いやはや、困ったことになってきましたね。
横浜LaLa事件は至って属人的な問題かと思っていたら、
旭化成建材の「会社ぐるみ」的な犯罪性を帯びてきました。
はたまた三井住友建設の「見て見ぬふり」も疑われます。
そうなれば、話は3040物件では済まなってしまいますね。
前にも書きましたが、2㎝程度傾いているマンションは多数あります。
ボーリング調査をしたら「うちもそうだった」なんて
物件が続出しそうな気配さえ感じます。
儲かるのはボーリング調査会社だけかもしれません。
マンションの建設現場がかなり「いい加減」なことは知られています。
「杭なんて本当に刺さっているのかよ」という認識は、
あの業界の普通の人ならみな思っていたことです。
時々酒席で話題に出ていましたが、そんなこと突き詰めても仕方なし。
私はマンションの広告を書くコピーライターとして、
「N値50以上の強固な支持基盤にX本の杭を打ち込み」
なんてフレーズを幾百と世に送り出しました。
その何%かが「嘘かもしれない」という現実が出てきました。
我々がよく言う「新耐震」というのは、
「震度7の地震がやってきても人が死なない」程度の基準です。
「人が死ぬ」というのは建物がグチャっと崩れたり、
バタっと倒壊することを想定しているのでしょう。
その「新耐震」の基準を満たすためには
「N値50以上の支持基盤」に、既定の杭が刺さっている必要があります。
少なくとも、建築基準法ではそう定められています。
ところが、今回の事件で明らかになりつつあるのは、
その「杭工事」が現場ではかなりいい加減に行われていたということ。
その結果、2㎝傾いたマンションがあって、それが公になった・・・
多分、同様に「杭が刺さっていない」マンションはたくさんあるはず。
まあ、業界インサイダーにとっては「恐れていたことが現実に」の世界。
でも、心の片隅では「まさかそんなことないだろう」とは思っていました。
「杭や躯体ぐらいは真面目に作っているだろう」という儚い期待。
それを見事にうち破ってくれましたね。
私は過去に新築マンションの広告を20数年作ってきました。
おそらく千冊以上のパンフレットのコピーを書きました。
数百のモデルルームを見ました。数千種類のチラシを作りました。
ほとんどすべてのデベロッパーのマンションを担当しました。
多分、千人以上の業界人と名刺を交わしました。
その間、ずっと思ってきたのは、あの業界は「消費者軽視」であると。
お客様に「買っていただく」のでなく「売ってやる」「買わせる」。
顧客のクレームは自分たちが悪いのではなく「言いがかり」。
説明するのではなく「騙す」、「ごまかす」。
マンションの広告やモデルルームは、お客様に商品の内容を
キチンと伝えるのではなく「幻想を抱かせる」ことが目的です。
そんな業界の体質が如実に表れたのが今回の事件。
三井不動産レジデンシャルが「全棟建て替え」を提案したことで、
「大手だったから安心」という声も上がっていますが、トンデモナイ。
同時期に、客観的にかなり「いい加減」な施工をしていた
新浦安の戸建て住宅が3.11で傾いた事件では、
強力弁護団を擁して「三井不動産の責任は無し」という
高等裁判所の判断を取っています。
今回、たまたま動かしがたい事実が見つかったので
「誠実そうに」対応しているだけではないでしょうか。
現に、三井不動産レジデンシャルにすべての責任があるにもかかわらず、
未だに記者会見さえ開いていません。あれだけのことをやっておいて。
さて、今回の事件で私が最も危惧しているのは、
マンション全体に対する不信感の広がりです。
姉歯事件の時は、全体像が極めて属人的でした。
ああいう変な建築士と強欲なデベの社長が組み合わさったからこそ、
「耐震偽造」というマンションが生み出された、という見方です。
だから、「その他の多くのマンションはキチンと作られている」
という空気が広がり、その後の大手志向にもつながりました。
今回は、その大手の中でも最もブランド力のある「三井」の事件。
それが「たまたま」であればよかったのが、この広がり方。
まあ、逆に「マンションなんてそもそもデタラメなもの」という
感覚が一般的になれば、影響も薄めるのでしょうが・・・
毎日のように、私のところにメディアが接触してきます。
もう峠は越えたようですが、尾は引きずるでしょう。
実に嫌な事件です。私の仕事にも悪影響があります。
しかし、逃げるわけにもいきません。
ただ、私には別の世界もあります。それはバリ島。
日本で不動産を買うことは難しい時代になりましたが、
バリ島の不動産に投資するには、かなりフォローになっています。
今、中国発の「資源過剰不況」がバリ島のあるインドネシアに影響。
ルピアがかなり安くなってきました。
バリ島の不動産を売る人間は2種類に分かれています。
それは、我々日本人を含めた先進国人と、現地の人々。
現地のお方が売主となった場合は、「ルピア建て」です。
ここ半年くらいで、ルピアはおおよそ2割ほど円に対して
安くなってしまいました。
つまり、我ら日本人にとってバリ島の不動産が値下がりしたのです。
ただし、これは現地のお方が売主の物件だけ。
EU人はユーロ建てで売値を決めます。
日本人所有の不動産は、円建てで売り出されるケースが多いですね。
しかし、日本人がインドネシア人所有の不動産を買う場合、
だいたいがルピア建てで取引されます。
中国人が日本の不動産を「爆買い」しているのは、
彼らにとって3年前とくらべて「4割引き」で買えるから。
同様に今、日本人はバリ島の不動産を半年前の
「2割引き」で買うチャンスなのです。
11月29日の土曜日に、いつものバリ島不動産セミナーを開きます。
少人数開催です。セミナー終了後は、軽く飲み会を開きます。
どうぞみなさん、お気軽にご参加ください。
来年にはまた、私が同行する「バリ島不動産視察ツアー」を催行予定。
そのスケジュール調整も、セミナーの参加者さんと行う予定です。
「榊淳司のお奨めマンション速報」
購読料 1ヵ月 1,590円※購読料金のお支払いはクレジットカードのみとなります。お申込みは コチラから 次のページの右下「カートに入れる」をクリックしてください
まろたんさん、こんにちは。
確かにおっしゃるような一面もあります。
多くの不動産が死蔵状態です。
しかし、そういう不動産を
「タダでもあげる」といわれても
「要らない」という人が大半なことも事実。
不動産は「保有するだけ」では意味のない時代。
何かの使い道があってこそ、価値があります。
今のニッポン、地方の大半の不動産は使い道がありません。
こまったことに、今は「相続者なし」の不動産がたくさん。
土地はほっておけばいいのですが、マンションだと困ります。
管理費を誰も払ってくれませんから。
けっこう多いらしいのです。独居老人、相続人なし。
わがニッポン、思った以上に疲弊しています。
それではまた ごきげんよう 榊淳司
2015/11/01 10:13 | by Sakaki Atsushi榊さま。
お休みの処、ご回答いただき有り難うございました。
市場価格は、不動産に限らず「需要と供給」で決まると。
今、多くの識者が言うておられます。
これから日本は人口減り、住宅が余る。
だから住宅の「市場価格」は下落すると。
しかしですよ「余剰」すなわち「供給」とは限りません。
どんだけ余っていても、市場に「売り」に出なければ、
「供給」とはならず、その結果「需要」と見合って、
日本国中、余ってはいるが、市場価格は下落しない。
という「珍」現象は、起こり得ないでしょうか?
所有不動産のばあい「固定資産税」の負担があります。
この負担が重ければ「価格を下げても」売りに出すでしょう。
が、そうでもなければ、持ち続ける。
つまり、売り出さない=供給は増えない=価格は下落しない。
日本人は、不動産に愛着を持っていませんか。
特に地方ベッタリのタミ草は?
安値で売るくらいなら持ち続けようと。
であれば、どんだけ余剰でも供給にならず、
価格は「下落しない」と。
不動産は他のモノ、例えばナベカマと違いますから。
ま「固定資産税」の多寡にもよるでしょうが。
昨今の、不動産余剰=価格下落の論評に、素朴な疑問を。
どうなんでしょうね。
お休みの処、失礼しました。
ごきげんよう。
まろたんさん、こんにちは。
高すぎるのもあれば、値段がついていないのもあります。
郊外まで行けば、ほぼタダです。
すべては需要と供給。
「高すぎる」価格でも買う人があれば、
それが市場価格です。
今の東京も、これが市場価格。
5年後にどうなっているかは分かりませんが、
供給が需要を上回っている構造は変わらないはず。
ただ、市場に出回るマネーの量は増えているかもしれません。
そうなれば、何かを買わなければいけないので、
バブル的な価格が維持されているかもしれません。
まあ、そんなことにはならないと個人的には思っていますが。
それではまた。 ごきげんよう 榊淳司
2015/10/31 16:53 | by Sakaki Atsushiまろたんさん、こんにちは。
言いたいことは最後に言う。
そのとおりでございます。
不動産を買うなら、日本よりも経済成長国。
しかし、この事件は広がり続けています。
困ったことになりました。
では、次へ。 ごきげんよう 榊淳司
2015/10/31 16:48 | by Sakaki Atsushi榊さま。
今の、日本の不動産価格について、以下、お聞きしたい。
人口百万を超える大都市圏はともかくとして、
それ以下の人口規模の「地方」について。
私見では「高過ぎる」と認識しますが、何故この価格で?
「安いという現状が、認められないのだ」と言う人あり。
とっくに終わった自分の現状を認められない、
アラフォー女たちが「婚活にしがみつく」ような。
そんな断末魔的心理でしょうか?
この先、例えば5年後ですが、
この「しがみつき」情況は変わっているでしょうか?
つまり「もはや下落したんだ」とにんしきするd
榊さま。
ひとは、いちばん言いたいことを最後に言うと。
ジョーダンですよ。あしからず。(笑)
さて。
日本国は「大地震必発」の国土ですよ。
他国・他地域とは事情が違いますよ。
それなのに「杭打ちスカスカ」では「殺す気か!」でしょう。
10年前の「姉歯事件」。
アネハ本人は、刑事犯として実刑をくらい服役したと。
その他の「役者連中」も刑事罰を受けたそうです。
しかし、ですよ。
今回の「ララ横浜事件」。
どっかで見たよなあー。この光景は。
そうだよ。
「役者」が変わっただけじゃん!
ま、この辺で。
カエルの面にションベン、と言いますからね。(笑)
時過ぎれば、ものみな「風」になる。
「風化」って言うんですか。これ。
これって、英語や仏語で、何と言うんですかね?
ああ、またしょーもないことを書き散らして。
ご無礼致しました。
ごきげんよう。
2015/10/30 21:05 | by まろたんRSS feed for comments on this post.