頭(おそらく電話)で買主に伝えたとの説明。
実際に伝えているかどうかは非常に怪しいやり取りであったため、Wさんから買い付けが入った事を適切に伝えずに野村の直客(両手取引)を優先した印象。
また、野村担当者は「そんなにプラウドXXXXを気に入っているなら別の部屋を買えばいい」との発言があった。
(このやり取りは録音しております。)

以上がWさんからのメールです。一部編集しました。
聡明な方ですね。時系列に分かりやすく書かれています。
また、現場でのやり取りをきちんと録音もしておられます。
ちなみに、私は以下のようにお答えしました。

典型的な囲い込みのケーススタディかと思います。
ただ、野村の主張には明解な違法性を見出せません。
カンタンに言えば「うまくやっている」感じがします。

すでに物件は他決しているので、残念ながら
Wさんが救済されることはないと思います。

何か手があるとすれば、野村の不誠実さや囲い込みの実態を
監督官庁に訴えて、野村に対して指導をしてもらうこと。
駆け込む先は以下のところだと思います。

ということで、東京都の相談窓口をお知らせしました。
ただ、野村は国土交通大臣免許なので関東地方整備局に
事情を説明することになったようです。

お答えにも書いたように、この場合の野村には
違法性を窺わせる行為はありません。
ただし、著しく不誠実なやり方ですね。
「売主の意向」と言いながら、最初から「囲い込み」を
狙っていた感じがありありと想像できます。

本日は長くなりましたのでこれくらいで。
「囲い込み」については、いつか夕刊フジの連載でも
取り上げようと思っています。

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2015/11/17 9:15 Comments (7)

7 Comments

私も同じような経験をしました
私は東京北部のプラウドですが、Wさんも東京なんですかね?
私の場合は泣き寝入りでしたが、いまでも気持ちはすっきりしていません
野村ってひどい会社ですね

2015/11/27 13:08 | by 匿名

まろたんさん、こんばんは。

確かに、アウトプットした方がいいですね。
私も、アウトプットしているおかげで日々好日。
女性は「お喋り」でしょうか。
オッサンは与太話。
私はブログで与太話をしているつもりですが、
読んでくださっているのは、なぜかインテリが多いみたいで。

マイナンバーに関しては、よく知りません。
あれは、税金をごまかすときに不便なシステムになりそう。
あと、管理がめんどくさい。
まあ、アメリカに社会保険番号があるように
日本にもマイナンバーができたのでしょう。

今日は現調で疲れました。
これくらいで、お神酒にいたします。

ではまた。ごきげんよう 榊淳司

2015/11/19 21:49 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

あーあ。今年・1015も、あと、ちょっとかいなー。
今年も、バカに笑わせてもらいましたわ。(笑)

さて。以下2点。

まず1点。
マイナンバーについて。その考察。

マイナンバーについて、メディアは出足は低調でした。
が、この「インフラ」を舐めてはいかん、と思います。
3千億、かかっただの5千億だの、
そんなビンボーくさいことは、バカにやらせておきましょう。

この「インフラ」は、間違いなく日本社会の変えてゆきますよ。
どう変えてゆくのか?
官僚の「胸三寸」ですよ。
女こどもは見えてない。女こどもはいつもバカ。(笑)

ま、それはジョーダンとして。日本人おおかた見えてない。
メディアもバカもの。上っ面だけ。
オールソー私も。ですから、
私は「個人番号カード」を積極的に入手します。
私は、このインフラに対して「攻め一本」でゆきます。(笑)

さて、2点目。
生きるうえでの「アウトプット」について。その考察。

最近、とみに思っています。

「生きることは、アウトプットだ!」と。
小生、すっかり「現場」を離れましたからね。
アウトプットする現場を。

が、ものごと、すべて2面あります。
現場を離れ、見えなくなったものと、見えて来たものと。

うーん、うまく言い切れていない。
どう言えば、いいのかいなー。
つまり、ものごと「バランス」ですか。

榊さまは、アウトプットする現場をお持ち。
が、私を含めて、おおかたの高齢者はアウトプットの現場がない。
だから、インプットばっかりりになりますね。
このバランスはNG。これは「自戒」です。

で、ボケたドタマで、今、いろいろ考えておりますわ。
ニンゲンは、ボケても「ホモ・サピエンス」でっか?(笑)

まとまりなく、今日もここまで。
失礼致しました。

ごきげんよう。

2015/11/19 21:41 | by まろたん

まろたんさん、こんばんは。

改憲の大議論はいいのですが、またぞろサヨク連中は
論点をずらすのではないでしょうか?
「戦争反対」
「わが子を戦場に送らない」
「何事も話し合いで平和的解決」

人間、一度アホになったら、中々戻れません。
それこそ、日本も一度戦争に巻き込まれるべきですね。
そこまで行かないと、憲法改正は無理かと。

この世の現実、というものを目の当たりにしないと
あの想像力の貧弱なサヨク連中は気付きませんね。

砂粒化ですか。
そうともいえるし、そうでない部分も有馬温泉。
SNSは薄っぺらなコミュニケーションを便利にしました。
まあ、それだけ。
人生の無駄時間を増やしているだけのような気もしますね。

それではまた。 ごきげんよう 榊淳司

2015/11/18 22:17 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

本事案「囲い込み」ですが。
昨日今日の慣習ではない故に、善悪超えてシブトイ。
国交省が「時代を読み」動くしか突破口はないかと。
「時代」には、ナンピトも抗えないのですが。
さーて役人は?!

さて。
世に「釈迦に説法」と申します。
今、インターネットの普及によって、ググれば、
「実務的なこと」は、おおかたゲットできます。
また、それら関係書籍も安価で、あふれています。
ですから、その部分では「釈迦に説法」の世界。

しかし、です。
何事にも光と影の両面があります。
光は上述の通りですが、いっぽう、
影の部分は、コニュニケーションが希薄になったと。

つまり、インターネットの普及によって、
人びとは、図らずも「分断」された。
或る社会学者の言う「砂粒化=さりゅうか」ですね。

更に言いますと。
「実務的なこと」はググれば、または書籍を読めば、
で良いのですが、問題は、実務的「以外」の部分です。
つまり「ハウ・ツー」から、はみ出す部分です。

ニンゲン社会の「砂粒化」によって、この、
「ハウ・ツーからはみ出す」部分について、孤立した。
没・コミュニケーションとなってしまったのでは有馬温泉。
少なくとも、団塊世代には「おました」。

昨今言われる「閉塞感」とは。
この「ハウ・ツーからはみ出す」部分に於ける、
率直なコミュニケーションが「出来なくなった」
と、ここに原因があるのでは有馬温泉。

ちょいとズレるかもしれませんが、
「改憲」で賛否両論「大対立」しては如何?
「仮面夫婦」の「仮面」を取ってしまうのです。
うまく、まとめられませんが、仮面=欺瞞=閉塞感では。

どう転んでも、ニッポン社会、
このままでは「もちまへんでー」と思います。
悲観でも楽観でもありません。
世の「理=ことわり」そのものです。

この見通しについて、おそらく、
おおかたの団塊世代は分かっているかと推測します。
が、しかし、若い=敢えて区切れば40才以外は、
まだ「見えていない」と思います。私見ですが。

如何でしょうか?

2015も、残すはひと月。
養生を心がけ走り切りましょう。お互いに。

ごきげんよう。

PS:
今日、マイナンバーの「個人番号カード」の申請をしましたわ。
まったく急ぐ必要はありませんが、ま、この際「ついで」かと。

2015/11/18 20:56 | by まろたん

まろたんさん、こんにちは。

北尾氏のおっしゃる通りです。
あれはまさに「粉飾決算」で立派な犯罪。
なぜに刑事事件として立件しないのか?
理由は「東芝だから」以外に考えられませんね。

しかし、どうやら今度のWHはまずいみたいですね。
今度こそ上場廃止。社業は傾斜中。
社員は「今のうち」とばかりに逃げ出そうとしています。

まあ、他人ごとですけど。
それよりも、私は「マンション不信」が此方の火事です。
三井のおかげでこの業界は大逆風。
たまりません。
杭不信が燎原の火の如く広がっていますから・・・

まあ、私風情では何ともできません。
ヤイノヤイノと騒ぐだけが能ですから(笑)。

それではまた。 ごきげんよう 榊淳司

2015/11/17 16:57 | by Sakaki Atsushi

榊さま

北尾吉孝さんが書いておられる。
SBIのCEOです。ずばり。
東芝は「上場廃止すべき」と。

もし、廃止しないのならば、
その理由「説明すべき」である。
これは「先進国のジョーシキ」。

今、試されていますよ。

誰から?
欧米人から。
何を?
ニッポンのタミ草は、われら西欧人と同じ価値観かと。

はっきり言いましょう。
今回の不動産業界のデタラメ。
根っこは、東芝とおんなじ。
女こどもは、すっこんでやがれい!

ニッポンのタミ草たるや、所詮、イエローモンキー。
ケツにクソ付けて生きるだけ。
そこんとこ、欧米人は、よー知ってますよ。

だから。
所詮、ニッポン。

「片思い」

もっともっと。
バカはテード知らず。

ありがとうございます。(笑)

もう、この国のタミ草は終わり。
ダーメ。
で、儲ける「糸口」はー。

もっと書き込みたいんですが、
「たぶれット」はキツーイ。(笑)

ごきげんよう。

2015/11/17 14:02 | by まろたん

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