不動産世界の未来を占うと・・・

不動産市場に対する懐疑的な見方が強まってきました。
当初は、ほとんど私だけ、という状態でした(笑)。
今は他の人の論評にも「今後は下落」と出ています。
さらには2022年問題も浸透してきた感じがします。

それにしても、まだまだ「マンションが買いたい」という
「買いたい病」の人の多いこと。ビックリします。
そういう人は、どれだけ高くなっても
「買えるものを買う」という購買姿勢なので、
今のような非常識価格でも「買える」物件を探してきます。
まあ、どうぞご勝手に、の世界。

不動産市場も、やはり「空気」が大切。
今、「これからは価格が落ちるな」と思っているのは
ほぼ業界インサイダーな人々。エンドユーザーさんは、
まだまだそこまで深刻には考えていません。
「オリンピックまでは大丈夫」みたいな感覚が多数派。
ただし、空気が変われば市場の風景は一変します。
最近、その空気がちょっとずつ変わってきました。

安倍君の支持率がジワリと改善してきています。
朝日新聞と毎日、東京は「全社あげて」くらいに反安部一色。
テレビも加計問題で全文部次官のコメントを垂れ流す
偏向報道で随分とバイアスをかけていました。
でも、国民を印象操作しきれなかった感があります。
つまりは、国民の一定割合はメディアを信じていないのです。

何週か前の週刊現代が強烈な「暴落」特集を組みました。
もちろん「暴落専門家」の私も登場しています。
まもなく「現代ビジネス」にも出るでしょうから、
誰もが読めるようになるはず。

これまでにも現代さんはさんざん「暴落」をやってきました。
私もほどほどにお手伝いはしてきました。
でも、世間では暴落なんて起きませんでした。
まあ、メディアとはそんなもの。読む方も本気にしません。

ただ、最近はメディア全体の風向きが変わってきましたね。
不動産市場の先行きに強気を唱える論調が見られなくなったのです。
その昔、某経済専門誌が「不動産・マンション特集」をやったら、
そこがバブルの頂点だ、という見極め方がありました。
まあ、確かに半年前位にそういう特集がいくつかあったような。
しかし、論調は「まだまだ上がる」とはほど遠い感じ。
それよりも「今後を警戒せよ」的な論調が多かったような。

そして今、メディアからは強気派が見事に消えています。
さて、今後はどういう展開になるのでしょうね。
私の予想通り、オリンピックまでのどこかでドカーンとした
暴落場面がやってくるのか?
まあ、未来のことは誰にもわかりません。
しかし、私の「暴落唱導」は一定の役割を終えたようです。

今日は「暴落後の市場」を考えてみましょう。
おおよそ5年から10年先のお話。
まず、この局地バブルを生みだした異次元金融緩和は、
徐々に正常化した、という前提に立ちます。
長期金利は2%から3%。住宅ローンは3%から4%。

まず、2017年に比べると都心周縁でも不動産価格は
概ね半額になっています。ただし、青山や番町は別です。
都心部の賃貸価格も下がって、今の6割から7割。
それでも空室が目立つでしょうね。

オフィスビルも「大空室時代」を迎えているはず。
大量供給されたわりには、在宅勤務などの広がりで
オフィス床への需要は減退している可能性が大きいからです。
当然、オフィス賃料も抑制されているはず。
そこは半額とまでは言いませんが、3割減でもおかしくありません。

駅前の大型商業施設も3割程度が閉店しているはず。
池袋の西武といえども、慢性赤字に陥っている可能性が大。
銀座のデパートは、ほぼほぼ外国人向けに様変わり。
もちろん、道行く人の大半は外国人に。
それも欧米系が主流になっていると推測します。
まあ、それはどーでもいいのですが。

マンション業界はどうなっているのか?
分かりやすく言えば、分譲マンションの開発事業は、
ほぼほぼ壊滅しています。規模は今の1割から2割。
都心で新築マンションを分譲すると、土地代や建築費の関係から、
分譲価格は坪単価400万円から1000万円になるはず。
つまりは、今と大して変わらないわけです。

ところが、築10年くらいの中古マンションは、
高いものでも坪単価400万円。文京区なら200万円台が普通。
築20年30年になると、坪単価200万円未満もチラホラ。
実は、これは2002年から03年頃の相場観なのですよ。
そこまではすんなりと戻る場面があるはずです。

そうなると、新築価格の中古とのかい離が鮮明ですね。
普通に住む、という方は中古を選びます。
値上がりなんて期待できないから、新築を買う人は趣味。
大金を払ってでも「新築に住みたい」という方のみが需要層。

郊外エリアでも同様の現象が起こります。
16号線以遠なんて、土地はタダ同然。
築25年の中古マンションは駅徒歩5分でも1500万円がいいところ。
物件によっては1000万円未満になるでしょう。
環状7号線沿いになると、やっと2000万円台でしょうか。

しかし、新築マンションには建築費がかかりますから、
オハナでもない限り4000万円未満では供給不可能。
だから、郊外では新築マンションの開発は不可能になります。
そもそも、新築をわざわざ作らなくても
中古が余っていますから何の問題もないはずです。

また、16号線以遠のエリアではマンションの廃墟化が進みます。
空室が大量に発生。管理組合がしっかりしていないマンションには、
たちまち廃墟化の危険が迫ってきます。
そんなマンションには、もちろん値がつきません。

今、日本の不動産の大半には値がつかない状態になっています。
それが東京や大阪の都心にひしひしと迫ってくるだけ。
マンションデベはややノウハウの異なるリノベなどで
売上を稼がないと企業の存続は難しいでしょう。
不動産業界の未来は、はっきり言ってあまり明るくありません。
それでも、壊滅することはありません。
仲介業などは、今よりも成長している可能性があります。
新築マンションの開発事業は限りなく細るでしょうが。

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2017/9/11 0:05 Comments (2)

2 Comments

トスカ兄さん、こんにちは。

インバウンドの増加が止まれば、土地への需要も止まります。
しかし、都心の土地への希少性は変わらないはず。
建築費の主力は建材ではなく人件費です。
だから、新築マンションのコストはさほど低減されません。
むしろ、量をこなさなくなる時代には上昇しそうな気もしますね。

住宅は今後余ります。
中古はどんどんリノベーションされるでしょう。
特に都心にあって容積に余裕がない中古は
リノベでだましだまし使うしかありません。

変化というのは徐々に起こります。
しかし5年10年でみると「こんなに変わった」となります。
1990年以降、不動産市場には3回も大波がきて、
今回は3度めの引き潮です。

それではまた ごきげんよう

2017/09/12 13:09 | by Sakaki Atsushi

榊さん、こんにちは。

>分かりやすく言えば、分譲マンションの開発事業は、
>ほぼほぼ壊滅しています。規模は今の1割から2割。

マンション建設が減れば、その分だけ土地需要も減りますから、土地供給およびマンション用地以外の土地需要が現在と変わらなければ、土地価格は恐らく下がります。さらに、建設資材価格も恐らく下がるでしょう。そうすると、マンション建設費用も下がり、分譲価格も妥当なものになるかもしれません。そうなれば、新築マンション需要も復活して、マンション建設もそこそこの水準に落ち着きそうです。

>そもそも、新築をわざわざ作らなくても
>中古が余っていますから何の問題もないはずです。

新築マンションが供給されないと、中古への需要が高まる一方、中古の一部は次第に老朽化して利用できなくなるので、中古の供給は細って来るでしょう。そうすると、中古価格が上昇するでしょうから、それなら新築マンションが欲しいという声が高まって来るかもしれません。

結局のところ、ある程度長い目で見れば極端な状態には陥らないのではないかと、トーシロの私は予想します。

ごきげんよろしゅう。

2017/09/12 02:00 | by アル中のトスカ兄さん

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