20世紀の厄災、ロシア革命から百年

なんか気持ち悪いですねえ。何がって、株の13連騰。
確かに景気は悪くありません。選挙では自公も勝ちます。
だとしても、ちょっと出来すぎです。
前にも書いた通り、米朝の衝突はほぼ確実。
それを見越せば浮かれてはいられないはずですが・・・

そして、うまくごまかせるはずだった神戸製鋼。
アメリカの司法省が出てきたではないですか。
あそこは巨額の罰金を取ることで知られています。
神戸製鋼、大丈夫ですかねえ。
安倍君はサラリーマン時代に神戸製鋼のアメリカ支社勤務。
OBだからって、助け舟は出せないでしょうし。

さて、今日の話題は久しぶりに歴史にしましょう。
今年って、ロシア革命100年だったのですね。
ソビエト連邦という化け物国家が続いたのは69年間。
あれがロシアに変わって31年ということですか。

私は55歳なので、何となく覚えています。
「ソ連がなくなるのか・・・」と思いました。
そんなもの、自分が生きているうちにあの化け物国家が
消えてしまうなんて、思いもよりませんでした。

私が同志社大学の学生だった頃、冷戦史を学びました。
3年生で外交史のゼミに入って、最初に読まされたのが
フォーリンアフェアーズに掲載されたジョージ・ケナンの
Origin of Cold War でした。忘れもしません。
いきなりびっしり詰まった英文がやく20ページですぜ。
そこで最初に冷戦史を叩きこまれたのです。

その頃にはソ連は何ともこわもての閉鎖国家。
今の北朝鮮ほどではないけれど、ようわからん国。
「鉄のカーテンの向こう側」みたいな言い方をしました。
ところが、私が同志社を卒業して6年後に崩壊。

ちょうどその頃、私はサラリーマンを辞めて起業。
まだバブルの余韻が残っていて超忙しい日々でした。
仕事も忙しいのですが、遊びもタイヘン。
体力があって、お金もあったので、まあまあ、まあまあ・・・

そんなときだったので、ソ連の崩壊も「ああ、そう」と
わりあい軽く受け流したような記憶があります。
続いて東欧諸国の政権交代、ソ連離れ。
あれよあれよという間に東西ドイツの統一。
ドイツ人はエライですね。チャンスを逃しませんでした。
今のメンケルさんは旧東ドイツ出身だとか。エライ!

ところで、ソ連という国の革命直後はレーニンの時代。
しかし、彼がソ連を率いたのは革命後の6年間だけ。
その後は、スターリンというグルジア(ジョージア)人の時代。
私はスターリンこそ世界の歴史の中でもっとも罪深い、
と思っています。彼のせいで死んだ人間は
ロシアの内外で3千万人くらいだと推定されています。
その中には、何万人かの日本人が混じっています。

ちなみに、2番目の悪党は他ならぬ毛沢東ですね。
彼も中国人を中心に3千万人くらいは死なせています。
チベット人だけでも200万人は死んだでしょうね。
それに比べれば、ヒトラーはまだマシな方ですよ。
まあ、この話はいいとして。

実は、旧大日本帝国はソ連と3度戦っています。
一度目は、革命時のシベリア出兵。2度目は1939年の夏秋。
モンゴルと満州の国境です。ノモンハン事件ですね。
3度目は1945年の夏。ソ連が満州や樺太、千島に侵入。

それで、世界中の人間は「ソ連軍は強い」と思っています。
でも、それは大きな間違いだと私は考えています。
まあ1945年の満州では、旧帝国陸軍がボロ負け。
しかし、ノモンハンではほぼ日本軍の勝ちだったのです。
今まで日本が負けたようなイメージでしたが、
最近の研究によってソ連軍が不利だったことが明らかに。
まあ、これはまた別の機会に語るとして。

実は1941年にソ連は一度消滅しかかっています。
ヒトラーに攻められて、危うくモスクワが陥落しそうになりました。
その後も、いわゆる東部戦線では膠着状態が続きます。
何とかソ連軍が優勢になったのは1944年になってから。

なぜ瀕死のソ連が盛り返したかというと、
アメリカから大量の物資が援助されたからなのです。
例えば、東部戦線の南側で戦ったソ連の戦車は、
ほとんどがイギリス製かアメリカ製であったとか。
1945年に満州に攻め込んできたソ連軍の
トラックはジープも、ほとんどがアメリカ製だったそうです。

多分、アメリカの援助がなければソ連はドイツ軍に敗れたはず。
スターリンは失脚するか殺されて、
ソ連という化け物国家自体が消えていたかもしれません。
私は、むしろそうであった方がよかったと思います。
日本だけでなく、旧ソ連に支配されたすべての人々にとって。

あの時、ルーズベルトは判断を誤りました。
チャーチルは気づいていました。でも勝つために沈黙。
ソ連というのは人類史上稀に見る邪悪な国家だったのです。
なぜそんな国が生まれたかというと、やはり共産主義。

そもそも、共産主義の発想には大いなる欠陥がありました。
それは、人間が欲望に基づいて行動する、という
基本的な真理を無視しているところです。
資本主義はその反対。人間の欲望を利用しています。

ここでひとつ余計な話を。
共産主義というのは政治的なイデオロギーです。
だからこの世には「共産主義者」という愚かしい連中がいます。
ところが「資本主義」はイデオロギーではなく、ただの仕組み。
だから、「資本主義者」はいません。まあ、それはいいとして。

とにもかくにも、ソ連とは共産主義国家でした。
そして、共産党が一党独裁。反対者は許されませんでした。
ちょっとでも文句をいうと、すぐにシベリア送り。
文句を言わなくても、誰かの讒訴にあったらシベリア行き。
それで、ドイツと戦う前のソ連軍はボロボロ。
ドイツ軍はあっという間に国境の奥深くまで攻め入りました。

そんなソ連軍がよみがえったのは米英の戦略物資のおかげ。
しかし、スターリンはこれについてルーズベルトや
チャーチルに礼を言った形跡はありません。
「そんなもの寄越して当然だろ」という態度でした。

その後、ドイツ軍の衰退によって徐々に盛り返します。
最後はヒトラーのいるベルリンまで攻め込んで陥落させます。
このベルリン攻防戦でドイツ軍は頑強な抵抗を見せ、
ソ連軍に大損害を与えました。一説には戦死者30万人とか。
しかし50万人以上のドイツ人を捕虜にしてシベリアに送りました。

第二次大戦後、ソ連は自国のシステムを占領地に持ち込みます。
ポーランド、ルーマニア、ブルガリア、ハンガリー、東ドイツ・・
まあ、人類史上の厄災ですね。極東だと北朝鮮。
この中で、曲がりなりにも今も共産主義をやっているのは北だけ。
北がいかに変な国かよく分かるでしょ。

さて、史上最大の危機を脱したソ連は、アメリカと冷戦を行います。
今のロシアって、アメリカに対抗する力はないですね。
また、国内に産業と呼べるものはほとんどありません。
ところが、冷戦時代の遺物で軍事産業と宇宙産業は何とか一流。
ロシアの主要な輸出品は石油とこれらの軍事的な生産部、武器。
ともかく、あのアメリカと四つに組んでいましたからね。

しかし、国内経済はボロボロだったみたいですね。
国民はそれこそ「食うや食わず」状態。慢性的な品不足。
まあ、今の北朝鮮ほどではないでしょうが。
結局、共産党の政権は崩壊してしまいました。
ただし、今のプーチン大統領はソ連のスパイ組織であった
KGBの出身。体質はソ連的ですね。

それで、ソ連がなくなって今のロシアに変わり、
そこに住む人々は幸せになったでしょうか?
私の答えは「否」ですね。
まあ、飢えることはないでしょうけど、
だいぶ暮らしにくくなったように思えます。

社会の隅々までマフィアが支配する国ですからね。
社会的なインフラも目茶苦茶みたいです。
だから、人々は陸続と国を離れています。
あのバリ島にさえ、ロシア人コミュニティが出来ています。
ロシア国内の男性の平均寿命は50歳代です。
ウォッカをがぶ飲みするので早死にが多いとか。

ロシアが大きく変わることはありません。
常に政治には恵まれない国ですね。
ロシアや中国といった国は、民主主義の歴史がありません。
また、一度として国民の福利を考えた組織に
支配されたことがありません。
国民は常に支配者から簒奪される存在。
それは帝政時代、ソ連時代、そして今もそうです。

ソ連は世界に対して「共産主義はあかん」という
偉大な教訓を残したことで、少しは歴史に貢献しました。
しかし、日本にはその教訓を素直に受け容れない、
おバカな左翼君たちが大勢生き残っています。
まあ、歴史から何も学ばない連中です。

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2017/10/20 0:15 Comments (4)

4 Comments

まろたんさん、こんばんは。

朝湯、いいですねえ。
その後でビールを一杯。
蒲鉾と梅干し、アジの干物で熱燗を二合。
ご飯に塩辛と赤だし。
そいで、お昼寝。
早くそういう生活がしてみたい。
一生できないかもしれませんが。

総選挙、喜劇でしたね。
「やがて悲しき鵜飼いかな」

おやすみなさい ごきげんよう 榊淳司

2017/10/23 22:16 | by Sakaki Atsushi

トスカ兄さん、こんばんは。

ま、まだ1000人もマルクス経済学者がいるのですか?
アレ、なーんの役にもたちませんよ。
こりゃ、たまげた。
もうとっくに絶滅危惧種かと思っていました。

しかし、この国がいつまでたっても
イマイチ乗り切れないのがよく分りますね。
まだ1000人・・・・・

それではまた。ごきげんよう。榊淳司

2017/10/23 22:12 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

今はもう秋。半世紀前、そんな歌がありましたが。
秋ですね。
日中は暖かい日もあり、半袖半ズボンで買い物に。
顔見知りの女性に、寒くないですか、と冷やかされるのですが、
若いからと、かるーくカワスと、女性ニヤリ。

このところ朝湯に浸かります。
朝目覚めると身体が冷えています。寒いではなく、冷え感。
湯船に浸かりますと、ジワーと芯から温まり、血が巡る感じ。
そういうトシなんです。実は、半ズボン爺さんも。(笑)

さて。
タイフーンが接近中。
総選挙は低い投票率との下馬評。
野党側は田子作・田舎モン丸出しでしたね。
ま、こんな風に過ぎてゆくのでしょう。

諸行無常。色即是空。合掌。
ごきげんよう。

2017/10/21 08:04 | by まろたん

榊さん、こんにちは。

>あの時、ルーズベルトは判断を誤りました。

未来の敵に塩を送ってしまったわけですね。しかし、アメリカがソ連に塩を送らず、ドイツがソ連を征服していたら、アメリカは大膨張したドイツと戦うことになったでしょうから、まぁどっちもどっちですか。邪悪さ加減に関しては、ソ連とナチス・ドイツは良い勝負かもしれません。

>しかし、日本にはその教訓を素直に受け容れない、
>おバカな左翼君たちが大勢生き残っています。

日本の大学には、マルクス経済学者が大勢生き残っています。ウィキペディアの「マルクス経済学」の項によると、「池田信夫によると、日本は、世界有数のマルクス大国であり、マルクス経済学の学会「経済理論学会」のメンバーは1000人を超える(後略)」のだそうです。こういう方々は、現実を直視せず、観念の世界に生きているのでしょう。どうやら、日本社会はあちこちがガラパゴス化しているようです。なんでやねん。

ごきげんよろしゅう。

2017/10/21 02:13 | by アル中のトスカ兄さん

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