千年後に遺伝子は残っているか?

社会人になって以来、私はお金を稼ぐ仕事をしてきましたが、
その他、この20年くらいでやってきた最大のことは「子育て」。
それはもう、めくるめく出来事の連続です。
子どもが小さい頃は手がかかります。
体力を使いますね。けっこうしんどい。

子どもが学校に行き出すと、今度は「教育」という
ものにお金がかかり始めます。
それはもう、莫大な額が右から左へすいすい。
それこそ「家が建つ」くらいです。ほんまやで。
ヘンな話、今住んでいる家の建築費以上には
「教育」費がかかっていますねん。2軒分くらいかな?

そして気が付いたら、私も50代の後半になっています。
もう、世間的には「終わっている」オッサンです。
まあまあ、オッサンの人生なんてこんなものですね。
それに対して、特に不満も後悔もありません。
「まあ、こんなもんやろ」という世界。

予定ではあと19年ほど生きることになっています。
75歳くらいでポックリと死ねれば上出来ですやん。
それについて、特に恐れません。人間、いつか死にます。
ただ、「痛い痛い」と泣き叫ぶような病気には
なりたくないなあ、と思います。人間の尊厳ですがな。

「往生際が悪い」というのは嫌ですねえ。
人生、ひとかどの成功をおさめたにもかかわらず、
引き際が悪くて「老醜を晒した」ケースを知っています。
「あーあ」と思いますねえ。残念な成功者たち。

幸いなことに、私は人生に成功していません。
このあと19年の間に成功する可能性はおそらく0%。
成功した人を何人か知っていますが、
彼らの共通項は「人生に対して意欲満々」であること。
私は基本「どーでもいいやん」が座右の銘ですから(笑)。

しかし「成功」というのはいたって外面的なモノ。
紀州のドンファンの事件でいろいろ報道されていますが、
彼は「成功者」ではありますが「幸福者」でしょうか。
私は多分、そうではないと思います。
心が満たされないままいかはったんやなあ、と思っています。
まあ、死んでしまえばどうでもいい話でしょうが。

日本人には独特の死生観というものがあります。
それは「名こそ惜し」というもの。
命よりも名誉を大事にするのです。
死んだ後で「アイツはアカン奴やった」と言われるのを
何よりも恥とする価値観です。

これはすでに源平合戦よりも以前から見られますね。
つまり武士というものが現れて早々にできたもの。
仏教では「死ぬことを恐れることはない」という
ようなことを私たちに教えてくれます。
まあ、それのひとつの亜流が武士道でしょうか。

日本史を眺めていると、この武士道というものが
いつくもの美しいエピソードを残しています。
戦いにおける華々しい勝利のお話しもいいのですが、
私の好みは「落城」ですね。

西洋史でも、私の好きなシーンはビザンツ帝国の滅亡、
とかロードス島の落城話なんてのが好みです。
1945年のベルリン攻防戦、なんてのも大好き。
何でかよう分りませんけどね(笑)。

日本の歴史上、最大級の落城譚は1615年の大坂夏の陣。
日本に合戦史というものがあるのなら多分、
大坂夏の陣こそ最大級ではないでしょうか。
それ以前の記録にも「・・方は兵四十万」とかありますが、
当時の日本の農業生産力から考えて無理。
多分、大坂夏の陣の「東軍20万、西軍8万」が最大級。

実は1600年の関が原ではそれ以上の人数が集まってはいます。
でも、戦闘に参加したのは東西合わせて6万くらい?
大坂夏の陣では東西合わせて20万人以上が激闘。
今の大阪市のなんばとか天王寺あたりで死闘が繰り広げられました。

ご存知の通り、日本史上最大最強の英雄は真田幸村。
徳川家康の首を取る「あと一歩」まで迫ります。
もしかして、「家康はあの時に殺された」という説もあります。
まあ、こんな英雄はいませんよ。義経と並びますね。

その幸村、多分「戦に勝つ」とは考えていなかったはず。
彼の心には「いかに美しく死ぬか」ということでしょう。
ただ、希望は最後まで捨てていなかったとは思います。
しかし、あの戦に勝つのはそれこそ僥倖しかありません。

人間、必ず死にます。
今、日本には1億2千4百万人くらいの人がいます。
しかし、100年後にはこのうち99.9%以上の人がいません。
今生きている人の中で100年後に生きている人が
その名前や姿を覚えている人なんて100人未満。
そう思えば、みんな「名もなき人」。平等です。

多少大きな家に住もうが、いい車に乗っていようが、
ドンファンみたいに美女とたくさんいいことしようが、
100年後には「それ、誰の話」ということです。
その感覚、わかるのは難しそうですね。

今から100年前は1918年ですね。
私の死んだ父親は1916年の生まれでした。
時、あたかも第一次世界大戦の真っ最中です。
ただ、日本からはその当時かなり遠い欧州が主戦場。

「お前、戦争になったらどうする?」
父はまわりの大人にそう聞かれて答えたそうです。
「分厚い鉄の扉の中に隠れる」
あはははは、私の父ですね。その気持ち、よう分る(笑)。

その父は、大東亜戦争で軍属になって昭南島(シンガポール)
で敗戦を迎えました。英軍の捕虜になって散々。
「一日に掌いっぱいの米しか食えへんのやぞ」。
栄養失調になったけれども、無事に復員。私の父に。

わが父は、こうやって私が語り残しました。
しかし、私のことは誰が思い出してくれるのか。
国会図書館という機能が残っていれば、
私が過去に刊行した8冊の拙著が残るかもしれません。
しかし、アレは極めて時流に合わせた内容ですからね。

56年生きて思うのは、「まあ、こんなもんか」。
後の19年を予定通り淡々と生きるだけですね。
多分、1000年後には私が生きていた痕跡は皆無。
まあ、そんなものでしょう。
1000年後にも私の遺伝子がどこかにあればいいと思います。

6月30日 (土)榊淳司の不動産売却相談会

を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はいつものところです。

開催日時:6月30 日(土)13時~17時
開催場所:セトル 4階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

6月30日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は2組様。
待ち時間が多少はございました。
次回も同じようになるかどうかは分りません。

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2018/6/28 0:05 Comments (2)

2 Comments

S.Mさん、こんにちは。
お答えはメールでさせていただきますので。

www.sakakiatsushi.com/?page_id=93

からメルアドをお知らせください。

榊淳司

2018/06/28 17:57 | by Sakaki Atsushi

はじめまして、
6/30の相談会に参加を考えております。
相談テーマはマンション売却とのことですが、
実は私は築42年のマンションを所有してますが、
老朽化と耐震不足のため改築の方向に動いております。
それまでは建築費高騰のため採算がとれずその話は宙に浮いておりましたが、最近になりデベロッパーが見つかり早期の改築に向けて
動き出しております。まだ、金額等の具体的な話はできてていませんが、建て替えにするか否かをふくめ、その条件や価格面で不安な要素も多く自分でどう判断すべきか不安です。こうしたテーマでも
相談には乗ってくださるでしょうか?

2018/06/28 16:26 | by S.M

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