集団的自衛権騒動の虚妄と渋谷区

人間の思考回路というものは、一旦ある方向に向いてしまうと
なかなかそれ以外の方角にはブレないし、目を向けようともしないもの。
「もう一度原点に返って」物事を考えるなんて、
口で言うのは簡単だけど、実行は至難の業。

最近、集団的自衛権の件でやいのやいのと騒ぎがありました。
私から見ると、どうして騒いでいるのかよく分かりません。
特に反対派の主張が何とも滑稽。
「集団的自衛権を認めると戦争にまき揉まれる」。
だいたいの反対論がこういうベクトルだったと思います。

この論で行くと
「集団的自衛権を認めないのなら、戦争に巻き込まれない」
ということになりますね。
我らが優しい隣国の方々は
「日本は集団的自衛権を認めていないから、戦争を吹っ掛けるのをやめよう」
なんて、お考えいただけるのでしょうか?

「いや、第三国同士の戦争に巻き込まれるのだ」
という反論が返ってきそうですね。
日本国内には、アメリカ軍の基地があります。
朝鮮戦争でも、ベトナム戦争でも、最近のイラクやアフガンの
戦いでも、アメリカ軍の多くの部隊や軍需品は
日本国内の基地を経由して戦地へ送られているのです。
これって、すでに巻き込まれている状態です。

9.11の時、アメリカがどれほど衝撃を受けたか覚えていますか。
あの時、私は自分の車に乗って横浜に向かっていました。
何となくラジオでFENなんか聴いていました。
異常でしたね。
「すべてのアメリカ人は米軍の基地か大使館などに避難せよ」
と呼びかけていました。
彼らにとって、戦争とはかなりリアルで身近なのです。

イスラム過激派のゲリラが、日本国内の米軍基地に対して
テロ攻撃を仕掛けることも十分に考えられました。
今も、アメリカ人たちはそのことを想定しているはずです。
つまり、日本はアメリカと軍事同盟を結び、
国内にその軍隊の駐留を認めている時点で、アメリカが行う
すべての戦争に「巻き込まれている」のです。
ただ、今までは幸い攻撃の対象にならなかっただけ。

例えば、北朝鮮の正恩君が「横須賀に核ミサイルを打ちこめ」
と命令して、実行したとしましょう。
そして、キチンと着弾して横須賀に寄港していた
アメリカ海軍の軍艦が撃破されたとします。
はたして、横須賀市に住んでいる日本人は無傷でいられますか?

ただ実際には、そういうことが起こる可能性は小さいでしょうね。
もしそうなれば、アメリカは間違いなく平壌に核ミサイルを打ち返します。
もう一つか二つの都市を灰にするかもしれません。
正恩君は、フセインのように国際的な犯罪者になります。
だから、正恩君がいくらおバカでも、そこまではやらないはず。

さらに仮定の話。
でも、トチ狂った将軍たちがクーデターでも起こして、
「もう破れかぶれだ」なんて考えたとします。
横須賀に向かって核ミサイル発射の準備を始めました。
多分、アメリカはそのことを察知するはず。

最もありそうなことは、三沢あたりから巡航ミサイルを飛ばして
事前に北の核ミサイルを破壊しようとするでしょう。
あるいは、空母を日本海に浮かべて空爆を仕掛けるかもしれません。
そうなれば、日本海から北の潜水艦を一掃する必要があります。
海上自衛隊は、世界一ともいえる対潜作戦能力をもっています。
有事には、アメリカの海軍艦艇を潜水艦の脅威から守るべく、
日頃から共同の訓練を繰り返しています。
だから、まずは海上自衛隊が日本海から
北の潜水艦を排除する役目を仰せつかるのは自明のこと。

これは当然、集団自衛権の行使と捉えるべきでしょう。
日本を狙う邪悪なミサイルの発射を、アメリカが阻止してくれるのです。
そのアメリカ軍を助ける行動を行ってどこが悪いのでしょう。
むしろ、それができない方がおかしいはず。

それでも、多くのメディアは「戦争に巻き込まれる」と大騒ぎして、
まるで安倍さんを好戦的な右翼政治家のように非難しています。
そのせいで、安倍さんの支持率まで落ちてしまいました。
まあ、タイミングよく号泣する兵庫県議やアスカの保釈
みたいなニュースが出てきて、ここのところの集団的自衛権の
議論は静まりつつあるようにも思えますが。

反対論の多くは「戦争をしてはいけない」という、
何とも抽象的な観念論に行きついてしまいます。
そりゃそうですよ。戦争はいけません。
出来ることならやらない方がいいし、巻き込まれたくもありません。
でも、自らが「戦争ができない」状態にしておくと、
そこに付けこまれて国を滅ぼしてしまいます。

例えば、チベットという国にはほとんど軍隊がありませんでした。
1950年、中共軍はやすやすとあの国を占領し、自国領に組み込みました。
日本が「戦争ができない国」なら、チベットと同じ運命です。
私は、自分の子孫が中国の支配に抗議して焼身自殺をしたり、
反対運動を行って牢獄につながれる未来なんて望みません。

最近の中国は傲慢無礼な振る舞いが目立ちますね。
結局、周囲は敵だらけになってしまいました。
ひとり韓国だけが媚びている状態。東アジアはかなり不安定です。
日本はこの前の戦争に負けて以来、
今ほど戦争の脅威を受けている時はないと思います。
中国には抑止力が効いていないところがあります。

冷戦時代、ソ連の戦闘機その他が度々日本の領空を掠めました。
しかし、スクランブルした自衛隊機にレーダー照射を浴びせた、
という話は聞いたことがありません。
傍目で見ていると、どうも習君は軍を掌握しきれていないような。
つまり、予期せぬ偶発的発砲はいつでも起こり得るのです。

多くの日本人が「戦争なんて起こるわけがない」と思っています。
しかし、私にはそれがとても身近になりつつあると感じます。
人間とは、日本人一般が考えているほど聡明ではありません。
特に我らの隣人たちは国際的な常識からズレているようですから。

さて、レポートの更新情報です。
4月に新作としてリリースした「渋谷区」。早くも初回の更新を行いました。
今回新登場したのは「パークコート渋谷大山町ザ プラネ」。
すごいですね・・・びっくりしました。

渋谷区というのは、実に贅沢な住宅地がたくさんあります。
贅沢というのは、都心でありながら第一種低層住居専用地域なのです。
だいたい、4階までしか建物が建てられません。
ほとんどが住宅です。自然、戸建てが中心となります。
そんなエリアに6000㎡の敷地、131戸というスケール。

これは高くなりますね。
売主は三井不動産レジデンシャルですから、安いわけありません。
建築費が高騰していて、都心はミニミニバブル状態。
多少高くても「仕方がないか」という需要があります。
でもね、落とし穴もあります。

都心や湾岸のタワーマンションが売れているのは
相続税対策や中国系外国人の需要があるからです。
一種住専は相続税対策にはなりにくいし、「上品な住宅地」という
価値観は中国系外国人の好みには合っていないのです。
つまり、このマンションは「実需」が便り。
ミニミニバブル価格で売れるでしょうか?
そのあたり、レポートではもっと突っ込んでいます。

渋谷区総集編
価格 2,590

■グランドメゾン上原レジデンス,■パークコート渋谷大山町 ザ プラネ,■ザ・パークハウス 元代々木町,■ザ・パークハウス上原,■プレシス参宮橋,■クラブスイート恵比寿、以上の6物件を収録

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2014/7/11 13:24 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんにちは。

外資系企業に30数年ですか・・・
それは何とも奥深いご経験ですね。
私は漠然と、欧米系の外資というのは日本企業に比べて
合理的に仕事をしているように思っています。
日本企業には、存在自体が「赤字」のオッサンが
多数巣食っていて、それで潰れるところも多いようで。

確かにトラブル対処はその企業の能力やカラーが出ますね。
Amazonのトップが何を返してくるか楽しみです。

榊淳司

2014/07/12 18:28 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

集団的自衛権について、理解している日本人は少ない。
安倍憎しで騒いでいるだけです。
若者たちが「マクロ経済スライド」すら知らずに、
公的年金破綻を騒いでいるのと同レベルです。
話になりませんね。

さて私はアマゾンで買える物はすべて、買っています。
便利だからです。それに比較的安いものが多い。

今回、或るショップで6千円くらいの物を買いました。
が、納品が注文通りではなく、ショップに連絡し訂正させました。

で、このショップのサイトを見たところ、
「責任者の氏名」が表示されていませんでした。
ご存知の通り、ネットショップ=通信販売は、
「特定商取引法」の縛りを受け、この法律では、
ショップサイトに「責任者氏名」表示する義務があります。

この点を当該ショップにメールで指摘し改善を求めたところ、
「責任者に報告する」旨のメールが返信されて来ました。
が、このメールに個人名が書かれいませんでした。
ナメた野郎だと判断しました。

そこで本件について、アマゾンにメールを送り、
アマゾンの考え方を尋ねました。
要点は「特定商取引法」違反であるが、お咎めなしかと。
イリーガルの業者を放置するのかと。

アマゾンから返事があり (沖、と署名入り)、
調査の上、指摘の通りであれば、改善させるとのこと。
数日間、様子見です。

アマゾン・ジャパンの対応を見つつ、平行して、
アマゾンUSAのCEO・ジェフ・ベゾス宛てメールを送りました。
彼のメールアドレスは、ググったら分かりました。
彼は「全てのメールに目を通す」と言われていますが、
ま、それは建て前として、誰かが見るでしょう。

その結果、何かアクションを取るか、シカトされるか。
ま、私としては「ボールを投げてみる」。
とりあえず、ですね。

私は、三〇数年、外資系企業で働いて来ました。
だから、アマゾンUSAについては知りませんが、
外資系企業一般の、大まかな事情は理解しています。

外資系企業の日本法人は、言うまでもなく子会社です。
従って、日本法人の社長とは言っても、所詮、
「雇われマダム」に過ぎません。

雇われマダムですから「チカラなし」で、
もし言うとしたら、オーナーに向かって言うのが効果的です。
オーナーが、何もアクションをとらなかったとしても、
眼には入ります。ま、それでOKですわ。

アマゾンに限りませんが、人も企業組織も、
「トラブってみる」ことで、正体が見えてきます。
どのような、また、どの程度のニンゲンか、企業組織かと。

場合よっては、私は「意図的に」トラブってみます。
そして相手の出方を試す。どんな馬脚を現すか!
リトマス試験紙になりますね。
大事なことは、それをもって選択・判断します。

トラブルのないときって、人も組織も、
皆さんコギレイな化粧をし、オメンを被り、
結局、その正体は見えてませんからね。

ま、いろいろ人生ヘタるまでベンキョウですわ。

ごきげんよう。

2014/07/12 01:00 | by まろたん

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