中古マンション下落、2つのシナリオ

お正月休みが終わりましたね。今年のカレンダーは分りやすい。
5日からバキバキと働かなければいけませんね。

今年のマンション市場、どうなるのでしょう。
都心での価格がさらに上がりそうな気配ですが、もう実需層は完全お手上げ。
主役は相続税対策と外国人でしょうか。
円安がさらに進むと、外国人にとってはさらに買いやすくなります。

そういうマンションって、たいていが賃貸に出されます。
都心の家賃お高めの賃貸マンションは、需給がタブタブ状態。
なかなか賃借人が見つかりません。物件は増えるばかり。
通常の経済法則が働くのなら次のAパターン。

1 家賃を下げてでも募集する
    ↓
2 家賃相場が下落
    ↓
3 投資効率が悪いので、物件価格が下落

となりますが、東京都心の場合はそうドラスティックではありません。
今年の様相は、多分次のBパターン。

1 家賃を下げずに募集を続ける
    ↓
2 いつまでも決まらずに空室のまま
    ↓
3 それでも粘り強く募集

まあ、日本人のオーナーならそうなります。
外国人はもう少しドラスティックかもしれませんが、
まだ主役というほどのプレゼンスはありません。

ただし、余っているモノの価格はいずれ下がります。
世の中の表面的な景気が良いと、それがやや遅れるかもしれません。
しかし、時間が長くかかるか短くなるか、というだけの問題。
東京都心の賃貸相場、近未来のどこかで崩れます。

賃貸相場が下がれば、次は物件自体の流通価格ですね。
つまり、中古マンションの相場がどうなるか、ということ。
この場合、都心よりも早く結果が出そうなのは江東区の湾岸エリア。
オリンピックブームで中古相場はかなり上昇しました。
外国人もたくさん買っているという噂です。

しかし、それに見合った家賃を払う人はどれだけいるでしょうか。
今この瞬間、江東区の湾岸エリアで家賃20万円以上築15年以内の
賃貸物件をヤフー不動産で探してみると、なんと154件も出てきました。
このうちのほとんどが「豊洲」駅最寄りです。

豊洲という街は、地下鉄有楽町線の駅と「ららぽーと」があります。
マンションの他にオフィスビルもたくさんあるので昼間人口が多いですね。
しかし、有楽町線以外の交通手段がほとんどありません。
歩いてはどこへも行けません。せいぜい東雲か有明。
イオンくらいしかめぼしいスポットはありません。
お買物もスーパーの選択肢が狭いですね。いずれできるかもわかりませんが。

つまり、冷静に考えると「すぐに飽きてしまう」街なのです。
そこで家賃20万円以上を払って暮らす人を、今150人ほど募集中。
家賃を20万円払うつもりなら、山手線の内側へも入れます。
多少古くて、やや狭くなります。でも数年間楽しく暮らせるならそっちでしょ。
お隣の有明エリアでも20数件募集中ですが・・・何もないところ。

新豊洲も、何もありません。スカイズなんてマンションが
オリンピック効果で非常に短期間のうちに完売しました。
どこかのおっちょこちょいが投資目的で買っているかもしれませんね。
豊洲の駅から11分も歩くのですよ。
プールがあっても賃貸で住みたいと思う方が、どれだけいるでしょう。
それは10人や20人はいるでしょうが・・・・

都心では、先に上げたAパターンに進むには時間がかかります。
しかし、江東区の湾岸エリアでは割合早くBパターンが来てもいいはず。
ただ「オリンピック」という管理通貨制度並みの幻想があります。
「オリンピックが来れば湾岸が変わる」と思い込んでいる方々が結構います。
それは変わりますよ。中央区の晴海や勝どきはビビッドに変わります。
というか、現状変わりつつあります。

オリンピック会場がたくさんできる江東区湾岸エリアはどうでしょう?
現状、ほとんど何も変わっていませんね。
それどころか、舛添君は当初の「コンパクト五輪」というコンセプトまで
換えてしまおうとたくらんでいるフシがあります。
有明には予定通り4会場が新設されるのでしょうか?

まあ、たとえ予定通りになったとしても、終わってみれば祭りの後。
15年後には「ああ、そんなこともあったわねえ」の世界です。
今の日本は、確実に衰退期にあります。
その大きな流れの中で、オリンピック程度のイベントで
街が成長すると考えるのはいささか甘いと思います。

そして、都心にもいつか確実にAパターンがやってきます。
ただこれは景気動向にもおおいに左右されること。
景気が悪くなりかけたら「バズーガを撃つぞ」と身構えている
黒田君がいる限り「異次元の金融緩和状態」は続きそうです。
これって、本当に亡国の道だと思います。
世界中で、自国通貨が安くなって喜んでいるのは
日本人と韓国人くらいのものではないですか。

しかし、この表面的な景気が続く限り、都心にAパターンはこなさそう。
あすから始まる株式市場で大暴落でも起きれば話は別ですが、
いまのところそんな気配は微塵も感じません。
この後の注目は2月に発表される第3四半期のGDPでしょうか。
ここでマイナスが続いていれば・・・ああ、恐ろし。
黒田君、本当に3発目をぶっぱなすのかしら。

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2015/1/4 22:41 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんばんは。

ギョロ目のクロちゃんときましたか。笑いました。
リスクヘッジ・・・本能的にやっています。
何といっても、新築マンションの時代は終わりがハッキリ見えています。
私は新築マンションの資産価値について、
デベではなくエンドの視線で評価することを商売のネタにしてきました。
でも、今や都心のマンション市場はスカスカ。あきまへんわ。

しかし、東京一極集中はよくありませんね。
都心はいいですよ。人口が減っても繁栄を謳歌します。
もっともソデを食うのは東京の郊外でしょうね。
自分たちは東京人のつもりだけど、何の文化もなし。
自慢できるのはでっかいショッピングモールだけ。
3000万円くらいのマンションを売っているエリアがもっとも文化的貧困。
まあ、住んでいる人の精神にもひがみ根性が宿っているような(笑)。

地方はまだやりようがありますよ。
土地の値段がタダ同然になってきました。
そのことを利用して、やりたいことの自由度が広がっています。
私の本を担当してくれた元編集者がが、どうやらご結婚。
山陰の過疎エリアにお住まいですが、奥さんが廃屋をリノベして
カフェを始めたと年賀状で知らせてくれました。
ああ、行ってみたい。

まあ、このグーミン国家は迷っていますが、
この前申し上げた通り私は何も悲観していません。
お互いに余裕をもって見物しようじゃ有馬温泉(やったー、また使ったぞ!)。

それではおやすみなさい。ごきげんよう。

榊淳司

2015/01/06 01:11 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

> 私は・・・いろんな副収入の途を作って来ました。

いわゆる「多点張り」は、リスク・ヘッジの基本原則ですね。
一点張りは「打たれ弱い」。
「代替手段」「バックアップ」を持っていると「打たれ強い」ですね。

ですから「一極集中」ではなく「多点分散」なのですが、
わが日本国は、国内的には「東京一極集中」の愚を、
外交的には「米国一辺倒」のバカを続けて来ました。

ノー・リスク・ヘッジの「玉砕型」ですわ。
オヤガメこけたら「総崩れ」というグーミン国家ですわ。(笑)
バカは死ななきゃ治らない。死んでも治らぬグーミンあり、ですか。

「おめでたい」国民性ですね。
明治維新の開国以来、日本人は西洋かぶれのピーマンになった。
「和魂洋才」なんて。誰が言い出したか「掛け声よし」ですか。(笑)
あれから幾とせ漕ぎ続け、やっぱ、
「みんな、よく生きてるよなあ」と言うしかない。(笑)

と、おちょくり倒しておいて。
さて、今年はアベノミクス全開では、有馬温泉。(またこれかあ・笑)
4月・統一地方選に照準を合わせて、買って買って、買いまくり。

国債・株式・EFT・リートなど、なんでも来いや。
「2万円」なんて、ショボいことぬかすな。
おっかー。酒だ、酒だ、酒もってこい!(笑)

ギョロ目のくろちゃん、
ハナのあな、ふくらませて、さけび倒す。
「もってけ、どろぼう!」(笑)

あ~あ。知らねえぞ。

ごきげんよう。

2015/01/05 21:11 | by まろたん

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