現在発売されている週刊新潮(11月1日号)には
KYBの基準値未達のダンパーを使っている
59棟のマンションについて、区と町別に表示されています。
制振ダンパーというのは、だいたいがタワーマンションで
使われているものなのですよ。
だから、町まで出してしまうと特定できたりします。
思わず笑ってしまったのは江東区有明。
そこには既存のタワーマンションが6棟しかないのに、
新潮には全部で5棟と出ているではないですか!
有明の中古タワマンは83%の確率で制振性能が不備?
あかんやろ、それは・・・の世界ですね。
それでもって、案の定国土交通省は火消しに躍起。
あかんダンパーを使っている工事中建物の
暫定使用を認めるんだって。何でもありやん。
これでマンション業界の混乱は回避できる?
でも、仮に契約者がダンパー交換まで引渡しを拒否したら、
いったいどうなるのやろかと考えますね。
また、その間大きな地震でもやってきて被害が出たら・・・
国土交通省、ちょっとええ加減すぎるんとちゃうか?
しかし、有明のタワマン所有者にはちょっと気の毒ですが、
しばらくは売りにくくなるでしょうね。価格も下がるかも。
他のエリアでも「あのマンション、KYB入っているみたい」
なーんて噂は広がりやすくなるのではないですか。
この手の事件で、今まで最大級のものはベルコリーヌ南大沢。
20棟が建て替えられましたが、26棟は補修工事で済ませました。
建替えられていない建物は、今でもガタガタだそうです。
売主は現URですから、アホなことをしたものです。
この事件は平成バブルの時代。しかし、発生当時は
ほとんど報道されなかったので業界人も知らない人が多数。
その次は何といってもヒューザー姉歯事件でしょうね。
こちらは売主が倒産したので被害者は救済されませんでした。
建替えは自力で行われたようですね。発覚は2005年。
今の30代業界人は知らないかもしれませんね。
その次は六会コンクリート事件でしょうか。
これは販売を中断したり売れ行き不振になった物件が多数。
もちろん、この時も国交省は「問題なし」と火消し役。
その次は東洋ゴムの免震ゴムデータ偽装。これは2015年。
私は、建物の耐震性能に深刻に影響するのは
制振ダンパーよりも免震ゴムの方だと思います。
こちらはまだ6割も交換が終わっていないようですね。
また「免震ゴム+耐震ダンパー」の両方が
偽装の既存マンションがあるかもしれません。
多分、ここ15年以内に竣工したタワーマンションです。
しかしまあ、次から次へとよく出てきますね。
建築関係以外でも、神戸製鋼とか日産みたいな会社も
やらかしていたではないですか。大丈夫、日本の製造業?
中国や韓国をバカに出来なくなっていますね。
日本は地震多発の国です。
しかし、ここ最近で震度7がやって来たのは阪神淡路と
東日本、さらに熊本、北海道ですね。いずれもタワーマンションが
あまりないエリアか、なかった時代に発生しました。
仮に東京の都心で震度7がやって来た場合、
何百本も立っているタワーマンションは全部無事でしょうか?
建築基準法通りに施工されていれば、理論上は大丈夫なはず。
しかし、施工現場でチョンボをやらかしていたら・・・
そういうマンションが1物件でも倒壊するとか、
中折れしてしまったりすると、どうなるのでしょう?
マンションというのは、施工はほぼ人間の手作業。
いい加減な施工をしても建ってみれば分かりません。
3年前に発覚したパークシティLaLa横浜みたいに
杭がしっかり支持基盤に刺さっていないタワーマンションが
絶対にない、なんて言いきれるでしょうか。
そもそも、あの旭化成建材が杭を施工していた他の
マンションは今、どうなっているのでしょうね?
建て直しになった物件があるとは聞いたことがありません。
だって、データを偽装していたのはあのマンション
だけではなかったのではないですか?
マンションを購入するというのは、必ずしも薔薇色の
未来が待っているばかりではないのです。
むしろ、いばらの道かもしれませんよ。
日本の製造業が闇雲に信用できなくなった今、
マンションの購入はその価格に見合ったリスクを
背負うことでもあるのです。みなさん慎重に。
特に湾岸エリアのタワーマンションはリスクがいっぱい。
ユーチューブでもこのKYB問題を語りました。
ただし、国交省が暫定使用を認める発表前の収録。
そのあたり、ご理解の上でご覧ください。
を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はいつものところです。
開催日時:12月1日(土)13時~17時
開催場所:セトル 2階会議室(以前の4階から2階へ変更になりました)
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)
12月1日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は1組様。
待ち時間はございませんでした。
次回も同じようになるかどうかは分りません。
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