春の朝のチャランポラン讃歌

「目のつけどころがシャープだね」
20年くらい前に一世を風靡した広告コピーです。
確か、業界では第一人者だったナカハタさんの作品。
そのシャープ、今では瀕死の重傷を負っているようです。
蘇生するかどうか、微妙な様子ですね。

世の中は、日々変化しています。
その変化に対応できなければ、人も企業も生き残れません。
私のまわりを見てもそう。
20年前のビジネスモデルをそのままに生きているお方は、
収入を何分の1にも減らしています。
それでも「変われない」方は変われないのです。

「変われる人・企業」と「変われない人・企業」の差はどこにあるのか?
私が考えるキーワードは「柔らかさ」ではないかと。
言い換えれば「いい加減さ」でもあります。
原理原則や常識、既成概念に囚われないことですね。
この世の中、決まりきったことはひとつだけ。
「あらゆるものは日々変化している」
かっこいい言葉言えば「万物流転」。あるいは「諸行無常」。
人がいつか死ぬもの、そのひとつです。

ところが、多くの人間は「変わらない」ことを好みます。
「新しいこと」が好きではない人が多いのです。
実のところ、最近年齢を感じる私もそうです。
今までのやり方でやれるのなら、それが一番だと思っています。
よく使う言葉でいえば「因習固陋」なんて。
わりとよさげに言うと「保守」とか「頑固」。
まあ、単純に「アタマがかたい」と言っていいでしょう。

おおざっぱにいうと、若い人のアタマはそれなりに柔軟です。
しかし、これって非常に個人差がありますね。
私が見る限り「こだわり」のある人や「オタク系」は
どちらかというと「アタマがかたい種族」に入ります。
分りやすく言えば、狭い世界に安住の地を見出しているのです。

いい加減でチャランポランな人間は、ある意味考え方も柔軟。
「そんなもの、何とかなっていればいいのでしょ」という発想。
私も、若い頃は完全に「チャランポラン人種」でした。
ましてや、世の中をナメにナメきっていますから、
やることなすこと基本はテキトーです。
それで随分痛い目にあいましたが、基本はそのままです(笑)。

さて、今の世の中はまことに激しく変化しています。
価値観もあっという間に変わってしまいます。
人々の心は七変化。はやりすたれもあっという間。
ところが、まだ一斉に動いている大きな流れもあります。
それは、言わずと知れた都心の不動産マーケット。

今も、大きな奔流となって「買い」が走っています。
もう「アッハッハッ」と笑うしかない、大きな流れです。
眺めていると、実に不思議ですね。
大きな流れの向うには、滝が待っているのが分っているのに
みなそれに気づかないフリして身を任せています。

「お金の力」というものは大きいですね。
みな、不動産を見ているというより、それは「お金」だと思っています。
「今買えば儲かる」という意識が、人を熱くしているのです。
まるで、都心の不動産はすべてが金融商品に変わったみたい。

今の世の中は、常に変化しています。
みなが「金融商品」だと思っている不動産は、
ある日ただ普通のマンションやオフィスになってしまいます。
というか、もともとそうだったのを、みなが勘違いしているだけ。
変わるのはモノではなく、それを眺める人の価値観。
金の塊に見えていたものが、実は平凡なコンクリートの塊に戻るのです。

「アタマがかたい」人の多くは、自分の関心事以外は考えたがりません。
「知らないこと」や「考えたくないこと」は考えないのです。
なぜなら、未知のことを考えるのは苦手だから。
苦手なことはやらないで、得意な事だけやりたがるのがオタク。
あるいは因習固陋なオジサンたち。あるいは頑固ジジイ。

さらには、人間は見たくないものを見たがりません。
ネットでいろいろ調べている時でも、探しているのは
「必要な情報」ではなく「読みたいニュース」、「耳触りのいい話」。
見たくないモノや「不都合な真実」は無意識に避けています。

多くの人間は変われません。
なぜなら「変わりたくないから」。
団塊の世代になっても、いつまでもカビの生えたサヨク的な
発想から抜け出せないオジサンたちを見ていて、ずっと不思議でした。
しかし、それも最近ではよく分ります。
多くのサヨク君たちは「変われない」方々なのです。

ただ、今の世の中は「変われない」というのは、かなり致命的。
サヨク君たちの居心地がかなり悪くなっているのは、その一例。
歳を取ろうが、過去に栄光があろうが、偏差値が高かろうが、
「変われない」ということにおいて、生存競争の弱者です。
これは、企業も同じ。シャープがいい例ですね。

「目のつけどころがシャープ」だったのは、遥かな昔。
一瞬の輝きは、一瞬で消えてしまう世の中です。
ましてや今の局地バブルなんて、まさに「うたかたの夢」。
いつ泡のように消えてなくなるか分りません。
というか、この瞬間にも消えかかっているように思えます。

今日は珍しく早起きをしてしまった(させられた)ので、
いつになく(いつものように)世を儚んでみました(笑)。

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2015/5/15 9:12 Comments (6)

6 Comments

まろたんさん、こんにちは。

私も、裏切りを受けた記憶を思い出せません。
でも、忘れているだけかもしれません。
私は「感情」というものを意図的に軽視するようにしています。
喜怒哀楽の喜ぶと楽はいいのですが、
怒ると哀しむはなるべく抑圧します。
だから、他人から見ると「怒らない」人間です。
顔色は変わりますが(笑)。

昔、社員を雇っている時も、怒鳴ったことはもちろん、
普通に起こったことなど、一度もなかったはず。
だから、どこかで裏切られていたとしても
「ふーん、アイツはその程度か」で済ましていたのかもしれません。
また、そういうことをいつまでも覚えているのは
精神衛生上よくないので、コロリと忘れることにしています。

まあ、渡る世間は鬼ばかりですから、時には騙されますけれど(笑)。
特に不動産屋は天性の嘘つきみたいなのがいっぱいいますね。
でも、連中の精神構造は単純なので、どこが嘘なのかすぐに分かります。

銀行員はあまり多く知りませんが、私とは異人種です。
とことんサラリーマンをやる気の奴がなる職業ですね。
だから、異人種だと思って付き合います。
それに、付き合っても長くて3年。短ければ数カ月。
大きな取引もしませんしね(笑)。

この仕事を始めてから心がけていること。
「読者を裏切らない」
人間ですから、予測を外すことはあります。
現に、今のバブルなんてまったくの想定外。
でも、セミナーなんかでよく言われるのは
「榊さんはまったくブレませんね」
はい。ブレようにもブレられません。
だって、自分の価値観や発想は変わりませんから。
明日もまた、某紙に私がコメント補強した
「不動産大暴落」の記事が出るようです(笑)。

それではまた、ごきげんよう。 榊淳司

PS 郵送物拝受しました。ただ、端が切れていました。
恐縮ですが、今後はメールでくだされればと思います。

2015/05/18 19:29 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

大阪の橋下敗北と。

ヒトコト。

余りにも「雑過ぎる」

ごきげんよう。

2015/05/18 14:18 | by まろたん

榊さま。

「人生、板子いちまい、下は地獄」と。

どんな地獄かは、ついぞ戻って来た人がいませんからわからない。
そこが、なんともオソロシイ。(笑)

「ころびバテレン、寝返り芸者」と。

私は六〇余年の人生で、他人の背信を受けた経験はありません。
つまり、他人から、深ぶかと裏切られたことはありません。
その逆、裏切ったこともないと思っています。

ま、他人を深く信じたことがなかった、と言うことかも。
また信じられたこともなかった、と言うことでしょうか。(笑)

かなり昔ですが、銀行に騙されて会社を失った元経営者を知っています。
自分でハダカイッカン造り上げ、300人ほど従業員がいたそうですが、
取引銀行にはめられたと話していました。
「手形」がらみの手口だったと。

その銀行の名前も聞きましたが、ここでは伏せます。
いわゆる都市銀行ではなく、そのつぎくらいの銀行です。
ま、ミモフタモない言い方をすれば「いずこも同じ」ですが。

私も勤め人として「外銀・邦銀」との取引で、つき合いしましたが、
ま「もろ、カネ」の世界ですから、それなりですよね。(笑)

ヒトも、会社組織も、政府も、信じるものではない。
とくに、
「ご立派過ぎる肩書き・経歴」、
「豪華な外見・見てくれ」、
「とても賢しらな物言い・スキのない物腰」、
などなど、つい、ふらっと・・・ 危ない、アブナイ!(笑)

「ころびバテレン、寝返り芸者」
ころんだり、寝返ったり、いやはやシャバは、バケモンだらけ。(笑)

まさに「赤ずきんちゃん、気を付けて」ですね。

ごきげんよう。

2015/05/17 21:46 | by まろたん

まろたんさん、こんにちは。

さっき、セミナーから帰ってきました。
今日は懇親会なし。実に健康的(笑)。
明日は家で軽く仕事。

手に取るな やはり野に置け 蓮華草

聞いたことありますが、意味までは。
まあ、こっちは野にあり続けています。
別に取られる日を待っているわけではありませんが(笑)。

しかし、このあまりにも、あまりにも平穏な日々。
なんか起こって欲しい、なんて。
まあ、平穏に越したことはないですよね。

今日も平穏なお神酒をあおって寝ることにします。

それでは、ごきげんよう。 榊淳司

2015/05/16 18:38 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

「やはり野に置け、れんげ草」

と。だれの言葉か。
いつのころからか、れんげ草を見かけなくなりました。
むかし昔は、広々とした田畑いっぱいに、咲いておりましたな。
日本に、まだ日本らしさあり、実に美しかったころです。

長い間、私は、この「やはり野に置け、れんげ草」の意味を、
取り違えていたようです。

れんげ草は、床の間に飾るものでなし、高価な花瓶に活けるものでなし。
れんげ草は、広びろとした「野に置いてこそ」美しく、
れんげ草らしく、その輝きがあると。

転じて、この社会には、
床の間や高価な花瓶といった虚飾の場所ではなく、
「広びろとした野」のほうが、輝いて生きることができる、
似合っている、ニンゲンがいる。

だから、そういうタイプの人は「やはり、野で生きられよ」
と言う意味に解釈していましたが、どうやら違ったようですわ。

ならば、まことの意味は・・・。
ま、敢えて言いますまい。
榊さまは、ご存知でしたかな?

「手に取るな、やはり野に置け、れんげ草」

れんげ草が、その、颯爽としたありようが、
若干、うらやましくも感じますな。

ごきげんよう。

2015/05/16 04:56 | by まろたん

榊さま。

「古い上着よさようなら。さみしい夢よさようなら」と。

そろそろ「近代」と、さようなら、するとき。
バカも、たいがいにしたほうがイイのでは、有馬温泉。

夏目漱石とか、芥川龍之介とか、などと、
間抜けな「近代」に土下座していては、オホホ!

過去を、捨てられるか、否か。
それこそ、変われるか、否か。

明治維新を含め、日本人は「あほんじん」
バカばっか。

安倍晋三。
ひよるな。媚びるな。
そんな、あほんじんに、なるなよ。
オッサン!

ごきげんよう。

2015/05/15 18:41 | by まろたん

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