ここで何回か話題にしている「女性のための・・・研究会」では、
どんな時でも「今がマンションの買い時です」とアドバイスするそうです。
まあ、彼らの組織は会員がマンションを買えば、
その1%がキックバックされる不動産業者さんみたいなものなので、
それも仕方ない、といえば仕方ない話。
要は、そんなインチキアドバイスに乗せられて、
ホイホイ買ってしまう方がおバカなのです。
この秋、新築マンションの供給は少しだけ増えそうです。
それこそ「今が買い時」と騒いでいるマスコミや
ちょうちん評論家先生もチラホラいらっしゃいます。
何を隠そう、我が「日経マネー」でも販売中の最新号で
「売れる、貸せるマンション選び最前線」
なんていう特集を組んでいたりします。
誤解なきように言っておくと、私は編集に協力していません。
さて、それで私がどう考えているかというと、
このブログの常連読者さんはお気づきだと思いますが、
「今は買い時ではない」。
というか、この先「買い時」と呼べる時期がやってくるのかどうか・・・・
チャイナバブルが本格上陸でもしない限り、
この国の不動産市場はダラダラとした下落が続きます。
要は、その下落カーブには大きな地域差があるので、
急降下するようなところでは買わない方がいいけど、
なだらかに降下するような所だと
「まあ、買ってもいいかな」ということです。
「なだらか」なのは、だいたいが都心エリア。
でも住友不動産や三井不動産レジデンシャルが
「昔の価格」でがんばっているところは、
健全な市場価格とはいえないので、当面は敬遠すべし。
みたいなことは、このブログでずっと主張してきました。
今度のセミナーでは、より詳しく解説するつもりです。
私のように「今は買わない方がいいよ」という趣旨の発言をしている
住宅ジャーナリストや評論家は、ほとんどいません。
というか、私は知りません。
マスメディアで発言している住宅関係の「専門家」は、
大学の先生のように収入が安定している方でもない限り、
どちらかというと企業からお金をもらうことが多いので、
あまり彼らに都合の悪いことは言えないワケです。
私は、自分の立ち位置を完全に「エンドユーザー」側に置いています。
つまり、マンションを購入される方の側に立って、
その利益を守るために様々な発言をし、行動をしかけます。
だから、マンション分譲企業に正面から立ち向かう
「買ってはいけないマンション」などという
「過激」なレポートを世に出せるのです。
「それじゃあ、榊はマンション分譲企業から
まったく金をもらっていないのか?」
と、問われれば、答えはNO。
直接にはもらっていないけれど、間接的には・・・・
何かというと、広告代理店を通してもらっていることになります。
これは、「榊淳司」がマンション分譲のキャンペーンに
参加しているのではありません。
私は、広告作りの「一技術者」として専門技能を提供いているのです。
その技能とは、コピーライティング。
つまり、マンション分譲広告に使われている様々な文章を書く仕事です。
「榊淳司」としての活動が多くなった関係で
それほど多くのオーダーはきませんが、
今でもコピーライターとしての仕事は続けています。
最近はかなり少なくなりましたが、
それでも年間10冊ぐらいのパンフレットを書いているでしょうか。
みなさんがモデルルームでもらっている、あのマンションのパンフレットです。
実は、私はこの仕事をもう25年も続けています。
書いたマンションのパンフレットは優に1000冊を超えるでしょう。
ひょっとしたら、1500冊くらいになっているかもしれません。
忙しいときは、1日に2冊や3冊分のコピーを書いていましたから。
もちろん、チラシやホームページ、
その他様々な媒体に使うコピーも死ぬほど書いてきました。
不動産広告の世界で生きている現役コピーライターの中で
ボリューム実績とライティングのスピードでは
おそらくトップクラスだと自認しています。
ところで、「榊淳司」にマンション購入のご相談くださる方は、
有料・無料あわせて年間1000人くらいはいらっしゃいます。
「このマンションを買いたいのですが」と持ってこられたパンフレットが
(オオ、これは・・・・)
自分がコピーを書いたものだったことも何度か。
もちろん、そんなことをわざわざ相談者に伝える必要がないので、
淡々とアドバイスをさせていただいています。
当然、物件のことはパンフレットを書くぐらいに良く知っているので(笑)、
その方にとってより有益な内容をお伝えできていると思います。
コピーライターというのは、私のような正直者(?)にとっては、
いささか罪悪感を抱かざるを得ない職業です。
ご存知のように、広告というのはエンドユーザーに
「誤解」や「幻想」を抱かせるのが半ばの目標。
おバカなクライアント(広告主)ほど、
実際の商品とかけ離れたイメージ作りを要求してきます。
ですから、法律上「嘘」ではないけれど、誰がどう見ても
「それはないだろう」みたいなコピーも作らざるをえません。
そういう時は、もう割り切るしかありません。
印刷屋さんに渡す最終原稿を見ながら
「ああ、こんなバカな広告に騙される客がいるんだろうな、きっと・・」
なんて考えるのは日常茶飯事。
でも、時には「これはいいマンションだ」と思える物件の
パンフレットやチラシを作ることもあります。
担当者の理解や協力があると、かなり精度の高い広告物が作れます。
出来上がったパンフレットをパラパラとめくりながら
「これはかなりの自信作だな」なんて
自己満足100%のニンマリ顔になったことも・・・・
そして、そんな時には驚くようなことが起こります。
「この前モデルルームにやってきた方が『このパンフレットを読んだので説明は要りません。よく分かったので私は買います』といって、申し込まれました」
エエッ・・・まさか!
そのマンションは、かなり特異な考え方とシステムを
理解してもらわないと買ってもらえない「難しい」物件。
現場の営業マンが様々なツールを使って必死に説明しても、
大半の方にソッポを向かれていました。
それが、送ったパンフを読んだだけで申し込み・・・現場も私もビックリ仰天。
もし、「自分たちの作るマンションには絶対の自信がある」
という事業主さんがいらっしゃったら、どうぞご連絡ください。
もし、本当にすばらしい物件だったら、
私が「読めば必ず買いたくなる」というパンフレットをお作りしますから。
ただ、広告制作でそういう「いい仕事」ができる機会はほんのわずか。
大半は貧弱なボキャブラリーのクライアント担当者から
「もっとインパクトを」「登場感or誕生感が足りない」「カッコよくして」
などといわれて、くだらない原稿を作っていました。
不思議なことに、ほとんどの担当者はこの3つのワードを順番に
繰り返すだけで、他に何も意味のあることを話さないのです(笑)。
この秋にも「インパクト」や「登場感・誕生感」を備え、なおかつ「カッコイイ」
マンションの分譲広告がたくさん世の中に出てくるでしょう。
でもみなさん、くれぐれも広告なんて信じちゃいけませんよ。
この世界の格言は「信じるものは騙される」ですから。
参考レポート
「買ってはいけないタワーマンション」3960円
「買ってはいけない 神奈川編」2290円
「近畿編第3弾 25物件」 2590円
「千葉・茨城編 第2弾 17物件」 1890円
「首都圏編25物件」 2690円
「ただ今値引き販売中 首都圏編21物件」 2980円
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