2015年の不動産バブルを大解剖

現在発売中の週刊ダイヤモンドは「2015 総予測」
副題は「バブルがやってくる」。すごーい!

新しい画像 (3)

というか、不動産市場は一部ですでにバブル化しています。
2013年春の黒田バズーガ1発目で株価がドドンと上がり
ミニミニバブルの号砲が放たれました。
ところが1年後の消費税5%→8%への増税で、
やや萎みかけた気配が漂い始めたのですが、
10月30日の2発目ドカーンで再び盛り返しました。
決定打は安倍君の消費税先送り解散。
増税のプレッシャーが遠のいたことで、世の中明るい気分に。
株価もズンズンと上がりました。そのあとストンと落ちましたが。

それで、来る2015年は「バブル」なのだそうです。
その理屈は理解できます。現に都心の不動産市場はバブル。
いつものことですが、経済学徒でもないトーシローである私が
理解しているところを超カンタンにご説明しますね。

まず、黒田バズーガ2は80兆円のマネタリーベース増加が柱。
マネタリーベースなんてこむづかしいい方をしていますが、
要は日銀が「円」を80兆円新たに発行するのです。
そのお金はどうするのかって? 世の中にばら撒くのですよ。

私としては日本橋の高島屋かスカイツリーあたりから
「1時間に1億円」くらいのベースで諭吉君を
ばら撒いてくれると嬉しいのですが、そんなはずはありませんね。
実際はどうするかというと、市中の銀行が保有している
国債を半ば強制的に買い上げます。

市中の銀行は困ったことになります。
なぜかというと、銀行というのは利ザヤで稼ぐ商売です。
みなさんから集めた預金には雀の涙ほどの利子もつかないでしょ。
いわばタダ同然。しかし、それをもう少しましな金利がつく
運用を行って、そのサヤを抜いているワケです。
分かりやすいところでは住宅ローンの貸付ですね。

定期預金につく金利が0.2%。住宅ローン金利が1%とします。
定期預金を住宅ローンで貸し付けるだけで0.8%抜けますね。
1万円なら80円ですが、1000億円なら8億円です。
三菱東京UFJ銀行単体の資産は160兆円ほどありますから、
それが全額0.8%で回れば1兆2800億円ですね。
メガバンクの行員があれほど高給取りなわけがコレ。

しかし、世の中それほどうまくはいっていません。
というのは、160兆円も住宅ローン需要はありません。
日本全体でも住宅ローン需要なんて4兆円程度。
三菱東京UFJ単体なら数千億円程度かと推測します。
では他の資産はどこに回っているかというと、
大半は大企業に対する融資だと思います。
それも、これだけの資産をすべて有効には回せないはず。
てっとり早く資産を回す方法は、国債の買い入れ。

何といっても日本の国債発行残高は1100兆円規模。
三菱東京UFJ銀行の総資産7倍分。
長期国債の利回りは0.5から0.3%。
定期預金の金利が0.2%とすれば楽に0.3から0.2%は抜けます。
発行元は日本国ですから、とりっぱぐれの心配なし。
だから何十兆円でも喜んで国債を買っていたわけです。

ところが、黒田君のバズーガは銀行の資産残高に
組み込まれていたそういう国債を、
半ば強制的に買い取ったワケです。
日本銀行が保有する国債は今や200兆円に迫ります。
今後、これはもっと増えるでしょう。

それで各銀行は資産の運用先に困ります。
余った金を借りてくれる「融資先を探せ」ということになりますね。
不動産担保融資は、銀行にとっては簡単に大きく貸せて便利。
いざとなっても抵当権を実行して不動産を分捕れば何とかなります。
だから、各銀行は不動産業者に
「資金のニーズはございませんか? 今なら低利でのご融資が可能ですよ」
なんて、猫なで声で近づいているのです。

不動産屋というのは、基本がイケイケどんどん。
「おう、貸してくれるのなら貸してもらおうか」となります。
グロテン(グロスで10%以上回る)のビルを
年利1%の融資で購入できれば、
全額借入で購入しても日々の収益が得られます。
そういう物件が多くもっていれば日銭を稼げたうえで
15年か20年後には純然たる資産になっています。
「低金利で借りられる今がチャンス」とばかりに
ビルやマンションを買って資産を膨らませます。

また、今のようにバブルの気配が濃くなると、
不動産業者でない企業や個人までビルやマンションを買いだします。
むしろ、今はそっちの方が多そうですね。
何といっても銀行の融資はアマアマになっています。しかも低利。
こういう時こそ、優良な不動産を資産に組み込むチャンス、なんて。
本当は「高値掴み」のハイリスクシーズンに入っているのですが(笑)。

これが今の状態。バブルでしょ。
バブルは、いつか弾けます。今回はいつでしょうね。
私としては、最長で2017年の4月ではないかと。
そこで、消費税が10%に上がります。
その時、日銀の総裁はまだ黒田君のままです。
彼は自分のとった政策が誤りでないことを示すために、
このバズーガ金融緩和を縮小するとは思えません。
またぞろバズーガを撃つでしょうか?
もし、それをやっちゃったら円はいよいよ暴落ですね。

2015年、不動産市場のバブルは膨らみます。
引き続き、住宅を購入するには難しい時期です。
都心の場合、どれを選んでも資産低下リスクを孕んでいますから。

さて、レポートの更新情報です。
東京都北区は、「近いのに高くない」というエリア。
質実さを求める合理主義者に向いています。
このバブルの影響は少し及んでいますが
まだ「山手線内側で坪単価200万円台」という物件があります。
有料メルマガの会員にはすでにお送りした通りです。

北区総集編
価格 4,190

■Brillia(ブリリア)山手 動坂 GRAND-SUITE、■ザ・パークハウス 北赤羽、■イニシア赤羽志茂、■ザ・パークハウス 東十条フレシア、■AZEST東十条、■(仮称)Tokyo7colorsProject、■クレストガーデンレジデンス、■王子飛鳥山ザ・ファーストタワー&レジデンス、■パレステージ王子シャインコート、■ナイスエスアリーナ赤羽、■ザ・パークハウス田端

山手線の「大塚」「巣鴨」「駒込」「田端」周辺の
新築マンションを解説したレポートがコレ。
今回は「田端」エリアを追加して再編集。

山手線「大塚」-「田端」
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2015年1月27日(火) バリ島不動産投資セミナー開催

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2014/12/22 15:15 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんにちは。

なんか、歳をとるのが嫌になります。
私の世代は来るべき超高齢化社会の中核層ですから。
まあ65くらいまで働いて75くらいで死ねればいいと思っています。
たくさんお酒を飲んでいるので、
それくらいまでしか生きないと思っているのですが、
「お前は長生きする」と、よく人には言われます(笑)。

元気だったら長生きもいいけれど、
病気や苦しみと闘いながら生きるのは嫌ですね。
先行しているまろたんさんが羨ましい。

ではまた、ごきげんよう。

榊淳司

2014/12/23 16:33 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

「この道しかない」

総選挙で、安倍晋三が国民に訴えたメッセージです。
この道、つまりアベノミクスを継続する道しかないと。
「ほかに道がありますか? ないでしょう」
メッセージのウラに込められた、問い掛けだった。

しかしこの道は、いつか来た道「バブルの道」です。
榊さまの見立ては、
「長くても10%UPを期限に、ハジケルだろう」と。
が、そのとき、バズーカ砲手・黒田クンは、まだ任期中。

だから、なんぞ「新手」を打つかも知れませんね。
「この道しかない」と。(笑)
たまらんわ。
庶民としては、笑っている場合ではありませんが。

さて。
人口動態の変動を見てみましょう。
今、75才以上の後期高齢者が、1600万人。
団塊世代が後期高齢者に突入する、2025年。
な・なんと、2200万人。
この先10年で、600万人も増えまくる、と。

統計では、75才から医療費が跳ね上がるとある。
国のお金、もちまっか?
後期高齢者は、600万人も増えます。
けど、片や総人口は減りまくりの中で、ですよ。
「この道しかない」(笑)

もうひとつ、オマケ。

今、年間の死亡人数は、120万人。
10年後の2025年は、160万人。
年間死亡が、40万人も増えまくって、いったい、
「どこで死ぬの」「どこで燃やすの」
という問題は、未解決。

そう遠くない将来「メガ・デス=大量死」の時代に突入です。
国家・国民的な「試練」ですが、どう乗り越えるか。
「この道は避けられない」
あっちこっちで「野垂れ死に」でっか?

暗たんたる気持ちになったところで、ふでを置きますわ。(笑)

ごきげんよう。

2014/12/22 22:24 | by まろたん

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