これからは「中古」、重要な「値引き交渉」

「中古」が、これからの主流になる。

日本というのは、分かっているだけで1600年ほどの歴史があります。
例えば、天皇家を「王家」と捉えた場合、
今残っている世界中のどの王家よりも長い歴史を誇ります。
例えば、ヨーロッパで最も格式のあるハプスブルグ家。
この家系の「王」としての歴史はたかだか700年。
日本の天皇家の半分もありません。
しかも、もう王家ではなくなっています。

日本の歴史は、エジプトやギリシャに比べればずっと新しい方ですが、
世界の標準からすればかなり「歴史と伝統」のある国であることは確か。
その割には、あまり古いものを大事にしませんね。
特に、建物や住宅に関してはそうです。

イギリスなどでは、3世代くらい同じ家に住むのは当たり前だそうです。
4代目になって、いよいよ建て替えなければいけなくなると
「ああ、何て自分はアンラッキーなんだ」とお悩みなるとか。
ところが日本。
「家を建てる」「(新築の)家を買う」という行為は、
カタギの人生を送っている方ならごく普通です。

実は日英では「住まい」の事情が異なり、
今までだったらこの違いも多少は納得できました。
というのは、イギリスでは地震や台風などの天災が少ないので、
レンガづくりの恒久的な住まい作りが可能。
しかも、日本のように湿度が高くないので、
多少風通しが悪かろうが、陽光が入らなくても大丈夫。
ところが、高温多湿な日本では、吉田兼好が「徒然草」で
「家の作りようは、夏を旨とすべし。冬は、いかなるところにも住まる。暑き比わろき住居は、堪へ難き事なり」
と記している通り、レンガや石で住まいを作ると
夏が暑くてやりきれないのです。
しかも地震が多いので、レンガ積み構造は危険です。
自然に、日本の住まいは「木と紙と土」を使った
「簡易的」なつくりにならざるを得なかったのです。
そして、この構造の最大の弱点は「燃えやすい」ということ。
特に、人の集まる都会はいったん火事になると大変です。

江戸という町は、何度も「大火」に焼かれました。
明治以後の東京も、関東大震災で焼け野原になったかと思うと、
その22年後にはアメリカ軍の無慈悲な空襲によって再び瓦礫の山に。
東京以外の都市でも、同じような歴史があります。
その結果、我々のDNAには「家は壊れやすいもの」という記憶が
濃厚な価値観として刷り込まれているのです。

ところが・・・「マンション」と「エアコン」の登場、
そして堅牢な構造の木造住宅の普及が、日本人の住居観を変えました。
その激変振りは、もはや「革命」といっていいでしょう。
日本の住宅の「恒久性」も、欧米と同じ条件になりつつあります。

だったら、お金のかかる「新築」でなくてもいいじゃない!

というのが、私の考えです。

こういった考えは、この前、日経CNBCの番組で申し上げました。
6月24日に開催するセミナーでも、詳しく理由を解説します。

日本の住宅は、今後「中古」が主流になります。

これは、もう統計的に確認できている現象です。
昨年の中古住宅流通量は、
新築の「持ち家」「分譲」の着工数を上回ったからです。
そして、この流れは今後も継続するでしょう。
一時的に新築が盛り返す可能性はありますが、
大きな流れとしては「中古」の時代がやってきたのです。

その理由や歴史的な背景は、セミナーや別の機会に解説します。
今日の話題としては「中古住宅の値引き交渉術」です。

まず、住宅を購入する場合、マンションでも一戸建てでも
新築と中古の決定的な違いは何だと思いますか?

実は、いろいろあります。
今日は、「値引き交渉」という視点から考えて見ましょう。
決定的な違いは「売主が企業なのか、個人なのか」ということです。
つまり、値引き交渉をする相手が大きく違います。
もちろん、すべてのケースにはあてはまりません。
新築住宅の売主が個人であることは稀ですが、
企業が中古住宅の売主になっている場合は、それなりにあります。
ただ、ここでは大まかに企業と個人に分けて考えましょう。

さらに分かりやすく、マンションに特化して解説します。
新築マンションの値引き交渉に関しては

「榊淳司のマンション値引き交渉術」

という当研究所のヒット作で詳しく解説しています。
ここでさわりだけお話しすると、
新築マンションが「値引き販売」される理由はただひとつです。
それは「売れない」からです。
値引きしなくても売れるマンションを、
わざわざ自社の利益を削ってまで値引き販売する売主企業はありません。
そして、売主の企業は、値引きに踏み切る前に
「どれくらいなら売れるか」ということについて市場調査を行い、
「売れそうなもっとも高いライン」で値引きを押さえようとします。
値引き交渉の相手としては、侮れません。
ただ、いろいろなケースがあり、また企業側の事情もあり、
より多くの値引きを引き出すテクニックは、それなりにあります。
詳しくは「榊淳司のマンション値引き交渉術」をお読みください。

では、交渉相手が「個人」となる、
中古マンションの場合はどうなのでしょう?
これは、相手が個人だけあって、ケースバイケースです。
ただ、新築との違いは、相手も「素人」であることがほとんどです。
売主さんが、
「どれくらいなら売れるのか」
「いくら値引きしなければならないのか」
というしっかりとした相場観をもって
「売却」しようとなさっているケースは少ないはずです。

いってみれば、向こうだって「おっかなびっくり」なのです。
こういう場合、交渉を有利に進めるためには
相手よりもより多くの「情報」を得ることが大切。
例えば、売主さんの「売る理由」とか「いつまで」という時間の制約。
そういったことを踏まえたうえで、
間に立つ仲介業者さんをうまく使いながら交渉を有利に進める・・・
そのためのノウハウをまとめたのが、
同じく当研究所のロングセラーとなっている

「中古マンション値引き交渉術」です。

これって、これまですべて「ダウンロード販売」でした。
でも、「冊子で読みたい」という要望が多かったのと、
コンピュータ上のトラブルで「プリントできない」という
ケースもあるようなので、今回、冊子版も追加しました。
内容も、一部加筆して、より分かりやすくなっています。
お値段は、加筆した分を多少上乗せさせていただいて
ノウハウ編で4490円です。
メールによる半年間の無料相談をお受けする
無料相談編は8960円です。

よろしければ、ぜひご利用ください。


2010/6/13 1:11 Comments (0)

コメントはまだありません

No comments yet.

RSS feed for comments on this post. TrackBack URL


Leave a comment

※こちらへ書き込みいただいたコメントは、承認後全て表示されます。
マンション購入に関する個別相談等こちらへ表示させたくない場合は、
専用フォームからお願いいたします。