GWの5連休はずっと自宅で過ごしていました。
下手くそな大工仕事していたのです。
普通、1日か2日は事務所に出て仕事をします。
でないと相談や締切が溜まってしまうからです。
で、8日に出てみると案の定。
相談にお答えして、依頼原稿を書くだけでおしまい。
昨日は「今日は仕事ができるぞ」とやっていたら、
夕方に飲み仲間が来訪。当然、お酒になってしまいました(笑)。
しかし、昨日のお話はちょっとショックでしたね。
彼は50代の不動産屋さんですが、事務所にやってきて
まだビールを開ける前に「会社が倒産しちゃった」と。
そこは新築マンションの販売を主な業務とする会社です。
「売れないし、売るものがない」から倒産だそうです。
2か月くらい前、とある情報企業の社内研修会に呼ばれました。
短い講演が終わった後はトークセッション。
いろいろな質問が出たのですが、中にひとつ
「新築マンションの業界はこれからどうなりますか?」
一緒に答えた長嶋氏も私も、ほぼ同じ見解。
「専業デベロッパーは成り立たなくなる」
「市場規模は縮小すれども拡大しえない」
三井や三菱、住友などの大企業はマンション開発なんて傍流。
どちらかというと汚れ仕事みたいなもの。
しかし、世の中にはまだ新築マンションの開発を
専業にしているデベロッパーもあるのです。
カタカナ系の生き残りはゴールドクレストとかタカラレーベン。
ゾンビ系ではモリモト、プロパスト、大和地所レジデンス。
こういった企業は、業界の規模が小さくなるに従い、
事業を展開するフィールドがどんどん狭まります。
いくつかの企業は倒産せざるを得なくなるでしょう。
まあ、リーマンショックの時のようなバタバタといった
倒産劇はないと思いますが。
その飲み仲間は以前から独立を狙っていましたから、
まあある意味チャンスですね。失業保険もすぐに出ます。
じっくりと準備をしてブローカーデビューを果たす・・・
あるいは、同業他社からお誘いもかかっているようです。
不動産屋としての経験・実績があれば、まあ何とかなります。
ただ、彼の同僚にはいきなり苦しくなる人もいるようです。
子どもが大学生で住宅ローンと教育ローンも
引っ張っているようなお方がいらっしゃるそうです。
教育ローンを引っ張るということは、預金が少ないからでしょ。
そのお方は不動産屋ではなく総務・経理系だとか。
人間、生きていくには「芸」が必要です。
別の言葉では「スキル」なんていいますね。
不動産屋の場合は、業界内での顔の広さと信頼性。
不動産屋でも営業の場合は「売る力」。
それに比べると事務職というのはいかにも弱いですね。
この業界、私も含めて先細りの対策をする必要があります。
新築マンションの販売や広告、関連情報で潤えた時代は、
すでに終わりつつあるのです。
私はしばらくこの分野をやっていくしかありませんが、
若いお方はあまりこの業界をめざさない方がいいでしょう。
私は3年ほど前から次の様に書いています。
「新築マンションの供給量は10年後には今の1割に」
その頃の供給量が首都圏で5万戸だとすると、
あと7年後には5千戸になっているということですね。
十分にあり得る話ではありませんか。
なんだか背筋が寒くなります。
人間というのは、都合の悪いことについては
あまり想像力が働きません。
「見たくないものは、見ない」ように出来ています。
しかし、都合が悪かろうかよかろうが現実は進みます。
来年あたり、新築マンションの供給量が激減しそうですね。
それこそ、3万戸を大きく割るようなことも想定できます。
2万5千戸とかになると、かつての4分の1です。
デベだけでなく、販売会社もその周辺の業界企業も倒産します。
そして、五輪が終わって2年も経つと2万戸を割るかもしれません。
ただし、価格が安くなったりはしません。
供給は次第に都心に限られるようになるでしょう。
そういうところでは、ホテルと競合しますから
土地の価格は下がりません。高いまんま。
一方、建築費が下がるとも思えません。
その背景には人手不足があるからです。
新築マンションは高止まり。中古マンションは・・・
今でもものすごーく供給過剰です。
特に思惑買いが先行した湾岸エリアのタワーマンションは
どのエリアでも売り物がいっぱいあるのに成約はわずか。
いつ、市場が崩れてもおかしくないのです。
新築と中古の価格は徐々に乖離していくでしょう。
新築につられて一時的に上昇した中古価格も、
次第に弱含みになるはず。基本は需給関係ですから。
ですから、売りたい物件があれば今の内です。
を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はいつものところです。
開催日時:5月13日(土)13時~17時
開催場所:セトル 4階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)
5月13日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回のご参加も5名様で、
一部の方に待ち時間が多少ございました。
ここ3回ほどは5名様のご参加で安定しています。
「榊淳司のお奨めマンション速報」
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ゆもちんさん、こんにちは。
コメントをありがとうございます。
不動産経済研究所がそのように発表をしているのなら、
すでに土地は仕込まれているということでしょうね。
でもこの業界、「塩漬け」が日常茶飯事です。
中には10年も寝かす場合があります。
中々予定通りに行きません。
公営住宅の建て替えは、賃貸のみです。
民間デベなどに売却することで相当に進んでいます。
しかし、建てても入る人がいなければ困ります。
需要という観点に立てば、先細りは免れません。
すでに事業の縮小を考えているデベも多く、
マンション業界もそれなりに身構えていますね。
また、コメントをお待ちしています。
榊淳司
2017/05/12 13:31 | by Sakaki Atsushi榊さま
ご存知とは存じますが
2017/04/25に不動産経済研究所から発表されました「超高層マンション市場動向 -2017」によりますと
首都圏の高層マンションの年次による開成予定は下記の通りです。
2017年 24棟 8,400戸
2018年 27棟 8,767戸
2019年 38棟 12,404戸
2020年 37棟 14,988戸
2021年以降 60棟 36,360戸
高層マンションだけでも、これだけのマンションが販売されます。
まだまだ、低層マンションの需要もありそうに感じます。
なんてったって、日本は地震大国ですから!
これに、東京オリンピックの選手村が大会後に改修されマンションとして販売されたりしますので
2024年ごろは、マンション業界にとって、非常に寒い時期になっているようにも感じます。
一方で、東京・神奈川には築50年超のコンクリート系の集合住宅が非常に多く、これらを新築し直すとなれば、潜在的に非常に大きい需要が見込まれます。
あくまで、建替えればです!
個人的には、都内や川崎市は、古い都営(市営)住宅は建て替えを積極的にやっているように感じます。横浜市の市営住宅なんかは、まだまだ、これからな感じですので、これも潜在的には非常に大きなマーケットになりそうな予感。
今は、団塊の一世代前(戦前生まれ)の方々が単身で住まわれているように思いますので、平均余命で考えると、2025年以降あたりに、大きな潮目の変化が起きるように思います。
2017/05/11 13:41 | by ゆもちんまろたんさん、こんにちは。
5000戸なら住友不動産1社でもいけそうですが、
そうなると独占で滅茶高になりそうです。
だからやはり7,8社が適正でしょうか。
実際は片手間デベも含めて30社くらいは残ると思います。
東洋経済のこと、ぜーんぜん知りませんでした。
早速買います。あそこの紙部門とは
あまり連携していないのですけどねえ。
まあ、ありがたい話です。
東京は夕方になって小雨です。
明日は27℃まで上がるそうです。
ではまた、ごきげんよう。 榊淳司
2017/05/10 18:24 | by Sakaki Atsushi榊さま。
2024年には5千戸ですとー。たったの。
10社くらいのデベでこなせる戸数では有馬温泉?
2024年。
オリンピックが終わって、4年後。
団塊600万人が、後期高齢者・75歳に突入は既定路線。
そのとき、どうなっておるのでありましょうや。
ニッポン!
さて。
今日、図書館で、週刊東洋経済・最新号をパラパラと。
あれれー。
榊さまの新著「マンションは・・・」のブックレビューが掲載。
もちろん御存知のことかと。
昨日今日と、ウエスタンは雨模様で、やや寒。
明日は快晴、29℃の予報。
上がり下がりが、きつー。(笑)
ごきげんよう。
2017/05/10 17:40 | by まろたんRSS feed for comments on this post.