中国経済の成長はアテにできない

先日、住友商事がシェールガスの開発投資などが失敗したとして
1700億円もの損失が発生したと発表しました。
商売上手のあの会社が、なぜそんなことになったのでしょう?
ニュースを見ていても、どうもよく分かりません。

伝え聞くところによると、資源価格が上昇し続けることを
前提にした「無謀な投資」だったような話です。
現在、世界的に見てインフレは抑制されており、
マクロの経済は成長率が鈍っています。
ここ十数年、世界は大陸支那の経済成長がけん引してきた観があります。
その支那は今、どうやらバブルが崩壊しているようです。

かの国の経済は、末端が自由主義でサプライズサイドは統制下。
金利も為替も政府が自由に決めているのが実態です。
これまでは、その統制よろしくバブル崩壊を防いできました。
ところが、ここ2年ほどは消費系の指数や電力消費量、
鉄道貨物輸送量など、あまりごまかしのきかない指数が
そろってマイナスを続けています。
なのに、表面的な経済成長は7%超。なわけないでしょ。

つまり、今度こそあの歪な経済構造の矛盾が露呈されそうです。
「へん、ざまーみやがれ」と思う方は多いことでしょう。
でも、日本にとって何にもいいことはありません。
なぜなら、日本経済と支那経済は密接につながっているからです。
支那に進出している多くの日本企業が困ります。
何といってもあの国では法律が機能していませんから。

日本の不動産を買いまくっていた大陸支那人たちの勢いも、
ここにきて急速に衰えているということです。
支那経済が混乱すると、それらが一斉に売りに出されることもあり得ます。
また、日本にやってきているあのマナーの悪い観光客たちが
激減する可能性も考えられますね。

良くも悪くも、支那経済はグローバル化しているのです。
そして、日本もグローバル経済の有力な一画を形成しています。
したがって、支那経済の混乱は少なからず日本経済にマイナス。
リーマンショックならぬチャイナショックが起きるかもしれません。

日本経済も、足元が実に脆い状態ですね。
今日の新聞記事にあった各種経済指標も悪化が顕著。
この分では7-9月のGDPはマイナスが確実でしょう。
問題は、それが何パーセントになるか。
6を超えていれば、それって本物の「恐慌」です。

でも、現在の日本経済に不況感がないのは人手不足のせい。
職にあぶれた人が、街中で目立たないからです。
探せば職はあるけれど給料は不十分、というのが現実。
みんな、懐は苦しいけれど何とかやっている、という状態。
まあ、私もその一員なのですが(笑)。

今の日本で、現役世代の人口ボリュームゾーンは38歳から47歳。
彼らの3分の1は非正規雇用で就労しています。
この世代は、学校を出て就職してからずっと不況。
「失われた20年」とともに社会人人生を歩んでこられました。
まことにお気の毒と言えばお気の毒。
しかし、至極現実的でしたたかな一面も有しておられます。
いってみれば「打たれ強い」世代とも言えます。

彼らが年金生活に入るのは、約20年後から。
この時に、日本の高齢化社会は真っ盛りを迎えます。
いまでも、65歳以上の過半数は極貧の生活状態にあるとか。
しかし、あの団塊ジュニア周辺の世代が老境に達するころ、
日本はタダの老衰国家に陥っている可能性が大。
多くの団塊ジュニア君たちは日々の生活に困るかもしれません。

勿論、そのころには日本の不動産なんて大半が二束三文。
都市部の一等地でない限りはまともな値段が付きません。
ニュータウンのいくつかは廃墟同然になっているでしょう。
いまでも、ニュータウンは老人の住処みたいなものですから。
また、多くの埋立地が立ち枯れの危機に晒されます。
幕張ベイタウンも老人の街、豊洲も過去の街、新浦安は・・・
ここ20年くらいの間に開通した新線やライナーは、
軒並み赤字経営となり、大幅なダイヤ削減となっているはず。
北総線やつくばエクスプレスは、その代表格ではないでしょうか。

残念ながら、平均寿命通り生きているとすれば、
私はまだ鬼籍に入っていないはず。
嫌ですね。そんな日本の老衰状態をみるのは。
しかし、不都合ながらこれが今の日本の真実です。

目先の話に戻しましょう。
申し上げた通り、ここ20年ほど世界経済は支那の成長に
引きずられてきた面が多分にあります。
資本主義経済に編入されたロシアや東欧の成長も寄与。
ブラジルやインド、インドネシアなどの新興国の
旺盛な需要増加もそれなりに世界経済を支えていました。

今、その先頭を行く支那がどうも怪しくなっています。
あの国は不思議ですね。
すでに実質的に資本主義化して四半世紀が経ち、
人的資源が豊富であるにもかかわらず、
未だに経済の中身がニセモノとインチキとモノマネです。
自身でなんの新技術も開発できず、基幹産業も育たない。
例えば、マンションを作らせると築10年で日本の築30年状態。
経済全体が恐ろしく非効率で底が浅く、まるでハリボテです。
お金を儲けた人は、それを海外に移していつでも逃亡可能な
状態にしていますね。日本の不動産購入も、その一環。

そういう国で、いつか矛盾が露呈するのは必定。
現在、香港で大きな騒動が起こっていますが、
いつ大陸に波及してもおかしくはありません。
そんな支那の経済成長をアテにして、
拙速な資源開発投資を行った商社は住友だけではないそうです。
これから、物産や商事も「損失発表」を行うかもしれません。

愚かと言えば愚かですが、これは利益を求める企業の体質。
現在、マンション業界では「最後の買い手」といわれる
東京建物と三菱地所レジデンスが用地仕入の先頭にあるとか。
この2社は、もっとも市場の動きに鈍感だとか。
つまり、バブルで最後のババを掴む可能性が・・・・

都心の不動産バブルも終息が見えてきました。
これに、個人消費の低迷と相まって不況がハッキリしそうな昨今。
安倍君は消費税を10%にしたくないのが本音だそうですが、
黒田君や麻生君、谷垣君たちの「財務省包囲網」を突破できるか?
かなり難しい判断を迫られていますね。

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2014/10/1 16:47 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんばんは。

2025年、私は63歳になっていいますね。
健康であることを願うばかり。
11年なんて、長いようで短いですね。
今から11年前は2003年。
思えば、この間はあっというまでした。

さて、11年後の日本国債はどうなるのでしょうね?
案外、平気の平左で3千兆円くらいに膨らんでいるかも。
それで、消費税が25%。
国家予算が200兆円。物価は今の2倍。
それでも1ドル90円くらいかな。
アメリカもインフレにするでしょうから。

問題なのは支那ですな。
共産党の一党独裁が続いているのか・・・・
北とともに崩壊していると予測します。
あの国は、いったん乱れだすと何十年も乱れたままですからね。
次の統一政権までどれくらいかかることか。
チベットも東トルキスタンも、そこに乗じて独立。
モンゴルは内蒙古に侵入。
難民が沿海州へドドドっと・・・
台湾は難民阻止に海峡を封鎖。
香港は激しく独立運動。
てなことになりそうに思うのですが。
まあ、妄想に終わることを願います。

では、ごきげんよう。 榊淳司

2014/10/01 21:02 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

> 中国経済の成長はアテにできない。

13億のタミを抱えるシナは、不気味な震源地になりそうです。
経済も無法状態ですが、さらにホンコン・タイワン・尖閣と。
もはや、いつ何が起きても「想定外」にあらずです。
エラいのが隣りにいますが逃げようがありません。
政界・財界のメンメン。
どないするつもりなのか?

さて。
周知の通り「2025問題」と呼ばれているものがあります。
1947ー49年に生まれた団塊世代が、後期高齢者になるのが2022-24年で、
医療・介護など社会保障コストが噴き上げるという、ほぼ確かな予測。
あと10年足らずのきびしい現実です。

2020年の夏が終わるとともに、東京五輪が終わります。
どのような「宴会」になるのかは分かりませんが、
終わったあとのこの国の有りようは予想できます。
一言で言えば、いつまでもあると思うな・・・でしょうか。

そして、その2-4年後、2025問題が待っております。
後期高齢者=75才超の激増。社会保障コストの噴き上げ。
この国に、そんなカネおますか?
ポケットをさぐっても「チャリン」とさびしい音。
ジタバタしても「後の祭り」ですね。

アベくんの「つぎの次」くらいの政権は、聖域・社会保障費に、
おそらく切り込んでくるでしょう。
そのひとが誰かは予想できませんが、もはや、待ったなし。

できる、できないの段階にあらず。選択の余地なし。
ですから、実行力あるひとが立つ。
ではないでしょうか?

日本国債はどのくらい積み上がっていることやら。
アベくんは、なにしてはるやら。
クロダくんは、なにしてはるやら。
10年過ぎれば、とおに「過去のひと」

おお。
いつまでもあると思うな・・・ですな。

ごきげんよう。

2014/10/01 18:08 | by まろたん

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