いつもの「まろたん」さんからコメントをいただいているので、
今日の更新はそれにお答えすることにいたします。
まろたんさから前回の更新へいただいたご質問の
最後のところをペーストしておきます。
榊さま。
昨今のニッポン国の経済状況を観察されて、
率直に、どのように思われますか?
差し支えなければ、コメントして下さい。
何度かこのブログで書いたことを繰り返すことになる部分も多いかと思います。
何よりも、日本という国はこれから
よほどのことがない限り経済成長をしません。
生産年齢人口の数が毎年100万人以上も減っていく時代に、
GDPをかさ上げしようと思えばよほどの生産効率向上が必要。
ところが、日本人は生産現場ではそれが得意だけれども、
その他の職場ではいたって苦手。
ダラダラと会議を続け、ホーレンソーなどという手続きを賛美する。
はたまたサービス残業を強いても平気な経営体質。
そういうスタイルを改善しない限り、効率は上がりません。
アベノミクスは、最終的に経済成長をめざしています。
だから、どこかで息切れするでしょう。考え方を変えるべきです。
経済成長をしなくても国民が幸せになる方法です。
そんなこと、私の世界史知識の中には例がありません。
数百万人の国では可能かもしれませんが1億人以上の、
勤勉だけれども合理的な発想が苦手な国民性の国では特に。
次に、世界史上最悪とも言える財政状況。
GDPの2倍以上もの負債を抱えて、
のうのうとしている国がかつてあったでしょうか?
今の日本がそれです。なのに、誰も危機を叫びません。
国債も暴落しません。しかも低金利。不思議です。
その理由は、国債の大半が日本国内の所有だから。
一番は日本銀行だというニュースが報道されていました。
あとは、金融機関。銀行や保険会社、証券会社。
国民も銀行預金を通して国債を保有しています。
これは、よほどのインフレにでもならない限り
政府が返済することは不可能。いつかは破綻します。
インフレ以外の対処法は、デフォルト。
政府が日銀保有分の国債のみにデフォルトを宣言することですね。
あるいは、日銀が保有する国債の債権を放棄する。
そういう禁じ手をやるしかない状況です。
3番目の問題は、ひとつめと絡みますが人口減と少子高齢化。
ジジババの国家となることで、社会から急速に活気が失われています。
シャッター商店街や郊外ニュータウンの「廃墟化」が進んでいます。
これを逆流させることも、ほぼ不可能です。
高齢化社会は莫大な介護ニーズを発生させます。
ただでさえ人手不足なのに、多くの若年労働者がそちらに吸収されます。
これって、後ろ向きの消費ですね。
高齢者はなんら生産物を生み出しません。
彼らを生かすために労働力を費やすことでも、何も生みません。
ファシズム的に考えれば、「75歳以上は死んでよし」となります。
ヒットラーが今の日本の総統であったら、
そういうルールを作るかもしれません。
ファシズムとは、合理主義を非人間的に徹底させますから。
もちろん、そんな方法には200%賛成できません。
最後に、これは始まったばかりですが深刻な問題。
日本は慢性的な経常収支が赤字の国になりつつあります。
その原因は「サイカドーハンターイ」と叫ぶアホどもが作りだしています。
原発を回さないで、火力発電に頼るために大量の燃料輸入が必要。
電気料金も高くなって現在の競争力を削ぎます。
今は貯金で凌いでいますが、そのうち深刻な問題となるでしょう。
整理しましょう。
1 経済成長しない社会
2 世界史上最悪の財政
3 経済の足を引っ張る少子高齢化
4 経常収支の赤字
この4つが、今の日本経済の大問題。
4つ目以外はいずれも、うまい解決策はありません。
我々は、あと何十年もこれにつき合わされます。
私なんか、死ぬまでそうだと思っています。
中国人や韓国人は、スキあらば自分の国から逃げ出そうとしているそうです。
実際、その能力と経済力のある人間はそうしています。
実は日本でも、英語が話せて資産のある人間は逃げ出しています。
ただ、その比率となると中国や韓国に比べて恐ろしく僅少。
だいたい、日本人にとって日本ほど安全で心地よい国はありませんから。
今、日本は少し景気が良くなっています。
多くの企業で業績が回復しました。
今年あたりは、個人所得も少し増えるかもしれません。
都心や城南のマンションもよく売れています。
ただこれは、アベノミクスの金融・財政政策の賜物。
先日出てきた「成長戦略」にたいしたものはありませんでした。
安倍政権が誕生して、はや1年半です。
1年半かけても、あんな成長戦略しか出せていません。
集団的自衛権でやいのやいのと言っていますが、
あんなものは私に言わせれば枝葉末節。
中国との軍事衝突が起これば、首相の決断で解釈を変更すればいいだけ。
そういうことにエネルギーを費やすよりも、
本当の「成長戦略」を考えるべきではないですか?
良くも悪くも、日本経済が成長しないのは人口が減っているからです。
若い人が安心して結婚し、子どもを生む社会を導くべきです。
高齢者対策と同じくらい、待機児童対策に取り組むべきでしょう。
高齢者を保育園に採用すれば、同時に解決できませんか?
何度も書いていますが、安心して子どもを産んで育てるには、
住宅問題と教育問題の改善が不可欠です。
多分、住宅問題はあと20年で自然解決します。
家賃も流通価格も劇的に安くなるはずですから。
私は教育問題のほうが深刻だと思っています。
そして結局、教育問題は公立学校のクオリティに行きつきます。
学校の教師が世間であまり尊敬されない職業となり、
人生のリスクばかりが目立つというのはよくありませんね。
そのせいかどうか、レベルも落ちている気がします。
知識・教養ではなくて、人格的なレベルです。
これには、うまい解決策はありません。
ヒットラー的にやるのなら、日教組の非合法化でしょうか。
こちらには心情的に動かされますね(笑)。
まあ、今の憲法じゃ無理ですが。
今の日本は年収が1000万円でも、2000万円でも、
たとえ3000万円でも子育てには十分ではありません。
でも、大半のサラリーマンは年収800万円未満。
そして、どんどん低収入化が進んでいるように思えます。
そういう意味で若者は未来に希望を抱けません。
そこのところも大きな問題。
さて、目先のことを考えれば、日本経済には不安がいっぱい。
その第一は、なによりも中国ですね。
不動産バブルの崩壊は、今度こそ本当になりそう。
サブプライム問題がリーマンショックを引き起こしたように、
中国のバブル崩壊は世界の金融に予想しがたい影響を与えます。
また、中国と日本、あるいはベトナムやフィリピンとの軍事衝突も、
日本経済には大きなマイナスの影響をもたらします。
困ったことに、そのどちらもがいかにも起こりそうです。
もし、その2つがどちらも起こらなければ、
来年10月の消費税増税までは今のような「表向き」の
好景気が続くのではないかと思います。
ただ4,5,6月の第2四半期の景気は減速している可能性もあり
あまり油断はできませんが。
私の今の日本経済に対する感想は以上のようなものです。
ちなみに、私は経済学をきちんと学んだ経験はありません。
長年、自分の眼と考え方で眺めてきた経験値で書いています。
ですので、素人の感想でしかありません。
ブログよりも過激な発言をお求めの場合は
私のツイッターをご覧ください。
twitter.com/SAKAKIATS
夕刊フジの公式サイト zakzak
に榊淳司の連載コーナーが設置されています。
榊さま。
ひとこと、ふたこと、フォローします。
1.
「富裕層」とは、「不労所得」で暮らせる人たち。
それも「ほどほどの余裕」のある所得ですね。
まったくの私見であります。
2.
> 本当に1500万の仕事をしているのか?
そうではない人もいるでしょう。
しがみついているだけ、の御仁も。
それだけに「富裕層」の指摘が、非難がましく聞こえ、
うっとしい、ということもありかと。
ま、苦節30年の結果ですから、難しいとこでもあります。
3.
> 日本人にとって、日本ほど安全で心地よい所は・・・。
ご指摘の通りです。今のところは。
ですが、いつまで・・・?!
話は跳びますが、
今、グーグルのサービスを勉強しています。
Gメール、グーグル・ドライブ、などなどの諸サービス。
どんなデバイスからでも共有し利用できる、
と、先日読んだ本で知り、どんなものかと勉強・検討中です。
榊さまは、ご存知でしたか? 既にご利用ですか?
もうひとつ、別件。
宅地建物取引主任者の名称が、変わるそうですね。
確か「宅地建物取引士」とかに。
そんな法令が決まったとか。
が、資格自体の内容は変わらずとか。
ご存知でしたか?
ごきげんよう。
2014/06/20 21:52 | by まろたんまろたんさん、こんにちは。
年収1500万円、金融資産1億円。
富裕層の端っこに入れてあげてもいいと思いますよ。
私は借金1億円の経験はありますが、資産は常にマイナス(笑)。
日本ではでかい会社の社長が普通のマンションに住んでいたりしますね。
お金を儲けることを「悪」か「罪」と捉える風潮もあります。
嫉妬というのは、世の中の有象無象を動かす最大のエネルギーです。
それにのっかるマスメディアも情けない。
嫉妬に駆られることを恥ずかしいと自覚できない大半の庶民が、
この国のマジョリティなんですね。
30年働いて年収1500万円。
その方、本当に1500万円分の働きをなさていたのでしょうか?
大半の大企業では、50歳以上のオジサンは存在自体が赤字のはず。
こんな既得権保護の社会構造を打破することを
安倍さんは目標に掲げるべきです。
おっと、昼ビールの酔いにまかせて喋りすぎました。
ではまた。ごきげんよろしく。
榊淳司
2014/06/20 13:12 | by Sakaki Atsushi榊さま。
先般の私のぶしつけな質問に対して、丁寧なご回答をありがとうございました。
昨今のニッポン国の受難につきまして、改めて整理し理解できました。
人は見たいものしか見ない、と言われます。
が、当ブログを読まれた諸兄、受難の大きさを再認識されたことでしょう。
前回、朝日新聞の読者投書欄の或る記事について、
榊さまに紹介しました。
2~3年前に掲載されていたものですが、ずっと、
私の脳裏から消えませんでした。
あの投稿者。
或る五〇代男性の現役サラリーマンが、実名を名乗り、
訴えていたことの要点は、すなわち、
「勤続30年にして、ようやく得ることができた年収1,500万円の会社員を、
富裕層だなどと非難がましく呼ぶ世間の風潮は、イビツである。
誠に心外である」
と言うことでした。
あれから数年過ぎましたが、その風潮は全く変わっていませんね。例えば、
年収1,500万、2,000万のサラリーマンを「富裕層」
などと呼ぶ。それも「非難がましく」です。
「勝ち組」とも呼ぶ。目一杯「嫉妬深く」です。
相も変わらず、そうした風潮をマスメディアは煽っています。
メディアこそ庶民の味方である、と言わんばかりに。
その「ゲス根性」を恥じることなく、ですね。
気分がわるくなる風潮ですが、ますます磨きがかかり、
のさばりそうな勢いです。
あの投稿記事を読んでから、私は折に触れ、
以上のように感じ、考えるようになりました。
この度、ボストン・コンサルティングの、
世界の「富裕層」に関する調査発表にあった、
「金融資産100万ドル (約1億円) 超の富裕層」
という格付けの「富裕層」と言う用語に違和感をもち、
改めてクダンの投稿者の意見を思い出した訳です。
確かに1,500万円は低くはない年収であり、また、
金融資産1億円は「大金」には違いありません。
が、それをもって「富裕層」はないでしょう。
しかも、さりげなく「非難」と「嫉妬」を込めて。
例えば、ビールを5~6本飲んでしまう人は、
確かに酒のみとは言えますが、その程度では、
「酒豪」とは言わないですわ。
いや、ゆうてもらえまへん。
そうそう軽々しく使える言葉ではありませんよ。
「酒豪」の名称を貶める訳にはいきませんから。
酒好きとしてはね。笑。
話がズレたようで、恐縮です。
まさにまさに「貧すればドンする」、
昨今のニッポン国の、情け無い風潮でありまして、
この先、さらにさらに「ドンしてゆく」予感ありありの、
我らがニッポン国の民であります。
マスメディアよ。
しっかりせい。矜持を取り戻せい。志しを高くもてい。
武士は食わねど・・・とは言いませんがね。
結語、久々にぶったところで、今日は閉めますわ。
ごきげんよう。
RSS feed for comments on this post.