昨日、デベ業界の勘所を押さえている友人に電話で取材。
やはり、不動産関係は「バブルの始まり」といえる状態ですね。
お金が不動産セクターに流れ込む動きが本格化しています。
さあ、どうなるのか? ドキドキします。
1990年に終焉した「平成バブル」と、ちょっと似た構造です。
あの時は大金融緩和の「過剰流動性(お金)」が主役でした。
今回も、流れ込んでいるお金の元は今のところ「株高」。
しかし、あすの日銀政策決定でさらなる「金融緩和」が打ち出されると
前回書いた通り銀行が「金余り状態」に陥ります。
それで一気にリスク資産(株や不動産)に流れ込んでくる可能性が大。
困ったことに、これはバブルでしかありません。
望ましいのは、個人所得が増えて実需が生み出されること。
砕いて言うと、みなさんの給料が増えてモノをたくさん買える状態。
買っていただく中に、マンションも入ればなおよし・・なのですが、
実態としてはまず不動産の価格上昇が先行してしまいます。
みなさんの給料が増えるためには、「企業業績の回復」が不可欠。
つまり、自分の会社が儲からなければいけないのです。
前期(2013年3月決算)で業績が回復している企業は僅か。
今期(2014年4月決算期)は、かなりの企業が業績を好転させそうです。
それがみなさんの給料に反映されるのは、
早くて冬のボーナスからではないでしょうか。
その頃には、もうはっきりとマンション価格は上がっています。
先の友人の話では、土地や建築費の高騰によって
「半年先に売り出されるマンションの価格は確実に上昇している」
ということでした。
建築費はここのところ震災前の3割高水準。
土地は都心がやや高騰気味、郊外は相変わらず下落基調。
ただ、建築費が戸あたり2000万円に達しそうな勢いですから
販売価格に転嫁せざるを得ない状態。つまり、価格の上昇。
ただ「かといってそれで売れるかどうかは別問題」。
これは私も同じ見解です。
前回書いた通り、デベさんはそれでもやらざるを得ないのです。
「賢い人は今あるものを買っている」状態でもあるそうです。
半年先に売り出される物件は「今より高い」ことが確実ですから
今あるモノを買っておく方が有利、というワケです。
しかし、これでは半歩先しか読んでいません。
今回、この「不動産ブーム(ニッセイ基礎研究所・松村氏のワード)」が
バブルだとすれば、いつかは弾けます。
私は先に書いたように来年4月の消費税増税が大きなヤマ場と踏んでいます。
足元を見れば、日本の少子高齢化、人口減少は着実に進んでいます。
つまり、住宅を含めた不動産への実際の需要が
この先中長期的に増えることは、まず考えられないのです
このミニミニバブルが弾けると、再び下落基調に戻るでしょう。
ただし、アベノミックスによる「インフレ策」が過度に成功して、
本物のインフレがやってくると話は別です。
世の中のインフレに則して住宅の価格も上昇するはずですから。
実は、マンションデベの業界人たちも「おっかなビックリ」状態。
2006年から2008年に起きたミニバブルの記憶が生々しいからです。
あの時、勢い込んで高値で用地を仕込み過ぎた企業の大半が倒産。
高く買って高く売ろうとしても、実需がついてこなかったから。
売るに売れなくて・・・オリックスなんて、
今も簿価の高い用地を大量に抱えているそうです。
実際、個人所得は年々細っています。
また、マンションを購入する実需層も徐々に減少し始めています。
それに対して、中古マンションの潜在供給量は増えるばかり。
賃貸住宅の空室率もいっこう改善される気配を見せません。
さらに、住宅ローンが無理なく組める正規雇用者も減っています。
少々のバブルがやって来たからといって、この基本構造は変わりません。
ただ、個人所得だけは景気回復で少し改善される可能性がありますが。
本日、株価が急回復しました。
私は年内の早い時期に株価15000円、円対ドル100円を予測しています。
まあ、素人の目測ですからいい加減なものです。
ただ、明日の日銀政策決定と、26日の二回目決定。
ここが今回のミニミニバブルの第2ラウンドかとみています。
しかし・・・EUの金融危機や北朝鮮の暴発、尖閣での武力衝突など、
不安定化要因もチラホラ見えているのが前回との大きな違い。
業界内も今のところイケイケドンドン一色ではないですし・・
前回ミニバブルよりもやや複雑ですね、この状況は。
これから不動産はどうなるのか? 私と一緒に考えてみませんか?
榊マンション市場研究所・春の不動産セミナー
「アベノミックス後のマンション購入は?」
日時:2013年4月20日(土) 午後1時15分より(午後1時開場)
場 所:ルーテル市谷センター 第1・第2会議室
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