もう20年も前のことでしょうか。
お仕事をいただいていた会社の部長さんが「浅野」さん。
その部下の転職組新人さんのお名前が「吉良」さん。
初めてご紹介されたときに
「ああ、これは忠臣蔵コンビですね」と申し上げたら
浅野部長はニヤっと笑って
「時代は変わりましたから。なあ、吉良君」
「ハイ、浅野部長」
ちょうど、12月15日にこのご両人と打合せがありました。
「おや、今日も忠臣蔵コンビがおそろいで」とチャカすと
「そういえば、討ち入りは今日でしたっけ?」と聞かれました。
「いやいや、討ち入りは昨日の夜。今頃は泉岳寺ですよ」
「ほう・・・泉岳寺?」
「そうです。ちょうど浅野内匠頭の墓前に上野介の首を備えている頃でしょう」
「へえ、よくご存じですね」
「はい。私は忠臣蔵マニアですから」
あの忠臣蔵コンビのおふたりはどうしておられるでしょう?
浅野さんはその後、その会社の社長に昇進された後に定年退職。
吉良さんはどうしておられることやら。
あのコンビに「大石」君が加われば完璧だったのに、
と今でもちょっと残念。
私の子どもの頃は、この季節には必ずテレビで忠臣蔵をやっていました。
先の記事で書いた12月8日の日米開戦記念日の
「トラ、トラ、トラ!」に引き続いて、
忠臣蔵映画は12月の楽しみのひとつでした。
その後、ビデオの時代がやってきたので、だいたい観ましたね。
昭和30年代は日本映画時代劇の全盛期。
その頃は、毎年のように忠臣蔵を制作していたようです。
だから、いろんなバージョンがあるみたいです。
東映では、片岡知恵蔵と市川右太衛門が毎年テレコで
大石内蔵助をやっていたのではないでしょうか。
その他、日活や大映でも忠臣蔵は作られていて、
それこそ各会社のオールスターキャスト。
それぞれに見どころがあって楽しめました。
そういえば、最近は忠臣蔵モノが少なくなりましたね。
それに、最近の忠臣蔵はオーソドックスな作り方ではなく
様々な外連味を聞かせた筋立てになっていて、ちょっと不満。
「女から見た忠臣蔵」とか「47人の刺客」みたいな・・・
やっぱり忠臣蔵は忠臣蔵らしく、単純明快なドラマにすべきでしょう。
また、変に史実に中心である必要はないと思っています。
忠臣蔵は、松の廊下刃傷事件から赤穂浪士の討ち入りに至る
江戸元禄期のあの事件を基に、
様々なエッセンスが盛り込まれて成立したひとつの物語なのです。
歴史の一頁として捉えるよりも、ドラマとして楽しむもの。
いってみれば「三国志」みたいなものです。
そして私は、日本人のもつ美質のほとんどすべてが、
この忠臣蔵の中に含まれていると思っています。
それは、現代の日本人にも脈々と受け継がれているはずです。
外国人が日本人の特質について学ぶ場合、
これほどよいテキストはないのではないかと思うほどです。
大好きなエピソードはいろいろあるのですが、
ここではひとつだけ「徳利の別れ」をご紹介。
www.youtube.com/watch?v=DZlMCTyPlug
この後を少し解説しますと・・・
源蔵の帰った後、兄の塩山与左衛門が帰宅。
弟が自分の羽織を相手に徳利酒を飲んでいたことを聞き、不審がります。
「もしや、源蔵は本懐を遂げるための暇乞いを・・・」
翌日の朝、江戸の町に赤穂浪士討ち入りの知らせが広まります。
「赤穂の浪人たちが泉岳寺に向かっているそうだ」
「間もなく、そこの通りに差し掛かる」
与左衛門は、確認のために下女を走らせます。
「よいか、吉良邸に討ち入った赤穂の浪人たちの中に、源蔵がいるかしかと見てまいるのだぞ。そして、源蔵がおったら・・・大きな声でこう呼ばわりながら帰ってまいれ。『旦那様、いらっしゃいました。確かにいらっしゃいました。大酒飲みの源蔵さまが、赤埴源蔵重賢(あかばねげんぞうしげたか)様が、確かに赤穂のお侍様の中にいらっしゃいました』とな」
そして与左衛門と妻女が待つこと数刻。
下女の声が遠くから聞こえてくきます。
「・・・確かに、源蔵さまが・・・・仇討本懐を遂げられた、赤穂の立派なお侍様たちの中にいらっしゃいました・・・旦那様・・・」
(おお源蔵・・・でかしたぞ)
与左衛門がよよと膝を崩して涙を流すのです。
忠臣蔵には、この手のエピソードが満載。
全部を盛り込むと、とても2時間の映画には収まりません。
かといって、大河ドラマのように1年かけて観るのもかったるい。
むかし、テレビ東京でやっていた6時間くらいの
ぎゅっと凝縮したドラマをもう一度見たいもの。
今の時代のオールスターキャストで、ぜひやって欲しいなあ。
浅野内匠頭・・・モッくん
大石内蔵助・・・船越栄一郎
吉良上野介・・・水谷豊
片岡源五右衛門・木村拓哉
堀部安兵衛・・・松本潤
千坂兵部・・・・真田広之
こんなのはどうでしょう?
見てみたいなー、こういうキャストなら。
さて、レポートの更新情報です。
今、豊島区のマンション市場はほんとにホット。
それにだいぶ価格も下がりました。
こういう周縁部の方が、市場価格に戻るのが早いですね。
ぜひ、如月さんのレポートを活用してください。
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