不動産業界は反学歴社会

ここのところ、不動産市場の先行きに暗雲が垂れ込めている、
といった記事を読むことが多くなりました。
私も盛んに書いていますが(笑)。まあ、私はいつもそうですね。
不自然に上がった価格は自然の法則にしたがって下がる、
というのは自明のことなので、仕方のないことでしょう。

昨日、オッサンばかり3人で酒を飲みました。
そのうちのひとりが、ちょうどお子さんの受験時期。
「一浪して慶應と、現役で青学だったらどっちがいいと思います?」
と聞かれた私。
「そんなの一浪で慶應でしょう。一浪なんて25過ぎれば関係ないですから」
とまあ、そんな会話をしていました。
しかし、よく考えてみれば、今の日本社会はかつてないほど
「学歴なんて関係ない」状態になっています。

自分の人生を振り返って思うこと。
マンションの広告屋だった頃は、それこそまったく学歴関係なしの世界。
およそ不動産屋の世界では、どこの学校をでたかというより
「どれだけ売れるか」、あるいは「どれだけ買えるか」だけです。

会社で言えば三井不動産と三菱地所と東京建物以外、
入ってしまえば学歴は一切関係ありません。
ましてや不動産販売や私がいた不動産広告の世界では
大卒である必要さえないほどです。
ただ、実際は9割以上が私立文系でしたが。

大東亜帝国と日東駒専とGマーチと早稲田(慶應はいない)が
グチャグチャに入り乱れてガヤガヤとやっている世界。
だいたい、みなさん数学と算数が苦手で、論理的素養はゼロ。
理屈が理解できるのは1回転半まで。
「Aは…という理由でBなのです」
と、ここまではいいのですが
「Bは…という性質があるのでCとの融和度が高いのです」
ときたら、もう理解できていません。
せいぜい「Bを多少変化させるとB‘です」まで。

英単語で意味を覚えているのは中学2年生レベルまで。
「エキセントリック」とか「ドラスティック」という
ワードを使うと、9割の方は理解できません。
「ストラテジー」というところを間違えて「ストレージ」と
大声で叫びながらプレゼンテーションしている現場を見ました。
その場にいた10人以上の私立文系は、誰もその間違いに気づかず。
私はそういう世界を20年以上泳いでいたのです。

「榊淳司」というペンネームで活動を始めてから、
その「学歴関係なし」ワールドが、少々変化しました。
私の前に登場する編集者や記者さんに学歴を尋ねることなど
滅多にありませんが、酒席では時々おかしなやりとりをします。

とある週刊誌の副編集長から「お食事でも」とお誘いいただき、
ホイホイとお呼ばれに行った時のこと。
お互いの出身地を言い合うと、その方は神戸でした。
私は若い頃、神戸の受験予備校で働いていたことがあるので、
兵庫県の高校についてはわりあい詳しいのです。
それで、相手を驚かせてやろうという下心で
「高校はどちらですか」とお聞きするとそのお方・・・
背がすらっと高くてハンサム。それでいて上品な感じ。
すました顔で「灘です」。「ギョエー」となりますわね。

それで、おそるおそる「ということは京大ですか?」。
「いえ、東大です」 またぞろ「ギョエー」。
それで、こんどは茶化し半分で、
「もしかして『週刊・・』は東大卒が作っているのですか?」
彼は冷静な顔で、編集部内の顔ぶれを思い出しています。
「そういわれれば、半分以上が東大ですね」
もう、開いた口がふさがりませんでした。

「ということは、あの・・・のセックス記事も、編集担当は東大ですか」
「ええ、そうですよ」とすまし顔。
いやはや、いやはや・・・の世界。
私はせいぜい早稲田あたりを出た元気のいい編集者が
「やってられねーなあ」とか言いながら、ああいう特集を
毎度のように担当しているのかと想像していました。

先入観を持ってはいけません。
世の中、私程度の人間のアタマの中では推し量れないのです。
実は、私は東大と京大にはコンプレックスをもっています。
最近、ある出来事があって以来、東大に対する
コンプレックスは急激に縮小しているきらいはありますが(笑)。

ただ子を想う親からすると、少しでもいい学校に入って欲しい、
と思うのは当たり前ですね。
昨日のオッサンのひとりも、悩みは深いご様子でした。
このシーズン、なぜかこういう話題が多くなります。

受験で勝ち組に入れるのは、ほんの少数。
そして、いい会社に入っても出世競争に勝ち残れるのも少数。
そういうことをめざしても9割がたが負け組になります。
私のように零細企業を営んだり、文筆業で生きていくには、
学歴なんてほとんど関係ありません。
まあ、文筆業の場合はあった方がいいとは思いますが、
それが参加資格というほどのことはありません。
ましてや、不動産業なんてほとんど学歴不要。
あまり偏差値の高い学校を出ていると、かえって邪魔ですよ。

そう思えば、不動産業界は社会のセーフティネットみたいなもの。
いつでもある一定の市場規模があって、世の中どう変わろうと
絶対に生きていけるビジネスです。土地があって人間が生きている限り。
だから、これからの時代は下手に学歴付けて大企業をめざすよりも、
不動産業界で何か自分なりの得意技を身に着けるべきですね。
昨日のオッサン飲み会の後、ぼんやりそんなことを考えていました。


3月4日 (土)榊淳司の不動産売却&投資ご相談会

を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はいつものところです。

開催日時:3月4日(土)13時~17時
開催場所:セトル 4階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

3月4日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回のご参加は9名様で、待ち時間がございました。
今度はどうだか分かりませんが、
「押すな押すな」ではなさそうだと思います。

「榊淳司のお奨めマンション速報」

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2017/2/22 15:49 Comments (0)

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