そのタワーマンション、買ってはいけない!

かねがね不思議に思うことのひとつは、
「みんな、どうしてあんなにタワーマンションが好きなのだろう?」ということ。
何度もこのブログに書いていることですが、
「タワーマンションに住む」というのは資産的にも健康面でも、
とてつもないリスクを背負い込むことになります。

どうも、みなさんそのことについて関心を持ちたがりません。
「タワーマンションってカッコイイ」
「六本木ヒルズに住んでいるのはステイタス」
「勝ち組が住むのがタワーマンション」
そんなイメージに流されているようですね。

どうして、自分のアタマで考えて判断しようとしないのでしょう?

私は、このブログで何度か自分が
「私で私であり、基本的に他人は関係ない」という
価値観や行動様式のもとに生きていることを書いてきました。
これは、残念ながら世間一般を見渡すと、かなりの少数派です。
ただ、その少数派の榊のブログを熱心にお読みくださっている方々が
実に何千人もいらっしゃるのです。
これは、大変ありがたいことだと思います。

もしも私が、他の大勢の人と同じことを考えて
そういう意見をこのブログで書いていたら、
果たして何千人もの固定読者が集まったでしょうか?

その他大勢になることは、実にカンタンです。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」を実践すればいいだけ。
自分はなーんにも考えなくて、他人のやるとおりにしていればいいのですから。
でも、それではただのOne of Themです。

そして、自分や家族にとって大切な住まいを、
そのような借り物の価値観で選んでいいものでしょうか?

そういった、疑問をお持ちの方が、
「ほんじゃあ、ちょっと変わったことをほざいている
 榊のブログでも見てみるか」
となって、このブログを読んでくださるのだと思います。

もちろん、肯定的にお読みいただいている方ばかりとは限りません。
業界内の多くの方々が
「あの榊め・・・今度は何を書いていやがる」という
「監視的」な視点でお読みになっている方も多いはず。
中には「場合によっては訴えてやる」というくらい
敵視している方もいそうです。
そういう方には、「どうぞどうぞ」と申し上げます。
しばらく裁判をやっていないので、少し恋しいくらいです。

さて、そんなことはどーでもいいのですが、
今日の本題は、この「既成概念に捉われず」に
マンション市場を眺めている私の視点と、
「他人の行動様式・価値観に左右されている」方々の
眼に映っているものがどのように違うか、ということを
「タワーマンション」を題材として、少し具体的に語ってみましょう。

この「他人の行動様式・価値観に左右されている」ということを
分かりやすくいえば「ブランドに弱い」ということです。
例えば、財閥系の住友不動産や三井不動産、あるいは元気のいい野村不動産などが
「このマンションはウン億ウン千万円の価値がある」
「この街は将来大いに発展するから、今のウン千万円は高くない」
と広告宣伝したり、営業マンがアピールすれば、それを信じてしまう人が
この「他人の行動様式・価値観に左右されている」方々なのです。

「既成概念に捉われない視点や発想」だと、
住友、三井、野村だろうが、左様なことは一切関係ありません。
自分で判断して、「高いものは高い」のです。
「高い」かどうかは、ちょっと注意深く周辺の相場や、
過去の価格推移を見れば、誰でも判断できること。
いかなブランドマンションであろうと、
適正な市場価格からかけ離れていれば「割高」なのです。

2004年頃から顕著化した不動産の「ミニバブル」現象は、
2007年でほぼ頂点に達し・・・崩壊しました。
ところが、今首都圏や近畿圏などで販売されている
大規模なタワーマンションは、ほぼこの時期に事業企画されたものです。
当然、バブル価格。
今も、その当時に企画された価格で売られているのは、
販売主体である財閥系不動産企業に、財務的な体力があるからに他なりません。
市場の風はとっくに止んでいるのに、
未だに「昔の価格で売っています」状態なのです。
はっきりいって、市場の流れに逆らっています。

たとえ財閥であろうが、ひとつふたつの企業が
何らかの「市場」を継続的に支配できた例は、未だかつて無いはずです。
つまり、いつかはこの「人為的なバブル価格」は値崩れします。

ところが・・・・困ったことに、中には極少数ですが
「財閥系が売主だから」といって、こういうバカ高なマンションを
購入される方がいらっしゃるのです。
まさに「ブランドに弱い」方々です。
そういう方がひとつのマンションにつき、月間5名ほど出てくると
売主企業の上層部は「勘違い」を継続することになります。
「がんばれば、売れる」
だから、値引きもせずに販売を継続することになるワケです。

困ったものですね・・・この「他人の行動様式・価値観に左右されている」方々は。
こういった方々を一人でも減らそうという目的で書いたのが
私のレポート
「買ってはいけないタワーマンション 東京都心編 20物件」です。
昨年の10月にリリースしたのですが、かなりの反響でした。
今でもよく売れています。
ただ、すでに半年たったのでやや情報が古くなりました。
そこで、今回大幅に加筆・修正したパワーアップ版を制作しました。
ページ数も一挙に53Pへと大幅に増やしました。
マンションレポートの「豊洲」「麻布十番」、「有明」「晴海・勝どき」
などの内容も盛り込んで、内容もかなりリニューアル。
したがって、お値段も・・・誠に恐縮ですが
3960円に値上げさせていただきました。
でも、この価格は十分に中身に則したことであることは
これまでの私の読者の方々には十分ご理解いただけると思います。

「他人の行動様式・価値観に左右」されずに
マンションを選び、ご購入されようとなさる方は
ぜひ「変わり者」榊の意見も参考になさってみてください。
タワーマンションのリスクについて、十分に解説しています。

また、様々なところで私のレポートは悪し様に罵られていますが、
あれらはほぼレポートを書かれると都合の悪い連中の手になるもの。
それだけ、エンドユーザーには読ませたくない代物なのだということは、
ちょっと考えればどなたでもお分かりいただけると思います。


2010/4/23 15:37 Comments (1)

1件のコメント

>まさに「ブランドに弱い」方々です。

これもまたブランド好きという「個人の行動様式・価値観」なのでしょう。
それが損なのか得なのかはあまり関係なく、そのブランド好き。
そして、それを所有することで得られる満足感、それこそが価値なのですから。

2010/04/25 03:59 | by ・・・・

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