ここのところ、せっせとマンションレポートの更新を行っています。
今は港区関係の5タイトルの内容を最新情報に基づいて改定中。
ここ数週間、港区をくまなく現地調査してきました。
よく、「そんなにたくさんの物件を見て回るのは大変でしょ」
なんていわれますが、ちっとも大丈夫。
みなさん誤解しているのは、私がモデルルームに行くと思っていること。
実は、あんなものは見る必要はぜんぜんありません。
だから、私は現地とその周辺環境を見るだけ。
モデルルームというのは、着飾って仮面を被った女性みたいなもの。
まあ「参考程度」にしかなりませんね。
そんなものよりも、図面が重要です。特に敷地配置図。
現地に立って、敷地配置図を見ればおよそその物件を理解できます。
ところが、新築マンションのHPには敷地配置図を載せていないものがあります。
そういう場合は、だいたいが「自信がないから」。
建物の配棟計画がキチンとしたマンションは、ほぼ載せていますね。
長谷工プロジェクトのように「ヒデー」という敷地配置図を
臆面もなく堂々と載せている場合もあるにはありますが・・・
ただ、HPに敷地配置図がなくとも間取り図を見ればおおよそ想像できます。
どうしても分からないときは手づるをたどって入手します。
マンション屋というのは、たいがいの場合情報管理が杜撰。
別に敷地配置図なんて秘密でもなんでもないのですが、
広告上で露出していないときは基本的にまだ「内部情報」。
でも、そんなものすぐに入手できます。
ついでのことながら「売れている」「売れていない」という情報も、
業界の情報網を駆使すればわりあい簡単に手に入ります。
まあ、いちいち調べなくてもHPを見ればおおよそ想像できます。
売れていない物件のHPには「必死さ」が出ていますから。
例えば「ザ・パークハウス晴海タワーズ」なんて、その典型ですね。
「第1期販売320戸に対して、登録申込377件!」なんて告知を
この数ヶ月間ずっと行っています。
それでいて第2期の販売はズルズルと先延ばしして、今は「要望書受付中」。
これは「第1期はそれなりに客が集まりましたが、第2期はアップアップしています」とうのを明解に表している、と私は解釈しています。
これに対して、湾岸のもう一つの注目物件「プラウドタワー東雲」は
「461戸申込登録即日完売」という表示。
今は「第3期2次」の「30戸」が販売中で、7月8日に終る予定。
多分、これも「申込登録即日完売」になるでしょう。
こちらは、晴海タワーズに比べて少し余裕があるようですが・・・
「資料請求者限定 第3期2次販売の価格表を公開しています」なんて、
妙チクリンな告知が掲載されています。
なぜ、資料請求者にしか価格を公開しないのでしょうね?
オープンに晒してしまうと、何か不都合があるのでしょうか?
私みたいな輩にチャチャ入れられるのが嫌だから?
まあ、どうでもいいことですが、こういう風にコソコソやるところは
いかにもこの売主らしい姑息さを感じさせます。
「461戸申込登録即日完売」の中身もおしてはかるべし、ですね。
今年の終わりの竣工までに、めでたく完売できるのか・・・・
マンションのHPは、そういう風に表からも裏からも読めるのです。
しかし、私のところには時々インサイダーな情報も入ってきます。
例えば、同じ湾岸でも神奈川エリアの川崎。
ここにはリヴァリエという3棟455戸のタワーマンションがあり、
1年ほど前から販売が行われています。
はっきり言って、悪くないマンションです。
支線とはいえ、駅から徒歩1分。
東京都心のタワーとさほど変わらない仕様です。
それが、伝えられるところによると、平均坪単価で180万円台。
また、「これなら、そこそこ売れるだろうな」と、誰もが予想しました。
ところが、どうやら大方の期待は裏切られてしまったようです。
完成は、来年の春先。半年ちょっとに迫っています。
ところが、3分の1も売れていない、という話が伝わってきました。
前々から「集客はまずまずだけど、契約できない」という話は聞いていました。
思うに、今「川崎駅エリア」は需給環境が悪すぎますね。
ここ数年、このクラスの大規模物件がいくつも出てきたことに加え、
周辺エリアにはオールパークスとか矢向のゴールドクレスト物件など、
市場を省みない無謀な供給が多すぎました。
いくら「川崎駅エリアには客が沸いてくる」といわれても、
これではさすがに需給関係が緩んでしまうでしょう。
そのあたりを冷静に読んで、もう少し価格を落とせば
もっとスムーズに集客できたかもしれませんね。
マンションデベロッパー業界というのは、性懲りもない連中の集まりです。
こういう無謀な事業を行って売れなくなった場合でも、
ちっとも「自分たちの事業計画が悪かった」と反省して、
計画した人間や承認した上司の責任を追求しようとしません。
そんなことよりも「販売会社が売らないのが悪い」とか
「広告代理店がしっかりしていないから客が来ない」という風に
見当違いの責任転嫁に終始します。
結局、反省しないからまた同じ過ちを繰り返します。
こんなことしていると、会社はいつか倒産しますよね。
実際、多くの専業マンションデベロッパーが20年程度で市場から消えています。
ニチモ、プロパスト、モリモト、ダイア建設、アゼル、ジョイント・・・・
数え上げればキリがありませんね。
最大手の大京でさえ、左前になって今はオリックスの子会社。
まあ、「バカは死ななきゃ直らない」マンションデベ版というべきですか。
さて、前述のリヴァリエの売主は京急電鉄と大和ハウス工業。
電鉄系やハウスメーカー系というのは、
ちょっとくらいマンション事業で失敗しても
親会社や本業があるので倒産することはありません。
そしてマンションデベならではの「反省しない体質」も立派に備えています。
リヴァリエの場合、販売代理は売主の子会社なので、
そちらに責任を押し付けるワケにはいきません。
で、どうなるかというと「広告代理店が悪い!」となっているようです。
ところが、京急電鉄の場合は朝日広告社という担当代理店と
ズブズブベッタリな関係であることは業界の常識。
かつての日商岩井と大阪読売広告社の関係みたいなもの。
それこそ、常軌を逸した「お付き合い」があると推測されます。
なのに、担当広告代理店の「朝広を変えろ」となったのは、
大和ハウス工業とのJVだからでしょうね。
さて、消費者不在の「不毛な内部騒動」を繰り返しながらも
この物件は来年の春先には完成してしまいます。
まあ、完成在庫となるのは間違いないでしょうね。
すると、やはりお決まりの「値引き販売」に突入する可能性は大。
であれば、今検討されている方も「値引きが始まるまで待とうか」と
いうことになりますね。
少しはなれますが、二子玉川の「ライズ」という大規模マンションも、
竣工後は怒涛の値引きでやっと完売が見えるところまでこぎつけました。
それはもう、初期の頃に契約した人がかわいそうなくらいです。
リヴァリエの価格は、ライズほど市場からは乖離していませんが、
これだけ需給が緩んだ状態では、値引きなしの完売は不可能に思えます。
川崎エリアのマンション市場は、ここ数年悲惨なことになりそうですね。
今度、神奈川のレポートを更新する際に、さらに詳しく調べて書きます。
さて、レポートの更新情報です。
私の市場レポートの中ではもっともボリュームのある
「東京のタワーマンション」を更新しました。
ページ数はとうとう200を超えました。物件数はちょっと増えて53。
これで、今東京23区で販売されている
ほぼすべてのタワーマンションを網羅しているはずです。
価格は9,980円。
私のレポートの中で、もっともコストパフォーマンスに優れています。
東京のタワーマンション
全53物件を解説
価格 9,980円
SEO対策のため、全物件をあげておきます。
アークヒルズ仙石山レジデンス
アトラスタワー六本木
インプレスト芝浦 エアレジデン
ウェリスタワー千代田岩本町
ヴェレーナ王子
大崎ウエストシティタワーズ
OWL TOWER
勝どきビュータワー
グランドヒルズ三軒茶屋
クレストタワー品川シーサイド
クレストプライムタワー芝
クロスエアタワー
コンシェリア西新宿TOWER’SWEST
ザ・グランアルト錦糸町
ザ・タワーレジデンス大塚
ザ・パークハウス 青砥
ザ・パークハウス 浅草橋タワーレジデンス
ザ・パークハウス三軒茶屋タワー
ザ・パークハウス新宿タワー
ザ・パークハウス晴海タワーズクロノレジデンス
ザ 湾岸タワー レックスガーデン
SAION SAKURAZAKA
THE ROPPONGI TOKYO
シティタワー赤羽テラス
シティタワー麻布十番
シティタワー有明
シティタワー上野池之端
シティタワーズ豊洲 ザ・ツイン
シティタワーズ豊洲 THE SYMBOL
シティテラス大井仙台坂ヒルトッフガーデン
(仮称)千代田富士見タワープロジェクト
パークコート麻布十番ザ タワー
パークコート赤坂 ザ タワー
パークコート六本木ヒルトップ
パークタワー高輪
パークタワー東雲
パークタワー芝公園
パークタワー渋谷本町
パークタワー滝野川パークタワー西新宿エムズポート
パークタワーグランスカイ
二子玉川ライズ タワー&レジデンス
ブリリア有明スカイタワー
Brillia 大井町 LA VIE EN TOWER
プラウドタワー東雲
プラウドタワー白金台
ブランズタワー文京小日向
マークフロントタワー曳舟
ライオンズタワー目黒川
ル・サンク大崎ウィズタワー
ルネリバースタワー東大島
ルミナリータワー池袋
ワールドシティタワーズ
[アイウエオ準順]
もし、この中で「買ってはいけない」物件だけを
お知りになりたい向きには、このようなのもあります。
買ってはいけないタワーマンション
東京都心編 26物件
価格 6,980円
「東京のタワーマンション」からダメ物件を
抽出したのが「買ってはいけないタワーマンション」です。
ですから両方読む必要はありませんので、
誤解なきよう申し添えておきます。
ところで、来週の土曜は私のセミナーです。
だいぶ席が埋まってきましたが、まだ余裕があります。
「今、どのようなマンションを買うべきか」について
じっくり語りたいと思いますので、ぜひご参加ください。
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榊淳司新著出版記念セミナー
「日本の幸せ住宅未来図 今、どのマンションを買うべきか?」
日時:7月7日(土) 午後1時30分より
場所:発明学会ビル3階セミナー室
参加費:1500円
(ただし、参加者全員に1470円相当(予定)の新著書をプレゼント)
定員:80名(定員になり次第締め切り)
お申込:下記の申込フォームに必要事項を入力の上、お申し込みください。
お申込みはこちらから
当日の予定
第1部 講演 13:30~
講演「20年後の日本の住宅風景と今買うべきマンション」
講師 榊 淳司
第2部 講演 14:40頃~15:20頃
講演「購入から売却まで、不動産取引のA to Zノウハウ」
講師 大友雅敏(㈱ベストサポート代表取締役)
不動産業界での幅広い経験と該博な知識で、
エンドユーザー側にたった不動産購入をサポート。
物件選びや購入手続きなど、法務・実務面を中心に
マンション購入に関する様々な悩みにお答えします。
今回のセミナーは参加費が1500円(コーポラティブ説明会は無料)ですが、
1470円相当の新著を参加者全員にプレゼント。
だから、セミナーに参加する方は本屋さんやアマゾンで買わずに来てください。
もちろん、いつもの通り私のレポートの割安価格販売も実施。
今回は簡易製本版ではなく、CD(PDFデータ)になりそうです。
どうぞみなさん、ふるってご参加ください。
◆同じ会場で引き続いて開催 15:30~
「新宿余丁町コーポラティブ計画」説明会(参加無料)
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会場は、前回と同じ新宿余丁町コーポラティブ計画の現地の近く。
セミナーに引き続いて、余丁町の説明会を開催します。
こちらにもぜひご参加ください。
今、「買ってもいいマンション」に出会えます。
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セミナーに参加されない方は、ぜひご購入ください。
読んで損はさせません。
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