仮設住宅よりも、根本的な復興プランを!

どうにも腑に落ちないのが「仮設住宅」というやつです。
1戸500万円もするそうです。
そのへんのハウスメーカーが、よく「限定1戸」なんてやっている
チョー安い家が650万円くらいであるじゃないですか!
あれって、2階建てで延べ床面積は90㎡くらいあったりします。

つまり、マトモな家を建てようと思えば650万円でも建つのに、
断熱材も入ってなさそうなベコベコのプレハブで、
ほとんど1間プラスαみたいな仮設住宅が500万円!
これって、絶対に誰かがどこかで美味しい汁を啜っている・・・
そういう臭いがプンプン漂っているのが仮設住宅建設事業。

現在、鉄筋コンクリートのマンションを建てると
分譲仕様の75㎡くらいで戸当たり1600万円前後のはずです。
これには、ゼネコンの利益がガツっと乗っています。
60㎡くらいの、それこそ長谷工式工業製品化マンションなら
原価は1000万円もあれば十分に建ちそうです。
でも、そんなものを作れとは絶対にいいません。

何がいいたいかというと、「仮設住宅は高すぎ!」ということ。
あんなものに時間と労力とカネをかけるくらいなら、
他にいくらでもやりようがあるでしょ、といいたい。
「ハ会」の人々が中心になって進めている「仮住まいの輪」というのも
極めて分かりやすい被災者救済手段です。
日本には「余っている賃貸住宅」がヤマとあるのです。
それを活用して住むところをなくした方を救済するのは、
いたって理にかなったやり方です。

これは、緊急避難措置としてはかなり有効だと思います。
ただし、「仮」であることには違いなし。
いつまでも「仮」では済まされません。
「本」モノの住まいがいずれは必要です。
それには、被災地の復興が何よりも有効でしょう。
最終的なゴールは、被災者の「自活」ですから。

今日のニュースだと、やはりなくなった方の90%以上は溺死。
家を失った人々も、ほとんどが沿岸部の居住者と思われます。
復興とは、政府がカネをばら撒くだけではなく、
地域の人々が自活できる「産業」が不可欠。
この方々にとって、主な産業は「漁業」とその関連。
まずは、船。そして漁具、冷蔵・冷凍倉庫、輸送手段、燃料。
食料や水や生活用品の援助が行き渡ったら、
次にはそういったものを考えるべきでしょう。

政府は、税制・法制面でバックアップすべきです。
消費税や不動産取引税、車両関係の税金を免除・減免する税制の優遇、
各種免許・許認可等で「特例」を認める規制の緩和。
そのためには「特別法」の制定が必要。
ところが・・・菅政権は無駄な「会議」を催すことにかまけて
実務的なことは何もしていないようです。
まあ、政権もあと数ヶ月の命でしょうけれど。

被災地では多くお方がなくなり、また故郷を離れる方も多いはず。
ますます過疎化が進むのではないでしょうか?
ところが、都会には仕事がないのか、働く気がないのか
ゴロゴロしている若者がたくさんいます。
復興事業で政府がグワっとお金を使うのなら、
ぜひこういう都会の「若年無業者」が就業できる場を与えたいもの。
あわよくば、被災地の三陸沿岸に住み着いて、
その地で伴侶を見つけて子どもを作ってもらいたいですね。

農林水産省が「田舎で働き隊」みたいなことをやっていますが
この際ですから復興事業とまとめて「被災地で働き隊」を興すべきです。
被災地は「過疎化対策モデル地区」に。
お金をつぎ込む大義名分もあることですから、
日本社会を活性化させる実験エリアにすべきだと思います。


2011/4/20 0:13 Comments (6)

6 Comments

トレイラーハウスの導入を増やすべきだと思います。仮設住宅よりも安くて機能的だし、使用済みになったら中古売買もできるし、災害時用として国立公園のキャンプ場などにストックして貸し出したりすれば、さらに利用価値があります。仮設住宅は使い捨てなので、建設資材ゴミの問題もあります。トレーラーハウスは寒冷地仕様になっているので、雪国などでもOKだそうです。移動用なので風速80キロメートルにも耐えられる頑丈な作りになっているので耐震性も抜群だそうです

2011/06/18 10:45 | by トレイラーハウス

仮設は政府が公開している数値では240万円。今回の震災では寒冷地仕様になるそうですから、もう少し高いかもしれません。それから撤去費用が100万円なのだそうです。
榊さんの提案はすでに専門家からも出ていて、地元の木材を使った仮設ではなく1000万円程度の本設、地元素材の仮設住宅(これは実現しそうですが供給が少ない)安価な材料を使って、避難所では何もすることがないので、被災者自身が建築する仮設住宅など、提案されています。国も当初はプレハブ協会の登録事業社ではなければなんて言っていたようですが、それは外して広く受け入れる体制にはなってきつつあるようです。

2011/04/21 18:56 | by ちずこ

コマツさん。現地で仮設住宅をお作りなっているのですね。ご苦労様です。私は現場でご苦労をされている方を非難するつもりは毛頭ございません。私も可能ならお手伝いしたいくらいです。
しょうじさん。確かに法律で定められた額は238万円。でも、今回の予算規模は500万円です。なぜそうなったのか、今は私もよく分かりませんが、今後詳しく調べます。
そして650万円の安普請住宅や長谷工式団地を作れと言っているわけではありません。この機会に焼け太りをしようという不届きな連中に怒っているだけです。
そして建設に多少でも時間がかかる仮設住宅よりも、多少被災地から離れても(仙台とか)すぐに温かい食事が摂れる既存の賃貸住宅の方が「緊急避難」に適していると思います。経済的にはいずれ撤去する仮設住宅よりもずっと効率的です。その予算も他に回せます。ただ、政府その他には、余った賃貸住宅を斡旋する機能・能力・システムがないだけ。だから「仮住まいの輪」が民間でがんばっています。
避難所の状況を見ていると「早く何としてあげたい」とは誰しも思うこと。その思考のベクトルはみんな変わりません。でも、「木を見ず森を見る」視点も時には必要だと思います。

2011/04/20 23:54 | by Sakaki Atsushi

仮設住宅の価格は災害救助法によって、一戸あたり238万7000円と定められています。
500万というのはどこから出てきた数字ですか?

撤去費用等も含めて450万円程度かかるというような話は私もどこかで見たことがあるような気がしますが。
仮にそうだとしても、650万円の木造住宅は撤去費用を含めたら1000万円以上、長谷工のRC造なら撤去費用含め1500万円以上するでしょうから、やはり仮設住宅は安いと思いますね。

>日本には「余っている賃貸住宅」がヤマとあるのです。

確かに、多摩ニュータウンや高島平団地に行けば余っている賃貸住宅がたくさんありますね。
でも、被災地はみんな流されてしまって、賃貸住宅どころか住宅そのものが全然無い状態です。
さて、被災者はどこに住めばいいのでしょうか?

福島原発から逃げてきた人は、多摩ニュータウンに住めばいいと思いますよ。緊急避難が目的ですから。
でも、釜石や石巻の人たちはそれでいいのでしょうか?
釜石や石巻を捨てて、復興もしなくていいのなら、被災者全てを空いている賃貸住宅に住まわせればいいでしょう。
でも、そうじゃない。彼らは地元を復興させないといけないのですよ。
彼らは釜石や石巻に住まないといけないわけです。そこには余った賃貸住宅なんかありません。
多摩ニュータウンじゃだめなんです。

まして彼らは暖を取れない、暖かい食事を取れない、風呂に入れない避難所暮らしで、年寄りなど弱いものから二次被害で死んでいく有様なのですよ。
それでも瓦礫を撤去して親族を探さなければならない、すこしずつでも生活を再建しなければならないから、その場を離れられないんです。
だから短時間で設置できる仮設住宅が求められているわけです。
本物の住まいがそんなに早く建つのなら、誰だってそっちのほうがいいですよ。あたりまえでしょう。
そんなことすぐには無理だから、生命の危機にさらされているからすぐに建つ仮設住宅なんですよ。

今回の榊さんのお話は榊さんらしくない、程度の低い思いつき話にしか読めませんでした。ちょっとガッカリです。

2011/04/20 21:41 | by しょうじ

ただ冒頭の仮設住宅以外の提案は概ね賛成です。私も被災地産業の育成とそのバックアップが本当に大事だと思います。

2011/04/20 20:50 | by コマツ

一戸辺りの発注金額500万の半分以下ですよ。外構とか外灯とかは別途ですが、はっきり言ってそんなに利益出ないですよ。適当なこと書いてプレハブ屋を悪者にしないでほしいです。皆で土日もなく必死に働いてるのに。警察、自衛隊の方々は誉めるがプレハブ屋はボロカス。あなたもここに来て汗の一つ、涙一滴でも流したほうがいいと思います。余計なお世話ですが、あまりにも話盛りすぎなので。ただのプレハブ屋より

2011/04/20 20:39 | by コマツ

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