さて、私はいかなる宗教にも帰依していないので、
クリスマスを祝ういわれは何もないのですが、
まあ一応世間に合わせてケーキやチキンを食べます。
間違っても「メリークリスマス」なんていいやしませんが。
それにしても、私はクリスマスやバレンタインデーの度に思うのですが、
日本というのはつくづく不思議な国です。
この国には1億2千万人以上の人間が住んでいますが、
その内にキリスト教徒の数は106万人だそうです。
1%にも満たない割合ですね。
そのくせ、クリスマスはかくも盛大に祝います。
キリスト教国以外で、これほどクリスマスを祝い、
バレンタインデーに騒ぎ、イースターに南瓜のお化けがでる国は
世界ひろしと雖も日本くらいのものではないでしょうか?
まさか1549年にザビエルが困難な航海の末に鹿児島にたどりついたとき、
感激のあまりにこの国を聖母マリアに捧げ、守護神を大天使ミカエルに
したから、今も日本人はクリスマスが大好き・・・なワケではないはず(笑)。
もしザビエルの意図した通りなら、日本は立派な
カトリックの国になっているはずなのですから。
しかし、この国で「キリスト教的なもの」は随分幅をきかせています。
クリスマスやバレンタインデーでのお祭り騒ぎは言うに及ばず、
学校や病院において「キリスト教系」はとても好イメージを持たれています。
東京なら立教や青山学院、関西なら同志社や関西学院。
病院なら、私の事務所の近所の聖路加、あるいはバブテスト。
この国でキリスト教がわりあい好イメージなのは、歴史もあるでしょう。
日本で、キリスト教徒はほとんど悪いことをしたことがありません。
強いて言うのなら16世紀の後半に、ポルトガルの商人たちが
日本人を奴隷として海外に売り飛ばしたことくらい。
あとは、大東亜戦争末期にアメリカが行った無差別爆撃と原爆投下。
これはナチスドイツのホロコーストに匹敵する残虐行為ですが
キリスト教を看板にしていなかったのとGHQのプロパガンダで
日本人には「悪」のイメージとして残りませんでした。
まあ、日本人は一般に宗教に鈍感ですね。
しかし、歴史を眺めるとこの国で宗教が沸騰した時期があります。
いうまでもなく、それは戦国期。
「一向宗」という、いまでいう浄土真宗の門徒たちが、
サムライの支配を覆すほどの力を示していたのです。
日蓮宗の一派も、山城の国(今の京都府南部)を一時的に支配しました。
ツラツラ眺めていても、そんなものでしょうか。
平安中期以前に、日本の仏教は隆盛を極めますが、
あれは支配層だけの話で、庶民は関係ありません。
また、最澄や空海などが活躍する平安期以前の仏教を、
今のイメージで捉えない方がいいでしょう。
特に奈良期以前の仏教は、人間の魂を救済するというよりも
支配層の教養や哲学的思考の補助となる役割の方が大きかったと思います。
さて、現在の日本を眺めると、宗教という存在が小さくありません。
クリスマスを盛大に騒いでいる連中のことを言っているわけではなく、
わりあいまともな信仰を持った人々もけっこういるものです。
ところで、日本で最大の宗教集団は何だと思いますか?
多分、形式的な門徒の数なら浄土真宗でしょう。
あるいは、神道かもしれませんね。
私の実家は浄土真宗ですし、
今の自宅には神式の霊璽祠を置いています。
そういう意味では、私も真宗門徒であり、神道の信者です。
時々、靖国神社や寒川神社にお参りしたりします。
また、訪れた土地土地でよさげな神社を見つけると、お参りします。
しかし、神道に対して何ほどかの宗教心があるかというと、ほぼゼロ。
手を合わせると、家族の健康と平安を願いますが、その程度。
しかし、そういうのは信仰とは言い難いですね。
でも・・ホラ、日本にもあるじゃないですか、スゴイ宗教の団体が。
そうです・・・ほかならぬ「創価学会」ですよ。
誤解のないように申し上げておきますが、
私は「反創価学会」というほど、彼らに敵対心を持っていません。
ただ、親族が無理やり入会させられて、脱会させるのに
やや骨を折った経験はあります。
強いて言うのなら、違和感は十分に抱いています。
さて、ちょっと前に総選挙がありましたね。
比例代表選挙で、公明党が獲得した票は合計711万以上になりました。
前回2009年の衆議院選挙では805万票でした。
公明党に投票する人の98%以上は創価学会員でしょう。
前回と今回で100万近く票数が違う原因はよくわかりません。
でも、ここでは仮にその中間の750万人を学会員と仮定しましょう。
日本には1億2000万人強の人がいるので、
750万人というのは全体の約6.25%にあたります。
選挙権のない未成年者も含めると6.6%近くになりそうですね。
日本人のうち約15人に一人が創価学会員なのです!
きっといますよ、あなたの周辺にもウジャウジャと(笑)。
かつて、日本の歴史でこれほど広範囲かつ大規模に
熱心な信者を擁した宗教団体は存在しません。
戦国期の一向宗ですら、今の創価学会に及ばないでしょう。
まず、そのことを十分に認識すべきです。
次に、この団体は信仰のみに満足するのではなく、
外郭団体に政党をもち、それが一定の勢力を有しています。
その公明党というのは、どういう政党なのか?
かつて、私にも「公明党に入れて」という学会の方がいたので
「公明党って、学会と池田を守る以外に何か目的があるの?」と
実に直截に聞いてみたことがあります。
その場で納得する答えは得られませんでしたが
「ホームページを見てくれ」ということなので
この原稿を書く前に覗いて見ました、公明党のHP。
政党にとってのアイデンティティは「綱領」と呼ばれるもの。
その政党が何をめざして活動しているのかを表します。
民主党は、結成されて以来この「綱領」を持たないので
一部のマスメディアから、党員は当選することだけが目的の
「選挙互助会」と揶揄されました。そして、遂に大敗北。
さて、公明党のHPに出ていた綱領は・・・・
第一項目を読んだだけで、ちょっと気持ち枠なりました。
一、〈生命・生活・生存〉の人間主義
「公明党」は、〈生命・生活・生存〉を最大に尊重する人間主義を貫き、人間・人類の幸福追求を目的とする、開かれた国民政党です。(中略)いかなる主義・主張であれ、機構や制度、科学や経済であれ、それらはすべて人間に奉仕すベきです。
これを読んで、すぐに思い浮かべたのが北朝鮮の主体思想。
朝鮮日報の解説には、以下のような一節があります。
人間があらゆるものの主人でありすべてを決定する、つまり自己の運命の主人は自分自身であり、それを切り開く力も自分自身にあるという哲学原理に支えられている。
このふたつ、なんか似ていませんか?
池田大作先生をチョーセン人だなんて罵るつもりは毛頭ありませんが、
金日成とどことなく風貌が似ている専制独裁者であるところは同じ。
池田センセイは軍隊こそ持っていませんが、北の主席よりはるかにお金持ち。
マスゲームなんてやらせるところが、何か似ていますよねー(笑)。
まあ、学会も公明党も人畜無害なら「勝手にやってください」レベル。
私は何も文句は言わないし、みなさんも恐れることはありません。
ただ、私が懸念するのは、公明党という政党は
まともな国家観をもたないのにもかかわらず、
この国で政治的な存在感を示そうとしていることです。
あの党のその他の綱領を読んでいても、何の国家観も感じません。
ただ、キレイごとを並べているだけ。
まあ、もともと政党を作った目的が、
「国家権力から学会と池田会長を守る」ということなのでしょう。
少数勢力しか持たないのなら、それでもOKです。
民主主義という欠陥だらけのシステムが生んだ灰汁みたいなもの。
ところが、衆議院に31議席も持っています。
支那と独自のパイプがあり、尖閣を「穏便」に済まそうと考えています。
安倍総理の靖国参拝にもいい顔をしないでしょう。
さらに、社民党並みに無責任な「平和」を唱えています。
ちょっと「困った存在」になっていますね。
繰り返しますが、私はこの団体と政党に満腔の悪意は持っていません。
ただ、この政党が多くの議席を持つことは、
日本の未来を由々しくする可能性が高いと思います。
2009年の総選挙で、この党がとった小選挙区の得票は約78万3千。
獲得議席数はゼロ。今回は約88万6千票。約10万票、増えました。
それで、獲得議席数は9。候補者を立てた選挙区で全勝です。
もし、投票率が戦後最低ではなく、戦後最高水準だったら、
自民党や民主党、維新の議席はあまり変わらなくても
公明党と共産党は惨敗したはずです。
多分、社民なんて議席ゼロになったと思います。
未来も、3,4議席で終わった可能性が高いですね。
つまり、「由々しき未来」を避けるためには、
みんなキチンと選挙に行くべきです。
もっとも、その前にいろいろと情報を集めて
自分なりに冷静な判断を行うべきではありますが。
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