何とも安直な増収策(消費税増税)の行く末は・・・

消費税増税関連法案が衆議院で可決されました。
本当に、野田君は思ったよりもやりますよね。
3党合意がこんなパワフルな力を発するなんて、予想もしませんでした。
自民と公明が雪崩をうって賛成した背景には何があるのか・・・
これから次第に明らかになっていくと思います。

さて、今日も少し脱線してそもそも論をいたしましょう。
そもそも、なぜ消費税率を上げなければいけないのか?
税収が足りないからですよね。
ではなぜ税収が足りないのか?
理由のひとつは経済が不況で個人の所得税や法人税が集まらないから。
高齢化社会になって社会保障費用が嵩んできたのに、
税収が落ち込むので財政がますます逼迫してきたから。
でも、無駄な公共事業をしたり、ワケのわからない公益法人を作って
役人の天下り先を増やしてきたのは
自民党政権時代からの放漫財政のせいですね。

その結果、政府の収入(歳入)が足りなくなって、
今や出費(歳出)の大半を借金(国債)で賄っています。
これじゃあ、いつか借金が返せないことが知れ渡り、
誰も新たにお金を貸して (国債を買って)くれなくなりそう。
だから、国は何とか収入(税収)を増やそうと考えるワケです。
もっとも安直な方法が値上げ(増税)ですね。

少し国家と国民の関係を分かりやすくたとえてみます。
国民はお金(税金)を払って国家からサービス(行政)を購入しています。
あるいは保険(社会保険)を掛けて、保険金(健康保険、年金)を受け取ります。
ところが、国家は様々な浪費(役人の天下り、税金の無駄遣い)をして、
支出(歳出)が収入(税収)を上回った状態が20年以上も続いたので、
借金(国債)を積み重ねてクビが回らない状態になりました。
そこで経営陣(政治家)は支出(歳出)を減らす努力をしようとしました。
正社員(役人)たちが、むさぼっている高給を削り、
不必要なまでに手厚い老後の保障(天下り)を禁止しようとしたのです。
しかし、頭のいいエリート正社員(財務官僚)は、いろいろなレトリックを使って
論理的な思考能力に乏しい経営陣(政治家)を説得しました。
「そんなことよりも、サービスの値段を上げれば(増税)いいじゃない」
そうすれば収入(税収)が増えるからすべてが解決する・・・
今までの社長(総理)は「そんなことをしたら、僕は社長を降ろされる」と
値上げ(増税)だけには首を縦に振らなかったのですが・・・・
どういうわけか野田社長(総理)は、エリート正社員(財務官僚)の説得に
妙な理解を示し「値上げ(増税)に命を掛ける」と宣言しました。

さて、命を掛けた野田君は、値上げ(増税)をまんまと成功させつつあります。
しかし・・・・本当に収入(税収)は増えるのでしょうか?
前にも書いたとおり、私の答えはNO。
消費税が3%から5%に上がったときも、今のような不況。
一気に経済の停滞をもたらして、所得税や法人税が激減。
消費税の2%増税分を上回る所得税や法人税の税収減をもたらしました。
当たり前ですよね。
経済が停滞して儲からなくなった企業は法人税を払えなくなり、
給料が下がった個人の所得税は減るわけですから。
つまり、増収のための消費税率アップは、
結局経済を停滞させて政府の減収を招いたのです。
だから、今日の消費税増税法案の可決は、日本経済自滅の第一歩です。
これは何度もここで主張している通り。
お金が足りないから単純に値上げ(増税)しようなどという発想は、
役人だからこそ出来る噴飯物の安直解決法。
民間企業なら、まず経費削減(歳出削減)やリストラ(天下り廃止)のはず。
単純な値上げ(増税)は消費者(国民)にソッポを向かれるだけ。
でも、今回はまんまと財務省の思惑通りの展開になってしまいました。
しりませんぜ、どうなっても。

私は、どちらかというと小沢君は嫌いです。
しかし、今回だけは彼の主張に筋が通っています。
民主党は「4年間消費税は上げません」といって前回総選挙に勝ちました。
そして「これを実現します」といったマニフェストなるものは
その内容のほとんどが実現していません。
やらないといったことをやり、やるといったことをやらない。
とんだペテン師集団ですね、民主党は。

先日、民主党の支持率がとうとう一桁になった世論調査を見ました。
この法案を可決しようしよまいが、民主党政権はあと1年以内。
あのあとは奇跡でも起こらない限り、彼らが与党になることはないでしょう。
消費税増税だって、次の政権が「廃止法案」を国会に出して可決成立させれば、
実際に増税することは不可能になります。
しかし、海舟の玄孫君(財務次官)たちが必死に阻止するでしょうから、
その可能性はかなり薄いのですが、ないことはありません。
橋下君のような男が政権を取れば、やってできないことはないはず。

で、ドーデもいい話ですが、小沢君はどうなるのか?
私の希望的観測では、次の総選挙で雲散霧消するのではないでしょうか。
果たして10人も戻ってこられるのかどうか。
これまたドーデもいい話なのですが、
小沢君がかつて自民党に反旗を翻したときのことを覚えています。
1993年のことです。確か、同士は40人前後でほぼ今回と同じ。
それが55年体制の崩壊をもたらし、細川政権の誕生につながりました。
しかし、あの時に新生党を結成したメンバーで、
今回小沢君と共に反対票を投じた人は何人いるのでしょう?
明日の新聞でも見れば分かるでしょうが、おそらくゼロ。
小沢君というのは、そういう具合に人望も人徳もないオッサンです。

なんかねえ・・・・今回の茶番劇は役者も二流ならシナリオも出来合い。
いまひとつ面白みに欠けますね。
いっぱつ乱闘騒ぎでも起こしてくれたほうが、よほど楽しかったのに。
日本は経済も政治も、それだけ元気さを失っているということでしょうか。

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2012/6/26 22:37 Comments (0)

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