若者を育てるのは大人社会の義務

なんかいきなり円が安くなって、株価が上がっています。
何の材料があるのかよーわかりません。
しかし、原油価格は再び軟調。これもよーわかりません。
市場価格って、よーわかりませんね。

首都圏と近畿圏のマンション価格のことは多少わかります。
都心の一部以外はかなり軟調です。
新築マンションの郊外市場は在庫の山になっています。
危険水域に入った、と断言できますね。

ただ、リーマンショックの時と違うのは、
2014年と2015年に不動産屋さんたちは大儲けをしています。
2016年は軟調ですが、まだ赤字になるようなことはありません。
したがって、当面は倒産が出そうにもないのです。
危ない会社も聞きません。

「人手不足」というのは最近のキーワードです。
あっちこっちでそれを聞きます。
ところが、賃金が上がった、という話は聞きません。
賃金はハッキリ言って低位安定。

つまり、製品の価格が上がらない以上、企業は儲かりません。
儲からないから賃金を上げられません。
でも、人手は足りない。困った問題です。
かつては低賃金でも募集すれば人が集まりました。
いまは集まりません。かといって賃金は上げられません。
賃金を上げると赤字になって会社は倒産します。

成熟国家はどこも同じ道をたどります。
イギリスやドイツ、オランダはそこを移民でしのぎました。
その結果、今はイスラムテロの恐怖にさいなまれています。
日本は今のところ移民政策を取りません。
今後も多分、ドイツほどは移民を受け入れないでしょう。
そうでなくても、最近は中国人だらけです。
これ以上彼らが増えることに賛成する日本人は少ないはず。

私は、こと労働問題についてはサヨクです(笑)。
ブラック企業なんて、大嫌い。
ユニクロや和民の業績が悪化したのは、ブラックであることが
世間にばれてしまったからではないかと思っています。

ブラック企業の何が腹立つかと言うと、若者を使い捨てにします。
ブラック企業で3年働いても、世間に通じるスキルは身に付きません。
めんどくさい作業に追われただけの3年になってしまいます。
人間、生きていくには何かのスキルが必要なのです。
それは若い頃に身に付きやすく、年齢を経るごとに難しくなります。

それは、本人の意識や努力も必要です。
しかし、社会は「若者を育てる」という共通認識を持つべきです。
そうしなければ、プアヤングはプアミドルになりプアオールドへ。
貧しい人間ばかりの社会は、殺伐としたものになります。

15年ほど前、私は広告制作の会社を経営し、何人か社員がいました。
ある日、取引先の若い営業さんが
「僕の親戚で、コピーライターになりたい、といってブラブラしている奴がいるのですが、一度話を聞いてやってもらえませんか」
と、相談を持ち掛けてきました。

その彼と会いました。
髪の毛はボサボサ。冴えない受け答え。
でも、人柄は良さそうに見受けられました。
「じゃあ、しばらくアルバイトで来てみるか」
時間給900円で、肩書は「コピーライター」。22歳で新卒同然。

2年ほど、うんざりしながら彼にコピーを書かせました。
最初は中学生の作文以下。
「これはエライものを背負込んだ」と思いましたね。
2年くらいたって、私はたまりかねてこういったそうです。
「君ね、君には別の道があるかもしれない。向いていないところで頑張るよりも、早目に方向転換をした方がいいかもしれないよ」
実はこれ、私はまったく覚えていません。
あとで本人から聞かされたことです。

私の記憶では、あるときから彼は見違えるようになりました。
仕事に取り組む姿勢が変わり、コピーもうまくなりました。
コピーだけでなく、ディレクションもできるようになったのです。
ビックリしましたね。
アルバイトから正社員に雇用形態を変えました。

それから数年、彼はわが社に偉大な貢献をしてくれました。
そしてある日、こういいました。「辞めたいのですが」。
私の会社より、もっとメジャーなところへ行ってしまいました。
まあ、ちょっと悔しかったけれど仕方ありません。
何といっても私の力量不足です。

その彼とは、今でも友好関係です。
時々電話をかけてきて「社長、コピー書いて下さい」。
なんと、今では私への発注者になってしまっています。
まさに地位が逆転しているのです。アハハ。

私は、少なくとも一匹のコピーライター&ディレクターを育てました。
何匹かのデザイナーが一人前になるのにも手を貸したつもりです。
若い人を育てるのは、社会貢献だと思っています。
中学生の作文レベルが、時には一人前の
コピーライターに化けることもあります。
そういう若者を、ブラック企業はすりつぶしています。

安倍政権は2015年、労働者派遣法を改悪しました。
あのボンボン安倍君は、なーんも分っていません。
あれは日本の国力をすり減らす改悪です。
その昔、日本はアメリカと戦争をした時に、
工場の熟練労働者を二等兵として戦場に駆り出しました。
工場生産はクオリティを低下させ、機能しない兵器を生産。
日本の敗戦の一因になったともいわれています。

労働者派遣法の改悪は、それに等しい行為です。
将来、この国の発展に資する若者を低賃金の派遣労働者に
縛りつけておこうとする法律なのです。
日本はイギリスのように、エリートとその他大勢に分れる
階層社会になってしまうかもしれません。

日本の国力は、底辺の強さにあります。
1860年代、横浜港にやってきたイギリス人が驚きました。
道端で日本人の車夫が瓦版(新聞)を読んでいたのです。
当時の日本人の識字率は8割以上だったと思われます。
つまり、その辺の人でもひらがなくらいは読めたのです。
その当時のイギリスの識字率は2割程度と推定されます。
そのイギリス人は「こういう国は植民地にできない」と思ったとか。

植民地どころか、その後はイギリスと同盟して
日露戦争、第一次世界大戦と2度の戦争で共闘しました。
日本の強さは、国民の底辺にいたる高い道徳観と規律です。
階層社会になると、それが失われます。

エリートではない労働者の権利をしっかり守りましょう。
ただ、過度な労働運動は弊害ばかりです。
しかし、非正規雇用の増大はこの国を疲弊させるばかり。
低賃金の固定化もよろしくありません。

こういった政策を一発で実現させる方法があります。
労働基準法違反には経営者に刑事罰を科すのです。
有給休暇を与えないと懲役3月とか、
残業代を払わないと懲役6月なんて。
これでブラック企業は生存できなくなります。
こういう施策は、人手不足の今だからできるのです。
しかも、日銀の黒田君が悲願とする物価上昇にもつながります。

さて、私とはかねてより友好関係にある
「ウチコミ」さんがセミナーを開いてくれることになりました。
テーマは

『これからの不動産投資の選択肢』
~海外不動産を視野に・日本と東南アジアでの投資を考える~

日時 8月6日(土)
場所 東京国際フォーラムガラス棟G510

今回はバリ島ではありませんよー(笑)。
私の講演の後、カンボジアの不動産を紹介するプログラムがあるそうです。
でも私、カンボジアのことは何も知りませんので、
お話しするのは『これからの不動産投資の選択肢』まで。

参加は「無料」。どうぞご参加ください。
ただし、定員は50名とやや少なめ。
早めにお申し込みくださいね。

7月23日 (土)榊淳司の不動産売却ご相談会

を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はバリ島不動産セミナーと同じところ。

開催日時:7月23日(土)13時~17時
開催場所:セトル 4階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

7月23日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。

「榊淳司のお奨めマンション速報」

購読料 1ヵ月 1,590
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2016/7/15 15:30 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんばんは。

今日はちと真面目に書きすぎました(笑)。
しかし、昔の徒弟制度なんてブラックそのものでしたが
まだしも人間的であったと思います。
いまのブラックはただの使い捨て。

私はノーテンキなんで、全然絶望していません。
未来に希望を持って生きています。
日本人も日々変わっています。
生物と言うのは、生き残るために
環境に合わせて変化するものなのです。

まあ、言い訳みたいになるので止めましょう。

ただひとつ嫌なのは、昔に比べて
「卑しく」なっている気がしますね。
特にネットが普及してから。
例えば嫉妬は劣情で、本来恥ずかしい感情。
ネットではそれが剥き出しになります。
舛添君があの程度で引きずり降ろされたのは
世間の嫉妬と低俗な正義の怒りでした。
ああいの、好きになれませんね。

ではまた ごきげんよう 榊淳司

2016/07/15 20:37 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

今回のブログ記事。マジで答えますね。

うーん。
ブラック企業の肩を持つつもりは皆無ですが、
ブラック企業を叩けばすむような、
そんな簡単なことではなかろうかと、
私は思っております。

あえて言いましょう。

今や、日本人すべてが、
「ブラック!」です。
日本人のぜーんぶ、が。
ブラック。真っ黒けー。です。

「私はブラックにあらず!」

という御方は、どうぞ当方にお申し出ください。
バンザイ三唱とともに「金一封」差し上げます。
土下座はやりませんが。(笑)

いやはや。
マジのつもりが、ヨタになってしもうて。
ガメン!
(ゴメンじゃなく、ガメンです)笑。

ま。私、
67年、日本人やってきましてね、
つらつら、思うんでわ。

今のニッポンと、日本人。もはや、
どこかをイジれば、ドウコウナルような、
シンプルな状態ではなかろう。とね。

「ゼツボー?」
そうですね。
ここで、トコトン、
絶望 してみては、どうでしょうか。
トコトン。ですね。

くらーくなりましたが、敢えて、
くらーくなったまんま、閉めましょう。(笑)

ごきげんよう。

2016/07/15 19:14 | by まろたん

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