夏休みの骨休めに、熱海の向うの網代温泉に行ってきました。
あいにくの天気でしたが、温泉に浸かってうまいもの食って。
帰りは熱海を素通りして箱根神社に参詣。芦ノ湖の回りをウロウロ。
しかし、外国人が多くなったことにはビックリ。
網代温泉のマイナーなホテルにも北京語人士がいましたもの。
当然、箱根でも見かけました。白人もチラホラ。
しかし、熱海はどんどん寂れていっていますね。
逆に、箱根周辺はまだまだ元気に見えました。
この違いはいったいどこから生まれたのでしょう?
そんなことを考えながら、東京へ戻ってきました。
ひとつ、言えることがあります。
日本の街というものは、ある条件が整うとお洒落に発展します。
多くの人が集まって来てそこに住んでみたり、お店を開きます。
とてもいい感じに街並みが整っていくのです。
その「ある条件」というのは、西洋人の存在です。
ありていに言ってしまえば、「白人の多い街は発展する」。
例えば、箱根も軽井沢も、明治期に白人がその価値を見出しました。
「避暑」という考え方を持ち込んだのも白人。
鎌倉の由比ガ浜で泳いで見せて、「海水浴」という概念を
日本人に伝えたのも白人たちです。
東京の六本木もそうです。戦前は何でもない街でした。
敗戦後、アメリカ軍の兵舎がそばに置かれていました。
GIたちの相手をするお店ができ始めて、盛り場となりました。
今はもう米軍施設はスター&ストライプくらいですが、
六本木は「外人が多い街」というイメージがありますね。
そういう街に、日本人のミーハーたちは憧れるのです。
山手線の内側は南が港区で北が文京区。真ん中西は新宿。東は千代田区。
交通の利便性で言えば、港区と文京区はさほど変わりません。
しかし、港区の方が文京区よりも不動産の値段が2割は高いですね。
なぜでしょうか? これも、ひとつの答えは「西洋人」です。
文京区で白人を見かけるよりも港区の方が圧倒的に多いはず。
もちろん、文京区には六本木や青山、赤坂といった「街」がありません。
しかし、それは街の成り立ちの結果としてそうなっただけです。
そもそも江戸時代はどちらもお屋敷まちでした。
むしろ、港区エリアの方が田舎感は強かったと思います。
ところが、明治になって日本が本格的に開国すると、
港区には諸外国の大使館、公使館が続々と開設されました。
なぜ港区かと言うと、当時の交通の便ですね。
品川沖に停泊した客船から行き来がしやすい。
あるいは、来日した外国人が横浜港で入国した後の鉄道の便。
さらに言えば、日本の外務省がある霞が関にも近い。
それやこれやで、東京の中でも今の港区エリアは「国際化」しました。
日本に駐在する西洋各国の外交官その他の社交界も、
ほとんどが港区内で活動していたものと推定されます。
文京区は、日本人向けの住宅地と学校用地として開発されたくらい。
その差が、今のこの2つの街の発展の中身につながっています。
話を戻しましょう。熱海と箱根の差です。
箱根は、元は宿場町ですが明治期の西洋人に「避暑地」として見出されました。
熱海は湯量豊富な温泉地でしたが、東海道線の開通によって
東京に近い身近な温泉歓楽地として一気に隆盛を迎えました。
ただし、そこに西洋人の影はほとんど見えません。
今になって、中国人がワンサカと押し寄せているようです。
軽井沢も、いわゆる「旧軽」は今でも品位とステイタスを維持しています。
それどころか、近年は不動産の相場観がグイグイ上昇しています。
「品」というものに、日本人の富裕層は対価を惜しみません。
それが、軽井沢の上品な発展へとつながっています。
熱海は、ダメですね。
お手軽な日本人専用の宴会温泉地として、
あまりにもお手軽に開発され続けてしまいました。
あの街並みの醜さは日本人の「お手軽感覚」を象徴しています。
はたまた、一時期あまりに大成功したため、街が傲慢になりすぎました。
観光客を大切にしようという姿勢が感じられない街です。
そのことに多くの日本人が気づいて、そっぽを向いてしまいました。
まことに勿体ない話だと思います。
熱海は箱根以上に人々を引き寄せるポテンシャルがあると思います。
何よりも新幹線が通っています。海があります。温泉があります。
花火もいいじゃありませんか。ダメなのは、あの街並みとお店たち。
それに、めんどうくさいだけの行政と開発規制。意味ありません。
街が廃れ行く条件も立派にそろっています
いつか書きましたが、スキーリゾートでは北海道のニセコが大成功しています。
あまり知られていませんが、オーストラリア人は日本人よりお金持ちです。
それが円安になって、ますます日本にたくさんやって来ています。
だから、ニセコはこれからもっと発展するはずです。
逆にスキーリゾートで熱海的な廃れ方をしているのは湯沢。
あそこも元は温泉町だったのが、近年スキーリゾートに衣替えをしましたが、
そこに西洋人が介在したとは聞きません。つまり、純日本製。
だからかどうか、開発が出鱈目ですね。それで、あの惨状。
今後、日本にやってくるインバウンドはかなり増えそうです。
すでに熱海の端っこの網代まで、中国人が幅を利かせていました。
しかし、中国人が増えることが街の長期的発展につながるでしょうか?
例えば、九州の別府温泉。街中が韓国人と中国人だらけだそうです。
長崎県の対馬が、半ば韓国人に「占領」されているのは有名な話。
それで、別府や対馬は今後も発展し続けるでしょうか?
少なくとも、日本人の多くは「避ける」方向だと思います。
今、東京の湾岸エリアにはタワーマンションがニョキニョキたっています。
これからも、少しは増え続けるでしょう。中国人もたくさん買っています。
埋立地と言うのは殺風景な街並みですが、中国人はお好きなようです。
西洋人はあまり好まないようですね。豊洲や有明であまり見かけません。
ヨーロッパではタワーマンションが禁止されている国もあるとか。
彼らのマジョリティの価値観には合わない建築造形物なのでしょう。
近現代の日本の街づくりにおいては「西洋人=街の発展に寄与」、
「純日本製の近代街区=衰退」という大まかな法則がありそうでした。
今後はこれに「中国人・韓国人の多い街=資産価値低下」という
新たな路線が定着する可能性が出てきました。
湾岸エリアはこの危機をどう避けるべきか、模索が始まっていますね。
「湾岸=チャイニーズタウン」のイメージが定着すれば、
私には予想もつかない街へと変化しそうな気がします。
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かなざわさん、こんばんは。
コメントをありがとうございます。
軽井沢町と熱海市の行政リテラシーの違いが
今の両エリアの風景となっていますね。
そもそもタナボタで大量集客可能な観光地となった熱海と
ひたすら上流人士の避暑需要を受け容れてきた軽井沢の
「氏素性」の差が出ているのだと思います。
貴重なご指摘をありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
また、コメントをください。
榊淳司
2015/09/02 21:33 | by Sakaki Atsushi軽井沢は、誰に対しても凛とした態度で、すばらしいですね。
ビル○○ツ氏の別荘ではないかと噂の建築中の別荘の近くに行ってみました。
7月8月は軽井沢ルールで工事は出来ないので、守衛さんも立ってませんでした。
噂では、ヘリポートを造るのは断念させられたそうです。あのTよし○○氏ですら、拒否されたヘリポート。静かに過ごす軽井沢には、できないものなんですね。
まろたんさん、こんばんは。
私、恥ずかしながらアメリカ大陸は昔々トランジットで
アンカレッジ空港に2時間いただけです。
どこかの元首みたいにアメリカの大統領が
貴賓室で接待してくれた覚えはありません。
ニューヨークへは行ったことなし。
どことなく、行かず嫌い、です。
しかし、たしかに、大阪と東京では風が違いますね。
京都と東京も違います。
アンポ反対、なんか勘違いしている人が多いですね。
自衛隊員ですら「すわ、戦争に行かされる」と大量退職。
応募しても人が集まらないのだとか。
ちょっときつめだけど、資格とキャリアのとれる
タダの就職先だったのですね(笑)。
まあ、なるようにしかなりません。
それよりも、派遣法がおしゃかになればいいのに、
と私は考えています。
それでは、ごきげんよう。 榊淳司
2015/08/31 22:11 | by Sakaki Atsushi榊さま。
熱海にて骨休みでしたか。夏の終わり。いいころあいですな。
むかーし。
誰が言っていたのか失念しましたが、こんなことを。
東京もニューヨークも世界に冠たる大都会。
しかし、吹いている風が違うんだ。
何故だろうか?と自問して、こう言う。
東京は首都であり、国会があり中央官庁がある。
つまり、永田町があり霞ヶ関がある。
ニューヨークには、それらがない。
だからだろうか。吹いている風が違うんだと。
どう、違うんだってかいな?
そりゃ、みずからニューヨークに行って、
現場の風に吹かれてみるしかないでしょう。
え!ひこうき代がないって。
泳いでゆきなさいよ!(笑)
ま、ヨタはともかく、確かに、
永田町・霞ヶ関がなくなれば、変わるでしょうね。
あの辺りで生息していると、ニンゲン、マネキンのように。
ところで安保法案に反対のショボいデモが、あちこちで。
大人になりなさいよ。
バカは変わらないでしょうがね。
大阪ではハッシーくんが、またぞろ。
のようで。
子だくさんとかで、やることは抜かりなく。
のようで。(笑)
まとまりなく、失礼しました。
ごきげんよう。
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