よく「マンションは何時から下がり始めるのですか?」
という類のご質問をいただきます。
特にメディアの人はみんなそれを聞きますね。
週に何回も同じ話をしていることがあります。
みなさんも私の答えをお知りになりたいでしょう?
でも、このブログを過去3か月来読んでくださっている方は
私がどう答えるかなんてお分かりかと思います。
でもまあ、繰り返しておきます。
まず、新築マンションの価格というものには多分に
硬直性があります。市場よりもコストで決まります。
新築マンションのコストは主に土地代と建築費。
この2つともが都心では完全な売り手市場です。
だから、この状況が変わらない限り都心エリアでの
マンション価格は下がりません。むしろ上がります。
ただし、それで売れるかどうかは別の問題です。
新築マンションは今でも在庫の山です。
次に、中古マンションの価格は多分に新築に影響されます。
というか、これまではそうでした。今は・・・
ちょうど市場の主役が新築から中古へ変わる
過渡期ではないかと私は考えています。
ただ、現状はまだ新築市場が作る空気に支配されています。
「新築が坪400万円だから、築5年は370万円だろ」
まあ、そういう感覚ですね。
ただ、最近では年間に販売される新築マンションよりも
売買が成立する中古マンションの方が多くなっています。
この傾向は今後ずっと変わらないと私は考えます。
その内、中古は中古市場で独自の価格形成を行うはず。
その時期こそ、これから迎える下落期ではないかと思います。
で、その下落は何時から起こるのか?
ハッキリ言うと、今も静かに起こっています。
私は江東湾岸エリアの特定マンションを定点観測しています。
レインズでの成約事例と売り出し中物件を眺めているのです。
最近、売り出し中物件の価格と、成約事例の価格に
大きなかい離が見られるようになりました。
要は、高く売りだしても売れない状況です。
他のマンションをチラチラ見に行っても、そういう傾向です。
売出し価格というのは、ネットで中古マンションの
資産価値を数値化しているサイトを参考に決められている
のではないかと私は推測しています。
そのネット上の評価額はどうやって出ているかというと、
これもまたネット上に出ている売り出し価格を
データベースにして評価額を出しているのです。
だから、レインズの成約額より高くなって当然。
ただ、これはまだ一般人には可視化されていません。
でも、現場の業者は肌感覚で分かっています。
実のところ、不動産市場は景気に大きく左右されます。
今の日本経済、かなり景気がいいと私は思います。
だから不動産取引も活発。それが今の状態ですね。
この景気が続く限り、中古マンション市場が大きく
崩れるようなことはないはずです。
だったらこの好景気はいつ終わるのか?
分かりやすい分岐点は来年10月1日の消費増税ですね。
安倍君は心の中ではどうか分かりませんが、
表向きは今も「予定通り」と発言しています。
で、本当に10%になったら間違いなく景気後退です。
もしかして、それまでにゼロ金利が解消されている
可能性も否定できません。長期金利は少し上がっています。
もしそうなったら中古マンション市場の下落が見えますね。
その他、最近の日本の景気は世界経済に左右されています。
前回はリーマンショック、その前はITバブル崩壊。
その間には海外からやって来たファンドバブル。
さらに古くはプラザ合意による平成大バブルの出現。
現在、アメリカの景気は絶好調です。ヨーロッパもまずまず。
いちばん心配なのが中国。アメリカから貿易戦争を仕掛けられ、
さらには国内の借金過剰体質も崩壊しかけています。
だから最近習近平君は日本に対してソフトになったでしょ。
仮に、中国で何かリーマン的なことが起こったら、
日本どころか世界経済もぶっ飛びます。
さらに、日本は異次元の金融緩和中ですから、
打つべき金融政策がほとんどありません。
それこそ、奈落の底に突き落とされて、救いの手無し。
もちろん、その時には不動産市場も地獄を見ます。
早稲田大学エクステンションセンターで開講
マンションの選び方、買い方、住み方、売り方
3回目になりましたが、早稲田大学の市民講座で
集中講義を行います。今秋の10/13, 11/10の2日間。
今回は新築中古のマンション市場の現場をどう歩くか、
実践的なお話を中心にお伝えしていきます。
を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はいつものところです。
開催日時:9月29日(土)13時~17時
開催場所:セトル 2階会議室(4階から2階へ変更になりました)
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)
9月29日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は4組様。
待ち時間はございませんでした。
次回も同じようになるかどうかは分りません。
景気については消費税は重大問題ですが、
五輪景気によるものが大きいのではないでしょうか?
五輪の始まる前には特需が終わるはずです。
五輪後はなにもありません。五輪後の不況は古今東西過去未来かわりません。あとはもうすぐ決まるかもしれない大阪万博が数少ない希望の光でしょう。
RSS feed for comments on this post.