自民党の総裁選挙を正しく理解するために

私は日常、いろいろなことに説明を求められます。
身近な人々は、私が何でも知っていると思っています。
あたり前ですが、そんなことはありません。
私はこの世の中の事象のほんの一部を説明できるだけです。
でも、時々誰かと話していて「ええ、そんなことも知らないの」と
思うようなこともあります。今日はそういう事象の話題を。
このブログの読者さんの大半はご理解なさっているはずのことです。

昨日のニュースで「安倍総理、総裁選出馬を表明」とありました。
9月20日に自由民主党の総裁選挙が行われます。
安倍晋三君が、その選挙に立候補することを表明しました。
そのちょっと前に石破茂君というお方が立候補を表明しています。

さてさて、自由民主党の総裁選挙に安倍君と石破君の両名が
立候補することにどういうニュース価値があるのか?
その根本的なところを分かっている人は日本人の何%?
多分、半分以上の人は分かっているけども、
そうでない人も半分近くいるのではないかと思います。
今日はそのことにつて「あたり前」のお話を池上彰風に。

自由民主党のトップである総裁になるということはつまり、
日本の総理大臣になることなのだ、ということの仕組みについてです。
日本は議会制民主主義という政治システムを採用しています。
国民は自分たちの代表として国会議員を選挙で選びます。
日本の場合、二院制といって議会は二種類あります。
衆議院と参議院です。どうして二つあるのか、という意味を
私は理解していませんし、説明もできません。

今の日本の政治構造は日本国憲法で定められています。
衆議院と参議院があるのも、この憲法の定めです。
この憲法は1947年5月3日に施行されました。
作ったのは日本を占領していたアメリカのGHQという
組織に所属していた20代から30代の20人ちょいの将校その他。
その中で法曹資格を持っていたのは2名だと言われています。

彼らが草案を書き上げて、当時の日本政府に押し付けました。
白洲次郎を始めとした日本側はそれなりの抵抗をしましたが、
「もう一回原爆を落としてやろうか」と恫喝されて、
致し方なく同意。その当時の議会にも承認されて施行。

今でもそうですが、アメリカもイギリスも二院制です。
だから日本国憲法を書き起こした20数人のアメリカ人も
新しい日本には議会が二つあるべしと考えたのでしょう。
私にはそうとしか説明できません。

さて、この日本国憲法によると、日本を代表して政治を
行う内閣総理大臣は議会が選出する、ということになっています。
つまり、衆議院と参議院で選ばれた人が内閣総理大臣となり、
内閣総理大臣がその他の大臣を選任するというシステムです。

内閣総理大臣を選ぶことを「首班指名」と呼んでいます。
当然ながら、その時の議会における多数派が押す人物が
内閣総理大臣に指名されることになります。
今の安倍晋三君は、5年半前に衆議院と参議院において
首班指名を受けて内閣総理大臣に就任しました。

現在、衆議院でも参議院でも最も多くの議席を持つ政党は
いうまでもなく自由民主党です。省略して自民党。
この自民党という政党には組織体系があります。
その長に立つのが総裁と呼ばれるポジション。
この自民党の総裁を決める選挙が9月20日に行われるのです。
ちなみに総裁の任期は3年。だから総裁選挙も3年おき。

今の自民党の総裁は安倍晋三君。6年前の選挙で選ばれました。
6年前にも自民党の総裁選挙が行われ、対決の構図は同じ。
安倍晋三君対石破茂君。結果は安倍君の勝ちでした。
ただ、ちょっと危うかったのです。

自民党の総裁選挙は国会議員の票と、地方票という
国会議員以外の票を足してカウントされます。
6年前の選挙では地方票で石破君が安倍君を圧倒。
国会議員票では安倍君が石破君に大差をつけて、
結果的に安倍君の当選ということになりました。

自民党の総裁に選ばれると、衆議院と参議院の首班指名で
内閣総理大臣になることが確実です。つまりは、
自民党の総裁になれば、イコール総理大臣になれるのです。
だから自民党の総裁選挙は日本の総理を選んでいるのと同じ。
ただし、それは自民党が国会で最大の議席を持っているから。

前述の通り、国会には衆議院と参議院の二つがあります。
参議院は3年ごとに議席の半分を改選します。
参議院議員になると6年間の議席は保証されます。
衆議院は内閣総理大臣が「解散する」といったら選挙です。
最長の任期は4年間。でも、過去に任期満了の解散は
数えるほどしかありません。短いと数か月で解散。

さて、9月20日はその議会で最大の議席をもつ
自民党の総裁を決める選挙が行われるのです。
安倍晋三君は3期目の総裁に挑みます。ほぼ勝つはず。
自民党の総裁は1期が3年だから安倍君は今2期目。
前回の選挙では安倍君以外の立候補はありませんでした。
だから3年前は安倍君が無投票で再選。でも今回は・・
そもそも総裁の任期は「2期6年まで」という規定がありました。
これを安倍君は「3期9年まで」と変えたのです。
自分が9年間総裁をやるためにです。

中国の習近平君が共産党の総書記を「2期10年まで」
だったのを「規定なし」に変えたのと、多少似ています。
まあ、党内の規定ですから法律を変えるよりもカンタン。
で、安倍君は9月20日に自民党の総裁に選ばれると、
実質的にあと3年内閣総理大臣を続けられます。
まあ、いつあるか分からない次の総選挙で、
自民党が大敗しなければ、ということが前提ですが。

今日のお話はカンタンすぎましたね。
次回はもう少しひねった話題にしますね。

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待ち時間はほぼございませんでした。
次回も同じようになるかどうかは分りません。

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2018/8/27 17:20 Comments (0)

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