今年一年、マンション市場は比較的静穏でした。
去年のように販売不振物件の「値引きセール」もなかったし、
「本気ですか?」といいたくなるような
高値売出しも少なかったと思います。
そして、市場価格にあわせた多くのマンションが売り出され、
その一部はかなり好調な売れ行きを見せてくれました。
ただ、まだまだ「昔の価格」のまま販売を続けている、
「ミニバブルマンション」もたくさんあります。
特に住友不動産とゴールドクレストの2社が双璧。
まあ、そういうKY物件はほっておくとして、
市場には「買ってもいいかな」と思える
マンションがチラホラ出ています。
それについては、まもなく販売を終了する
今、注目のマンション 首都圏編
2010年 秋冬号 販売価格1,490円
でいくつか紹介しています。ご参照ください。
では、来年はどうなるのか?
「買ってもいい」物件が多くなりそうな気配とともに、
一部ではかなりKYなマンションも出てきそうです。
現在、慌て者の業界関係者は
「来年はマンションが値上がりする」と騒いでいます。
ある意味、そうなりそうな気配があります。
首都圏で言えば、都心や城南エリアの一部では今年の前半まで、
マンション用地が「値上がり」していました。
これは、単純に一部の業者が高く買っていたからそうなっただけです。
私の見るところ、健全な市場価格の形成とは言い難い現象。
というのは、そこにマンションを建てて販売しようとした場合、
どうしたってマーケットアウトした価格になるからです。
赤字で売るなら別ですが。
今、首都圏では一部のマンションが好調に売れています。
でも、それは景気が良くなったからでも、
個人所得が伸びたからでもないのです。
単純に、その局地的なエリアの需要が溜まっていたからに過ぎません。
それが証拠に、戸数の多い物件の場合、
最初は好調に売れても、最後まで勢いが続いたケースは稀。
つまり、需要の溜まり「幅」は決して厚くないのです。
これは、当たり前といえば当たり前。
マンションを買いたい人々は、
湯水の如くわいてくる時代ではありませんから。
そもそもの人口が減っていることに加え、
住宅ローンが組める正規雇用層もかなり減少。
さらに、個人所得も年々下がっています。
そのあたり、冷静に考えれば誰でもわかること。
ここ数年、マンション供給が激減したことによって
うっすらと溜まったニーズ(需要)は、
あっという間に吹き飛んでいくはず。
マンションデベロッパーにはなぜか、
そういうことを冷静に考えようとしない、
実にシンプルな頭脳構造をされている方が多すぎ。
ちょっとばかしマンションが売れると、
すぐに「市場が上向いている」と解釈したがるのです。
と言うわけで、来年の首都圏ではマンション供給量が増え、
価格も少し上昇することが予想されます。
いってみれば「ミニミニバブル」みたいになるかもしれません。
でも多分、高く出してきた物件は売れないでしょう。
売れる理由はほとんどないからです。
逆に、郊外のファミリーマンションは
ダラダラと相場が下がっていくでしょう。
郊外の中古マンションも同様に資産価値がズルズル低下します。
そして、来年の後半には懐かしいマンションデベの「注意情報」を
出さなければいけないことになるかもしれません。
某シンクタンクの社員も、その的中率に驚いたアレです(笑)。
あんなもの、ないに越したことはありませんが・・・
子供手当ての所得制限って掛けた場合、所得を調査して人ごとに金額分けて至急する手間とコストが膨大になってやってもあまり意味がないんじゃなかったでしたっけ?
まあいくらで制限掛けるかにもよりますけど。
2010/12/24 19:06 | by 匿名RSS feed for comments on this post. TrackBack URL