問題というものは、「問題だ」と考えた時点で問題になります。
例えば、太った人が「俺はデブだ。どうしよう?」と悩み始めた時点で
初めてそれが自身の問題になるわけです。
まわりから見ていると、他人がデブだろうがチビだろうが関係ありません。
その人が、自分の結婚相手にふさわしいかどうかを
判断しなければならない立場にある場合は別ですが。
ただ仕事の相手がデブだと、私は多少警戒します。
「この人は自己抑制が効かない人かもしれない」
でも、その程度です。
食い物に対して抑制が働かなくても、仕事上キッチリしていれば問題なし。
さて、この「問題であるかないか」は個人でも社会でも同じです。
社会の場合、どれだけ多くの人が「これは問題だ」と考えるかに寄ります。
最も分かりやすいのは、日本国債を巡る「問題」。
年収400万円の人間が1億円の借金をしているようなもの。
絶対に返済できないからこれは大きな問題だ!
そう思う人が日本人の何割かに達し、
国債保有残高の多い銀行から預金を下ろし始めたら、金融パニックです。
でも、そんなことにはなりません。
なぜかというと、多くの人は「己の見たいものしか見ない」からです。
誰だって金融パニックなんか起こって欲しくありません。
だから「日本国債は大丈夫ですよ」と唱える
政府寄りのエコノミストのコメントにはフムフムとうなづき、
「数年後に日本は破綻する」と警鐘を鳴らす過激な主張には、
「まさかそんなことはないだろう」と、目をそらすのです。
でも、「いつか破綻する」という問題の本質は変わりません。
このように誰もが起こって欲しと思わない問題は、
ギリギリまで顕在化しません。
これは人間社会の法則です。
しかし、多くの問題にはその本質があります。
その本質が誤魔化しきれなくなった時に、
その問題はにわかに多くの人の目にさらされます。
そして、起こるべきことが起こるのです。
バブルがそうですね。
「いくらなんでもこれは高すぎるよ」
株でもマンションでも、バブルの渦中にある時は
みんな心の裏側ではそう考えています。
でも、それをバブルとは認めたがらないのです。
「これにはきっと何かの理由があるのだ」
「もっと景気がよくなるから、値上がりしているのだ」
人は、自分の信じたいものを信じる理由を探すのは上手。
例えば、マンションを購入しようとしている人は、
「今買うのは高値掴みなる」なんて考えません。
というか、考えたくないから考えないのです。
「今買わなければ、もっと高くなって買えなくなる」
そう思い込みたいのです。でないと決められないのです。
そして、その恐怖心を営業マンのセールストークが助長します。
「当社で計画している秋販売の物件は、これより2割程度高くなる予定です」
これってもう、宅建業法違反すれすれ(笑)。
でも、それで多くの人が背中を押されて契約してしまうのです。
で、今がバブルの絶頂期かというと・・・・
そんなこと、私は知りません。知っているのは神様だけ。
今まで「今がバブルの絶頂期です。売ってください」といって、
的中させたエコノミストって、いましたか?
それに、私はエコノミストですらありません。
でも、こと都心のマンションに関して今はバブルの何合目かである
ことは確かだと思っています。
それが5合目なのか頂上なのかは
崩壊して1年くらいたたないと分かりません。
また、バブルがバブルでなくなる可能性も、ほんのわずかにあります。
景気がよくなって個人所得の伸びがマンションの値上がりに追いつくのです。
まあ、可能性としては2%以下ではないかと思います。
もう少し狭い範囲の「問題」をもうひとつ。
東京の晴海というところは、オリンピックの選手村が出来ます。
そうでなくても、今後のこのエリアの供給予定は1万5千戸だそうです。
まあ、普通に考えれば明らかな供給過剰です。
これは、暴落の可能性を含んだ「問題」だ、と考えて
書いたり話したりする人は、いまのところ私も含めてごく少数派。
マンションを売る企業も買う消費者も、そうは考えたくありません。
晴海のマンション価格が暴落すれば、どちらにとっても良くありません。
もう一度いいましょう。「人は自分の見たいものしか見ない」。
これって、ユリウス・カエサルの言葉です。ガリア戦記。
でも、実際には十分「暴落」の可能性があります。
前回のミニバブルが始まる直前に売り出された勝どき駅徒歩6分の
「ザ・トーキョー・タワーズ」というタワーマンションは
坪単価の平均が205万円くらいでした。
今、勝どき駅徒歩12分の「ザ・パークハウス晴海タワーズ」は
平均坪単価が275万円と言われています。
「ザ・トーキョー・タワーズ」の新築販売価格の水準を基準に
「ザ・パークハウス晴海タワーズ」を評価すると
坪単価180万円くらいになるでしょうか。
仮に「ザ・パークハウス晴海タワーズ」の資産価値がそこまで下がると
35%の下落になります。これはもう、「暴落」と言っていいでしょう。
「オリンピックが来るから、そんなことはあり得ない」
「2005年の勝どきと2020年の勝どきは全く違う街だ」
「勝どきと晴海は高級・高層住宅街に生まれ変わる」
とまあ、反論はいくらでもできます。
また、それぞれに説得力はあります。
でも、未来は神様にしかわかりません。
実は、私は「晴海・勝どきは東京の中でもっとも成長性の高いエリア」
ということを去年の春ごろからずっと言ってきました。
「清澄通り沿いの不動産は値上がりする」とも。
そのことと、供給過剰になったタワーマンションの
資産価値がいつかは暴落するという予測は、特に矛盾しません。
成長エリアであることも、清澄通り沿いの不動産の価格が
今後数年間上昇することも、ほぼ確実ではないでしょうか。
その後で、供給過剰かつ実力値以上で販売されたタワーマンションは、
立地条件の弱い物件から価格が下がっていくはずです。
ただ、それが始まるのは多分オリンピック後の7年先かと思います。
この「問題」は、今のところまったく「問題になっていない」状態。
現時点で騒いでも仕方がないといえば仕方がないですね。
まあ、何年か先に「問題」になる事象を、今せっせと準備している段階。
問題に気づいた人は、慎重に物件を選ぶはずです。
ちょっと話を変えましょう。今の「問題」です。
東京都の知事選挙が行われています。
何とも間の抜けた選挙になっています。
老いたバカ殿は「原発問題」を争点にしようとしています。
ところが、多くの都民は原発を「問題」とは思っていません。
考えてみれば、当たり前の話。東京には原発がありません。
また、東京都の知事が「原発をゼロ」にする権限もありません。
東京電力の大株主として「原発ヤメロ」とプレッシャーを
掛けることくらいしかできないのではないでしょうか。
アホみたいな話です。
それに原発反対派というのは、山本太郎みたいおバカさんだと
多くの東京都民は気付き始めています。
あまりにも「問題」にならない選挙。
私は、将来「問題」が起こった時に軍隊式の合理主義で
最も適切に対応してくれそうな田母神俊雄氏を応援します。
レポートの更新情報です
神奈川エリアに多くの新規大規模物件が出てきました。
野村不動産の鶴間と茅ヶ崎のオハナは要注意ですね。
川崎エリアがちょっと熱いですね。
パークタワー新川崎はなかなか好条件です。
それやこれや、盛り込んだレポートです。
神奈川の大規模マンション
全解説30物件
価格 5,890円
■(仮称)野村の鶴間計画【OHANA】,■オハナ茅ヶ崎ガーデニア,■プラウドシティ新川崎,■パークタワー新川崎,■ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン,■(仮称)カワサキミライク-川崎未来区-,■オーベルグランディオ横浜鶴見,■オーシャンステイツ湘南平塚 グランフィールド,■カワサキアイランドスイート,■グリーンシア川崎京町,■クレストシティアクアグランデ,■ココテラス横濱戸塚ヒルトップ,■ザ・タワー横須賀中央,■ザ・パークハウス 追浜,■ザ・ミレナリータワーズ,■サンクタスシティ長津田みなみ台レジデンス,■シティタワー武蔵小杉,■ドレッセ鷺沼の杜,■ドレッセ二子新地,■ヒルコートテラス横浜汐見台,■プラウドシティ淵野辺,■ブランズシティ淵野辺,■ブリージアテラス淵野辺,■Brillia City横浜磯子,■ミソラシア横浜桜ヶ丘」(YOKOHAMA ミソラの森プロジェクト),■ユードリーム横濱戸塚,■ライオンズ港北ニュータウンローレルコート,■リヴァリエ,■ルネ追浜,■ロイヤルタワー横濱鶴見,以上の30物件を収録
ブログよりも過激な発言をお求めの場合は
私のツイッターをご覧ください。
twitter.com/SAKAKIATS
夕刊フジの公式サイト zakzak
に榊淳司の連載コーナーが設置されています。
榊さま。
陽気に誘われて、今日、
千円床屋へ行って来ました。
月曜の午後、5人待ち。
えらい混んでましたわ。
いつもは1人待ちが、せいぜいなのに。
そのあと、歯医者受診。
奥歯にカブセモノをすると言うので、
良いものであれば保険外の材質でも、
と私から言うと、
保険のきくもので十分、
と先生、キッパリ。
名医かどうかは分かりませんが、
ゼニ儲けだけの医者ではない、
と見た。
この先生、
薬学部を出て、そのあと某国立大歯学部へ。
事情は聞いてませんが、
ゆうに六〇を超えたと見える、オトコ。
一途なものを、お持ちなのでしょうか。
市井の小話でした。
ごきげんよう。
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