私は生まれから学校を出るまで、京都に住んでいました。
「京都生まれ、京都育ち」。それも、市内です。
でも、京都人というのは寅さんみたいに
「生まれも育ちも葛飾柴又・・・」みたいに
「ウチは京都人どすえ」などと、誰も自慢しません。
なぜでしょう?
京都生まれ・・・ということで、東京に住んでから随分トクをしました。
それも、主に飲み席です。
「どこの出身?」という話になるのは、
だいたいが話題に行き詰った時ですよね。
それで「・・県」というと「へえ、そう」でだいたいがスルーですが
「京都です」というと、「へえ・・・京都のどこ?」となります。
それでもって「市内です」というと「市内のどの辺?」。
みんな最低1回くらいは京都に行っているので
市内の地理にさして詳しくない人でもそう尋ねてくれます。
そこで私はその辺にある長方形のものを地図にして説明します。
「京都駅は下のほうで、この辺が四条川原町、その横が祇園、
御所が真ん中のこの辺、その北に同志社があって、
東隣はドーデもいいけど僕の行った鴨沂高校、
そいで、もうちょっとこっちに行くと京都大学があって、この辺が銀閣寺、
金閣寺はその反対のこっち側ですよ・・・」
地理の次は、たいてい人類学。
「あのさ・・・京都の人にお茶漬けを勧められても、食べちゃいけないってホント?」
こういう質問に面白おかしく答えていくと、結構場持ちします。
まあ、そういう時は主に、
「京都人がいかに食えない奴らか」
ということをテーマにお話しすることにしています。
なぜなら、意外性があるのでみんな聞いてくれるから。
榊においしいお酒を飲ませてくれる方には
とことんこのお話をして差し上げますので、どうぞお申し出ください。
でも今日は、京都人から見て、どうにも理解しがたい
「東京の住人(地方出身者も含めて)の不思議なところ」
について、少しだけ書いてみましょう。
それを一言でいうなら
「どーして、東京の人はすぐにエラそうにするの?」
ということ。
「お金が儲かった」
「業績を上げた」
「出世した」
「お前の上司だ」
「お前に仕事を出してやる」
こういう場合、東京の人って、
傍目にも分かるくらいエラそうになります。
特に不動産業界の人はそうですね。
まあ、分かりやすくていいといえばいいのですが(笑)。
榊も東京に住んでから、幾分その気分を身につけました(汗)。
京都人は、なるべく他人から
「エラそうにしていない」
と見られるように、最大限の努力を払います。
少なくとも、私は両親からそう教え込まれましたし
まわりの人間もそうだったと思えます。
だから、京都の大人社会では無闇とエラそうにしている奴は
絶無とはいいませんが、東京に比べてかなり少ないはずです。
なぜなのか?
京都人社会においては、
「エラそうにしている奴=アホ」
というのが、暗黙の了解なのです。
これは、日本中どこでも少なからずあることですが、
京都は取り分けキツイと思います。
「あん人、ここのとこ大層はぶりがよろしおすなあ。ほんにうらやましおすわ」
そんなことを言われているのは、疎まれている証拠です。
これを東京風に翻訳すると
「エラそうにしてんじゃねえよ、いずれ痛い目にあわせてやるぞ」
ということなのです。
京都人の発する言葉には、ほぼ裏があるので、
会話の途中でまったく気を抜くことができません。
そういった意味では、本当に「食えない奴ら」です。
まあ、それはおいておいて・・・
そんな風に「エラそうにしている」と思われてしまったら大変!
勢いのあるうちは表面上チヤホヤしてくれますが、
落ち目になった時にこっぴどくやっつけられます。
もうそれは・・・ぐーの音もでないどころか、コミュニティから抹殺同然に。
小さな社会ですから、一度落ちぶれると再起はかなり困難。
その点、東京はチャンスの多い街です。
一度落ちぶれた不動産屋が復活するケースは結構多いですね。
京都では、例えば子供が何かで優勝や一番になるとかして
喜んで学校から家に帰って来た時でも、親は一言誉めた後に
「せやけどお前、絶対にエラそうにすなよ!」
このことを何度も何度もキツーくいわれるのです。
京都人というのは、誰かがエラそうにできる機会を得た時
「あいつ、エラそうにしよるかなあ?」
と、ひそかに注視しているのです。
そこで調子よくエラそうにでもしようものなら
「やっぱりあいつ、アホや。これはたいしたことないわ」
と、心の中でほくそ笑むのです。
いやーな連中ですね。
でも、そういう京都人の社会に育った人間からすると
東京の人は、なぜこんなにカンタンにエラそうにするのかいな・・・
と、かなり不思議であり、カルチャーショックを受けます。
考えて見れば、京都という町は
他所から来た人間が「一時的」に支配して、
さんざんエラそうにしたその後で、
落ちぶれて去っていくことの連続でした。
古くは平清盛、木曽義仲、源義経、足利尊氏、
三好一族、松永弾正、織田信長、明智光秀、豊臣秀吉・・・
数え上げればキリがありません。
「位打ち」といって、早く落ちぶれて欲しい人間には
どんどん高い官位を与えてエラそうにさせました。
その方が、早く落ちぶれていなくなるからです。
人間には栄枯盛衰があり、盛者は必衰するのを
舞台で芝居を見るように眺めてきたのが京都人。
いっとき調子がいいからといって「エラそうに」にするのが
如何に愚かなことかを一番良く知っているのでしょう。
昨今の私の周りの人々の因果応報を見ていると
ふと京都人のこの特性を思い出してしまいました。
さて、話をマンションに戻すと、
そういう京都やそのお隣の滋賀には
販売不振に悩む大規模物件がたくさんあります。
8月にそれらをまとめて
「買ってはいけない大規模マンション近畿編 18物件」
というのを出したのですが、
4ヶ月経ったのでメンテナンスしようと思ったら
まだ17物件もそのまま販売を続けていました。
それで、調べてみると・・・・あるわあるわ!
懲りないマンションデベが「買ってはいけない」と思える
大規模マンションをたくさん出していました。
そこで、新たに第2弾を出すことにしました。
お値段は、12物件なので
ちょっと安めに設定して1,590円
雑誌を4,5冊買ったと思ってお読みください。
それくらいの価値はあると思います。
今回の特徴は、京都に滋賀が多いこと。
ちなみに、第1弾は兵庫が多かったですね。
もちろん、1も2も主力は大阪ですが。
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