災難というのは、いつも思わぬところからやってきます。
今回は、なんと世界のリーダーであるアメリカ。
オバマ大統領と共和党支配の下院が対立して、
暫定予算と債務上限引き上げ問題が紛糾して
最悪の場合は17日以降のデフォルトがあり得ます。
私の理解するところをカンタンに書いておきます。
まず、アメリカには上院と下院という2つの議会があります。
日本でいうと衆議院と参議院のようなものですが、
決定的に違うところは、アメリカの場合は両院が同等であること。
日本なら、予算案は衆議院で可決されればOKなのですが、
アメリカでは上下両院で承認されなければいけません。
現在、下院で優勢な共和党が大統領案に対してゴネ倒している状態。
ちょっと前まで日本でもあった「ねじれ」状態なのです。
日本では上院、下院というと上院の方がエライ、というイメージですね。
実際、大統領になるのは上院議員か州知事が多いようです。
オバマ氏も上院議員出身ですね。
でも、下院だって別に「下」の扱いではないのですよ。
その昔、議会の建物の下階あったというだけのこと。
定員は435名で、人口によって配分されます。
日本の衆議院議員よりも少ないですね。人口は倍以上なのに。
例えば、大統領が死亡したり執務できなくなった場合の継承順位。
ご存じの通り第1位は副大統領(上院議長兼務)です。
でも、第2位は下院議長なのです。第3位は上院仮議長。
けっして低くないでしょ、下院のポジションって。
アメリカ合衆国において、最も民意を反映しているのも下院です。
なぜなら、2年毎の選挙で全員が選ばれます。解散はなし。
日本の衆議院は、最長で4年の任期。参議院は6年。
ちなみに、アメリカの上院は各州2名ずつで任期6年。
2年ごとに3分の一ずつが改選されます。
ノースダコタ州からもカリフォルニア州からも2名ずつ。
日本みたいに1票の格差はかなりありそうですね(笑)。
一方、下院議員は年中選挙のことを考えています。
だって、2年毎に全員が改選です。そして来年はその中間選挙。
共和党の下院議員は民主党出身であるオバマ大統領を相手に
ポイントを稼ぎたいのでしょう。
まあ、こんなことをやっていると足元の経済が悪くなることは必定。
予算の執行停止によってアメリカ経済は減速する可能性が高くなります。
日本経済は、アメリカ経済の下流にあると言っていいでしょう。
アメリカ人たちがたくさん日本の製品を買ってくれている時には、
こちらの経済も好循環でよくなります。
つまり、アメリカの政治混乱と経済減速はドル安・円高要因。
最近の国内株式市場は、かなり円ドル相場に左右されています。
円が高くなると日経平均が安くなる流れ。
円高が進むと日本経済を失速させる恐れを生じさせます。
安倍君は先日の発表で消費税増税と企業の法人税減税をセットにしました。
消費税の増税は貧富の差に関係なく負担を求めるもの。
法人税を減税しても、それがボーナスや昇給の原資になるとは限りません。
つまり法人税を多少減税しても、個人所得と個人消費に関しては
今回の増税に立ち向ける材料にはならないのです。
一方、アメリカ経済の減速は先日話題になったQE3の縮小を
さらに遅らせる要因になるはずです。
ということは、ドル安要因。アメリカの長期金利は低下。株価は堅調。
その循環のひとつとして資源価格は伸び悩むと、
日本はデフレ脱却の弾みを失うでしょう。
このあたりの相関関係は微妙。
すべて「風が吹けば桶屋が・・」式には結び付きません。
ただ、私はどうも日本のデフレ脱却はアメリカ経済の減速で
ちょっと怪しくなってきたように思えます。
足元のマンション市場はどうでしょう?
五輪開催決定の「お祭り」はひとまず終わった気配を感じます。
株価も冴えません。長期金利は下落基調。
いろいろ説明できないことが多いのですが、
ミニミニバブルは、そろそろ盛りを過ぎたように思えます。
この土日と来週の3連休、各モデルルームの集客状況はどうなるのか?
五輪が決まって約1か月。冷め具合が気になるところ。
私のところに接触してくるメディア関係者も、
「冷めた視点」を求めてくることが多くなりました。
もっとも、私はもともと「冷静さ」と「客観評価」がウリですが(笑)。
夕刊フジの公式サイト zakzak
に榊淳司の連載コーナーが設置されています。
どうぞ、みなさん寄って行ってください。
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