私はマンションに関わって、まもなく30年になります。
その間、いろいろなことを経験し、眺めてきました。
現在、確信をもっていえることは、新築マンションの
開発分譲という事業スタイルが「終わりの始まり」を迎えている、
という残念ではあるけれど、厳然とした事実です。
私は、東京23区の内18区で販売されている新築マンションの
現場を3,4か月かけてすべて調査しています。
その結果は「資産価値レポート」というものにまとめて
有料で公開しています。
私の資産価値レポートは、1本読むと他も読みたくなって
いくつもご購読くださる方がいます。
最近、リピート率は出していませんが、おそらく6割くらい。
まあ、そんなことはどうでもいいのですが・・・
この資産価値レポートを更新していて感じることは、
「物件が少なくなった」という粛然とした現実。
例えば、東京都港区というのは新築マンションの主戦場のひとつ。
かつては30物件ほどが同時に販売されていて、
かなり華やかな様相を呈していました。
今、物件数こそそれなりにありますが、中身はスカスカ。
選ぶべき物件が本当に少なくなりました。
もちろん、価格も不自然なまでに高騰しています。
江東区湾岸エリアは、東京オリンピックの主会場的なところ。
ここは成金チックなタワーマンションの供給が多いのですが、
最近では目立って供給が少なくなりました。
豊洲エリアでは、マンションとなりうる土地が出づらい状態。
土地が余っている有明エリアは、オリンピック後の荒廃を予測してか、
どのデベロッパーも及び腰です。
一時的にブームになりかけた「カジノ構想」も、
知事が変わった途端に誰も何も言わなくなりました。
2015年のマンション供給は、大幅に落ち込みそうな気配です。
当初予測は4万8千戸。実態は4万に届くか否か。
最近、私のところには2016年の「不動産暴落」や「バブル崩壊」
に関するコメントを求める取材が多くなりました。
まあ、暴落とまではいかなくとも、不自然に騰がった価格に
それなりの調整が入ることは間違いなさそうです。
ただ、外国人の買いは衰えていないので、前半はまだ
上昇基調が続く可能性はわずかながらにあると思います。
しかし、新築マンションの開発分譲、というビジネスモデルは
今までと同じではいられないのが厳然たる事実。
すでに、郊外型の大規模マンション開発は鳴りを潜めました。
来年もいくつか登場するでしょうが、増えることはないでしょう。
3年くらい前に書いた「磯野家のマイホーム戦略」で、
「10年後の新築マンション市場は今の1割規模」といった
内容のことを言いました。あと7年です。
3年前からすると、2割ほど供給戸数が減りました。
来年は、さらに減ると思います。困りますね。
私は、世の中の「先の先を読む」という悪い癖があります。
なぜ「悪い癖」かというと、あまり役に立たないからです。
ビジネスで成功するには「先の先」は必要ありません。
三歩先ではなく「半歩先」を読むことが成功につながります。
「三歩先」だと、誰も現実感をもって想像できないのです。
「10年後に1割まで減る」なんて言っても、それは別世界の話。
普通の人間は10年先どころか、1週間先くらいしか見えません。
不動産屋さんの経営者でさえ、せいぜい数年先でしょう。
5年先のことすら考えられませんね。
オリンピックが終わるまで、あと4年と9か月ほどです。
東京という街には、その後の華やかな未来が見えません。
実は、東京は日本でもっとも「マシな街」です。
日本の他の街の多くでは、激しい衰退の途上にあります。
しかし、東京でも5年後からは確実に衰退が始まります。
その予兆が激しく現れるのが2016年ではないかと考えています。
新築マンションの供給が減るのも、その現象のひとつでしょう。
このままでは、来年の首都圏での新築マンションは
3万戸台の前半にとどまるかもしれません。
2017年には3万戸を割っても不思議ではありません。
かつて、この数字は8万から10万戸でした。
つまり「新築マンションで食える」業界人のボリュームも
かつての3分の1程度にまで減らなければならないのです。
現実に、半分くらいまでは減ったと思います。
来年は、さらに厳しくなるでしょうね。
逆に、中古マンションの取引量は増えるはずです。
したがって、仲介業が養える人数は増えます。
今後の不動産業住宅部門の主役は、新築開発系から流通系へと
変わっていくのだと思います。
3年くらい先には、それが鮮明になっているはず。
私が学校を出て2年後に関わることになったマンション業界は、
私の現役引退を待たずして「滅亡」同然に衰退するようです。
何とも寂しい限りです。しかし、この運命は避けられません。
私という人間は、それを眺めながらアレコレいう以外に、
特に何かができるわけではありません。
平家物語の語り部のように、諸行無常を嘆くより他ないのです。
といっても、まだ「先の先」、あるいは「散歩先」の話ですが。
さて、資産価値レポートの更新情報です。
今回は「新宿区総集編」を最新情報化。
西新宿の60階タワーは完売しましたね。
竣工する頃の市場環境が心配です。
どうせ外国人と相続税対策買いが大半でしょうから、
竣工と同時に大量のウリ物件が湧いてくると思います。
一方、新規に出てきたのは小ぶりなものばかり6物件。
大和ハウス工業のプレミスト新宿山吹が、
比較的に少し大きめでしょうか。でも実売は60戸です。
全体的に市場が収縮していますね。
でも、選べる物件もチラホラあります。
メルマガ読者さんには、のちほどお知らせしますね。
■ザ・ヒルズ市谷薬王寺、■ザ・パークハウス 市谷甲良町、■ブランズ牛込神楽坂、■ローレルコート新宿夏目坂、■インプレスト早稲田、■オープンレジデンシア神楽坂若宮町、■クリオラベルヴィ市ヶ谷、■プレミスト新宿山吹、■オープンレジデンシア神楽坂 並木通り、■ザ・サンメゾン目白近衛町エルド、■スカイフォレストレジデンス、■ザ・パークハウス 新宿御苑、■プレミアスイート外苑の杜、■アトラス市ヶ谷、■ガーデンヒルズ四ツ谷 迎賓の森、■プレシス新宿御苑レザリス
バリ島への不動産見学ツアーを公式に開催します。
時期は2016年の2月頃です。まだ、正式な日程は未定。
みなさん、ご希望があれば「お問い合わせ」からお知らせください。
ほぼ再考することが決定しました。
●日程:2016年2月から3月頃
●宿泊:1泊78ドル程度でプール付きヴィレジのヴィラをご用意できます。お二人でも同額。現地精算。
●費用:現地で不動産見学1日2万円(車、ガソリン代、運転手などの実費です)
●航空便:各自でご手配ください。直行だとガルーダのみ。8から9万円。
乗り継ぎだと、韓国や台湾、シンガポールなどがあります。やや割安。
●送迎:不動産ツアーに参加していただく場合、空港への送迎は無料です。
●榊淳司:みなさんの不動産ツアーに同行します。お嫌でなければお昼と晩御飯をご一緒します。費用は割り勘。
●現地での銀行口座開設:1口座3万円の手数料で承ります。
●その他、観光やエンタテイメント等のご要望があれば現地スタッフが可能な限りご希望に沿う努力をします。
こんな具合です。日程は参加者の皆さんの希望を優先するつもりです。
ですので、まずお知らせください。
「榊淳司のお奨めマンション速報」
購読料 1ヵ月 1,590円※購読料金のお支払いはクレジットカードのみとなります。お申込みは コチラから 次のページの右下「カートに入れる」をクリックしてください
まろたんさん、こんばんは。
また、新たな仕事が入ってきそうでちょっと滅入っています。
1日7時間労働という枠を広げなければいけないかもしれません。
しかし2025年ですか。
私は63歳になっていますね。
引退間近かしら。
でも体が動く限りはなんかやっていそうですね。
年金をがばちょともらえるわけでもないので。
まあ、私には年金よりも頼もしい
「悪知恵」というものがありますが(笑)。
世の中、なるようにしかなりません。
目先の努力を続けて幸運を待つ。
それが私の最近の生き方。
時々、小さな幸運が転がり込んできます。
でかい幸運は一生に一度でいいのですが
まだ来ていないようです。
まあ、ぼちぼち行きます。
お神酒がまわってきました。 ごきげんよう 榊淳司
榊さま。
ここ10年来の、突出した御多忙と。
大変ではありますが、まことに慶賀の至りでは、有馬温泉。
さて、昨今。
紙もウエブも、メディアは今「2025」がキーワードのようす。
なぜ、2025なのか?
現時点から10年後という単なる「時間の区切り」ではないようです。
もっと質的な変化に対する思いが込められているようです。
その思いとは?
ポスト五輪、祭りのあとの「虚脱感」でしょうか。
団塊が後期高齢者に突入し社会保障の「どん詰まり感」でしょうか。
国家財政の更なる積み上げによる「無力感」でしょうか。
ほか、列挙すれば尽きない思いが・・・?
で。
わかいもん、敢えて区切れば、30才以上のものも、
この「2025」の区切りを意識しているようです。
これからの10年。
今までとは違うだろうという予感。
「2025に、きみは生き残っているか?」
という、
今、21世紀を生きる日本人に突きつけられた「黙示録」。
いつの時代でも「明日」は見えないものです。
が、ちょっと違うなあ。
なんとなく「ぶきみ」ですねえ。
現今ニッポンの、この「静けさ」は。
ま、貧乏性のなせるワザ。
単なる取り越し苦労でしょうかねー。(笑)
ご多忙中、失礼致しました。
ごきげんよう。
まろたんさん、こんばんは。
やーですねえ、年寄り社会。
でも、そのうち自分が中間層になります。
かつて、人類の社会構成で初めての世界が生まれます。
年寄りに気を使う社会。かなり不健全。
今でも、若者は袖を喰っています。
いけません。でも、どうにもなりません。
私、目先がとっても忙しいです。
ここ10年でいちばんかも。
でもまあ、マイペースでやります。
またまた雑誌をありがとうございます。
ありがたく読ませていただきます。
ごきげんよう。 榊淳司
2015/12/21 23:14 | by Sakaki Atsushi榊さま。
最も大きな要因は、やはり「人口の年齢構成」でしょう。
65才以上の人口と、その総人口比は、
2015=3400万人(27%)
10年後の、
2025=3700万人(30%)
更に、
2055=3600万人と人数は増えませんが、
なんと総人口比=(40%)と予測。
割合は「総人口比」ですから、選挙の「有権者比」では、
65才の割合は、ごっついものになるでしょう。
まさに「シルバー・デモクラシー」の完成です。
政治家は、ただただ年寄り向けにバラマクように、
なるかも?
だれしも、落選したくないでしょうからね。
わけーのは「ふてる」でしょうかねー。(笑)
政治家だけではありません。
ビジネスも、年寄り向けのものに活路を見いだす、
しかないでしょう?
やっぱ、数には勝てまへんで。
戦後、日本経済は世界の頂点を極めましたから、
この先、どこまで落ちてゆくのか分かりませんが、
高く上がったぶん、まだ「落ちてゆく余裕」があります。
変な表現ですが。
で、ズンズン落ちながら、バラバラと間引かれてゆく群像あり。
その群像は、法人も個人も、老若男女も、全部ひっくるめてです。
「間引かれ」「野垂れ死に」しないよう、
おいらも老体にムチ打って、セイゼイきばるしかおまへんわ。
日銀総裁には、セイゼイ輪転機を回し続けてもらわんと。
「神さまホトケさま、日銀総裁さま!」(笑)
メルヘンですよねー。
ごきげんよう。
2015/12/21 22:12 | by まろたんRSS feed for comments on this post.