三日くらい前から、ツイッターを本格始動しました。
私は携帯でペコペコやるのが性に合っていないので、
「アレはワシには向いておらん」と思い込んでいました。
それに140字では、我が輩の言いたいことは伝わらん・・・
実は、いろいろな人から「やってみれば」「やってください」と
勧められておりました。
みなさんお気づきの通り、私はかなりの天邪鬼。
「フンッ、あんなガキみたいなことができるかい。ワシはそんなヒマちゃうぞー」
いけませんね、こういう頑固な姿勢。
だんだん時代遅れのジジイになります(もうなっている?)。
やってみると、中々深いものですね。
140字というのが、何ともビミョウ。
国語のテストで「君の言いたいことを140字でまとめなさい」みたいな。
あれは大の苦手だったのですが、
ツイッターは赤ペンをもった先生に
意地悪な採点をされることもないので、好き勝手書き放題。
こういう自由が何とも嬉しい。
てなわけで、このブログよりもっと過激なことをつぶやいています。
どうぞ、フォローしてやってください。
さて、ツイッターは過激に走るとして、
このブログでは新しいコーナーを始めたいと思います。
もちろん「マンションって何だろう?」の公開講座は続けます。
その合間を縫って始めるのは
「あと2000冊の読書日記」。
山田風太郎という偉大な作家が、晩年自分の死期を悟って
「あと千回の晩飯」という見事なエッセイを書いていました。
その足元にも達しないでしょうが、私も及ばずながら・・・・
あと20年生きるとして、毎年100冊読めば2000冊。
それを全部語るわけにもいきませんが、
印象深いものをちょくちょく紹介していきたいと思います。
ご興味のない方はスルーしてください。
マンションや住宅に近い本も取り上げていきたいとは思いますが。
それで、第1回はこの本。
「なぜフランスでは子供が増えるのか」 中島さおり著
正直申し上げると、この本を読むまで私の「フランス」に対する知識は
ユリウス・カエサルの「ガリア戦記」と、
カミユの「異邦人」と池田理代子の「ベルサイユのバラ」に、
ユーゴーの「レ・ミゼラブル」を加えた程度のもの。
現代のフランスについてはほとんど知識なし。
せいぜい半世紀前のエピソードを語る
小澤征爾の「ボクの音楽修行」くらいでしょうか。
でも、この本を読んで「フランス人って、こういう連中だったのか」という
おぼろげなイメージができました。
やはり、日本人にとってフランスは「異邦人」の国ですね。
だいたい、日本人の中で英語を自由に使える人の数が「100」とすると
フランス語の場合は「5」以下になるのではないでしょうか。
もちろん、私もフランス語なんて単語を100個くらいしか知りません。
そして、今や日本人の中ではフランス語よりも
北京語を自由に操る人の割合の方がずっと高いと想像します。
だからこそ、様々な誤解や偏見をお互いに持ち合っているように思えます。
でも、この本は現代の「フランス人」というものを
理解するための最短距離を走らせてくれた気がします。
今、日本の国を衰退に向かわせている最大の原因を
マーケティング的に説明すれば「人口減少」です。
カンタンに言えば、女性が子供を産まなくなったのです。
ところが、フランスの女性は先進国の中ではかなり多くの子供を産んでいます。
合計特殊出生率で比較すると日本は1.3なのに対し、フランスは1.9。
それはなぜ? という多くの日本人の疑問に
とっても分かりやすく答えているのが、この本。
私は今まで、安直に「フランスの社会福祉が進んでいるから」
あるいは「フランスは早くから少子化対策に取り組んできたから」と
思い込んできました。
実は、その通りではありました。
でもそのバックグラウンドは、かなり想像と違っていました。
また、私の知らない制度もたくさんありました。
そして、日本人との人生観、価値観の驚くほどの違い!
この本の著者は、ご自身が「女性」であることを最大限に生かした
問題のとらえ方をなさり、見事に成功しています。
フランス人の恋愛観、セックス観(スゴイ!)
フランス人が男女ともに「色っぽい」ワケ
フランス人女性は「母」であるよりも「女」や「友」であること
そして、女性が妊娠のリスクから逃れた結果・・・
「結婚」よりも拘束力の薄いパクスの存在
経済力と恋愛の相関関係が日仏で大きく相違
そして、日仏の教育事情の違い
どれもこれも「ああ、そうなの・・・それは知らなかった」と
妙に頷いてしまいました。そして、その違いに愕然。
著者が学者ぶってエラそうな理屈を
こねないところにも親近感を覚えます。
でも、この本を読んでフランスに親しみを増したかというとノー。
「やっぱり、あいつら変な奴らだったんだ」という、
私の中の日本とフランスの違いを際立たせてくれました。
でも、理解は深まりました。
どこがどう違うのか認識できたことは大きな知的喜びです。
今後は、一歩進んだ視点でフランスとフランス人を眺められますから。
我々は一口に「欧米」と言ってしまいます。
でも、我々が多発する「欧米」という言葉の成分は、
80%くらいがアメリカ、10%がイギリス。
そして、残りの10%の中にドイツやイタリアや北欧、豪州のその他の
西ヨーロッパ系諸国が詰まっているように思います。
でも、知れば知るほど彼ら「欧米人」の中の差異は
大きいと思えるようになりました
面倒くさいので私も時々使いますが、
この「欧米」という言葉はちょっと乱暴すぎるかもしれません。
我々日本人の多くが、「欧米人」から中国人や韓国人と
一括りに「東洋人」として扱われるのを
あまり愉快と感じないように、
彼らも「白人」として一緒に扱われるのは嫌でしょうね。
でも、今までの日本には英米以外の「欧米」各国について、
この本のように一般人の目線で理解させてくれる良書が
少なかったように思えます。
ただ、イタリアについては、塩野七生という偉大な作家の存在により
多くの日本人にとって随分身近な存在になりました。
彼女の一連の著作については、いずれまた別の機会に。
この本、ブックオフで100円で入手しました。
どうぞ、機会があったら読んでみてください。
次回は「マンションって何だろう」に戻るつもりです。
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