アメリカと中国の対立が深まっていますね。
報道ではトランプ君が「中間選挙を意識している」、
というような表現が目立ちます。
今日はアメリカの中間選挙って何なのか、
ということについて僭越ながら池上彰風に書きます。
これって、何年か前にも書いたことですが。
まず、「中間」の意味は「大統領選挙の合間」ということ。
大統領選挙は4年ごとに行われますから、
その真ん中の2年経過した時に行われるのが中間選挙。
で、何を選ぶのかというと上下両院の議員さんたち。
アメリカには上院と下院があります。
任期はそれぞれ6年と2年。
日本みたいな「解散」はありません。
また、上院と下院の役割が分かれているわけではありません。
同じように立法権があります。どっちがエラいとも言えません。
ただ、上院はセネタ(senate)で下院はハウス(the house)と
呼ばれています。セネタとはローマ時代の枢密院と同じ言葉。
ハウスというのはいかにも一般国民の代表、という感じですね。
イメージとして上院は外交や国際問題がお得意で、
下院は国内問題を主に取り扱っている感じですね。
上院の議長は副大統領。下院の議長は大統領の継承第2位。
歴代大統領はほとんどが上院議員か州知事経験者。
私は下院出身の大統領を知りません。いたのかなあ?
上院は各州二人。下院は人口割合で選挙区が設定されます。
お気づきでしょうか。アメリカの州は人口がまちまち。
人口が多い州も少ない州も、上院議員は二人いるのです。
人口の一番多いのはカリフォルニア州の約3770万人。
一番少ないのはワイオミング州の56万8千人。江戸川区並み。
「一票の格差は」は66倍ですね。日本の比じゃありません。
下院の任期は2年です。2年ごとに全議席の選挙を行います。
多分、平均すると日本の衆議院議員よりも1期の年月は
短いのではないでしょうか。だから下院議員は忙しい。
2年ですからね。選挙のことばかり考えています。
その点、任期が6年の上院議員はゆったりと仕事ができます。
下院議員の選挙は2年ごとですから、大統領選挙の時と
中間選挙の時に合わせて行われます。
その中間選挙がこの11月に迫っているのです。
一方上院議員の選挙は2年ごとに議席の3分の1ずつ。
つまり1回に全議席の3分の1しか改選されないのです。
日本の参議院は3年ごとに半分ずつの議席が改選されます。
それと少しだけ似ていますね。
中間選挙は、大統領の2年間の業績を国民がどう評価するのか、
ということが試されると言われています。つまり、
アメリカ人たちはこの2年間のトランプ君の政治について
評価を与えるのかブーイングを喰らわせるのか。
ご存じの通り、トランプ君は共和党の大統領です。
中間選挙で共和党が負ければ国民はトランプ政治に対して
「ノー」という意思を示したことになります。
ただ、過去の中間選挙はだいたい大統領の党が負けます。
今回も、どの程度負けるか、ということが注目されます。
現状、上院も下院も共和党が過半数を握っているそうです。
オバマ君が8年間何もやらない政治を行ったことで、
アメリカ人は民主党に愛想をつかした結果ですね。
でも、今回はどうでしょうか? トランプ君に「ノー」?
共和党が過半数を失うとトランプ君はやりにくくなります。
アメリカのメディアは99%が反トランプです。
普通に考えれば民主党が圧勝するように思えますが、
そうでもなさそうな気がします。多くのアメリカ人は
自国のメディアを信用していないのです。
日本でも「マスゴミ」なんて言い方をしますね。
読売新聞と産経新聞以外のメディアは
こぞって「反安倍」なのに、自民党は国政選挙に6連勝。
メディアの主張がいかに信用されていないかということ。
トランプ君が大統領に当選した時もそうでした。
大半がヒラリー君の当選を予想していましたね。
さて、仮に共和党が負けるとどうなるのか?
トランプ君の提案をすべて議会が拒否することになるのか?
実は、そういうことにはならないのです。
というのは、アメリカと日本では政党のあり方が違います。
日本の場合、政党というのは所属組織。会社や学校と同じ。
上から命令があれば100%それに従わなければなりません。
それを「党議拘束」といいます。例えば自民党の執行部が
「・・法案に賛成」と決めると、自民党のすべての国会議員は、
国会でその法案に賛成票を投じなければなりません。
仮に反対票を投じれば、党を除名されます。それが党議拘束。
ところが、アメリカの場合は党議拘束がありません。
連邦政府の議員たちにとって政党とは自由参加型のクラブ。
議会で審議されている事項につて、賛成か反対かは
議員がひとり一人の判断で決めることができます。
だから、仮に議会で共和党が過半数を失っても、
トランプ君の提案がことごとく拒否られるわけではないのです。
トランプ君が保守的な民主党議員を説得して、
トランプ提案に賛成してもらうことができるのです。
ちなみに、イギリスの場合は党議拘束があります。
なぜアメリカには党議拘束がないのか、ということを
私はうまく説明できません。多分、各議員の党への
経済的な依存度が低いせいではないかと思います。
あるいは、予備選挙があるので候補者選定に政党本部が
関与する割合が低くなっているからかもしれません。
私は、アメリカ式の方が民主的だと思います。
下世話な話に戻ります。
トランプ君は当然ながら、中間選挙に勝ちたいと願っています。
重要な法案を審議する度に、民主党の議員に電話を
かけまくるような面倒くさいことは避けたいはず。
だから、選挙に勝つためにどうするのか?
アメリカ人たちに「俺たちの大統領はすげえ」と
思わせるような、分かりやすい成果を上げればいいのです。
そのひとつが「チャイナバッシング」でした。
これにはある程度の効果が出ています。
ただ、いかんせん分かりにくいですね。
いちばん分かりやすいのは戦争で勝つことです。
どこかの誰かを悪者に仕立て上げて、派手にやっつけること。
この春先まで、その第一候補は北の三男ブーでした。
でも6月の会談ですっかり手玉に取られてしまいました。
あとはイランだったのですが、目立つ悪さをしていません。
ホルムズ海峡でも閉鎖してくれれば、絶好の見せ場なのですが
そういう気配は全然感じられませんね。
さてさて、困りましたね。このままではヤバイ。
私はこの1-2か月の間に中国もしくは北との間で
もうひと悶着くらい起きるのではないかと考えています。
トランプ君がいつまであの三男ブーに騙されたままでいるか、
あるいは騙されたフリをやめるのか、が気になっています。
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とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は4組様。
待ち時間はございませんでした。
次回も同じようになるかどうかは分りません。
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