マンション業界の「アホみたいな」リアリティ

私はマンションについてアレコレいうことを
今の自分の職業にしています。
でも、自分はマンションに住んでいません。
所有していたマンションは、この5年で
ぜーんぶ売りました。ああ、サッパリ。

マンションを所有していたりすると、
どうしてもポジショントークになります。
ポジショントークというのは美しくありません。
どこかいやらしさが滲んでいますね。

私は東京23区と川崎市、さいたまの浦和区で
販売されている新築マンションのほぼすべての
現地を見て回って「資産価値レポート」を作っています。
多分、首都圏で私ほど新築マンション市場を
よく分かっている人間はおらんでしょう。

新築マンションというのは、だいたいが
1戸につき100万円の広告費をかけます。
100戸なら1億円、千戸なら10億円。
だから「2億かけてタレント使うか」となります。
実にアホ臭い話ですね。

そのマンションを購入した人が10年後に
中古として売却する場合、広告費はゼロ円です。
そのマンションのスペックのみが勝負材料。
その基本は「3P」です。
プライス、プレイス、プラン。場所と価格と中身。

本来、マンションというのはそういう単純な商品。
ゴテゴテと何かを語る必要はありません。
真実が常に単純である様に、資産価値も単純明快。
そこには多くの言葉を要しません。
だから、私の資産価値レポートは1物件約1000字。

その物件をほめそやす情報ならネット上に
タダで転がっています。どうぞどうぞ。
私の語る資産価値はタダではありません。
しかし、非常に安価です。数千円。

世の中、真実というものを見極められない人が
多いですね。表層的な事象に惑わされます。
新築マンションの場合、莫大な広告費をかけます。
それに惑わされてしまうのです。

例えば、ハルミフラッグというマンションがあります。
今出ているだけで約4500戸ですか。
本当はもっとあります。だから、広告費は莫大。
土地はタダ同然で東京都から手に入れています。

あんなもの1住戸3500万円でもいいものを
11社連合が8千万円以上で売ろうとしています。
それを喜んで買う人もいます。アホかいな、の世界。
本当にその価値があればいいのですが、
冷静に眺めれば僻地のマンションです。
だいたい、地下鉄の駅まで歩けません。
近くて徒歩15分です。あかんやろ、の世界。

真実というものはいたって平凡です。
ですが、ゴテゴテとお化粧をしてごまかします。
また、ごまかされるエンドさんたちがいます。
提灯になるネット上の人々もいます。アホですね。

私は常々思うのですが、新築マンション業界は
かなりアホな人々がもっとアホなエンドを
騙している構造で成り立っているのです。
その象徴がモデルルームではないでしょうか。

モデルルームには、そのマンションのごく一部を
表現しているだけのシロモノです。
そのほとんどは、ただのデコレーション。
なぜ、あれにエンドさんたちは騙されるのか
私のような人間にとっては不思議でなりません。

だいたい、ひとつのモデルを作るのに3千万円かかります。
その費用は最終的にマンション購入者が払っています。
50戸以上規模のマンションだと、普通にモデルがあります。
500戸くらいになると2つ以上あったりします。
何の意味があるのかよく分かりません。

広告屋時代、モデルルームの撮影というのは
わりあいに重要な仕事でした。
その写真の出来栄えで広告の見え面が変わりますから。
私はディレクターの立場でした。
朝から晩まで撮影に立ち会います。アホくさ。

当時はポラといってポラロイドで構図を決めます。
私は何を出されてもぜーんぶ「OK!」。
カメラマンさんが戸惑っていました。
そんなもん、基本的に「どうでもいい」ことです。

私たちの世界では「客フリ」という言い方があります。
客のフリしてライバル物件のモデルルームを訪問。
パンフレットをもらって営業トークを聞きます。
私もそれなりにやりました。アホな仕事。

だいたい、新築マンションのモデルルームで
販売を行っている担当者は、売主の子会社の社員か、
黒子と言って派遣会社がよこした営業マン。
不動産業界では対エンドの接客は汚れ仕事。
エリートは出てきませんね。末端の人々。

いっちゃあ悪いのですが、オツムの出来も末端。
私立文系がほとんどで、ふたひねりの理屈が
理解できないし、物件に対する知識も浅はか。
突っ込んだ質問にはほぼ即答できません。

人生の時間は限られています。私は時間にケチです。
出来ることなら、おバカなお方とはなるべく
話したくはありません。でもモデルルームに
客フリで行くと、そういう人間と2時間はたっぷりと
話さなければなりません。

「おい、お前。ワシと喋るなら日当寄越せよ」
そんなことも言えませんわな。
だから榊淳司になってからは一度も客フリで
モデルルームに行ったことはありません。
壮大な時間の無駄ですから。

でも、世の中にはモデルルームにいって、
あの手の込んだイリュージョンを見せられて
キャッキャと喜ぶアホなエンドさんがいます。
本来、そのマンションの資産価値とは何の関係ありません。
でもこの世はそういうアホな構造で成り立っています。

マンションの資産価値は単純な構造です。
立地とプラン、そして施工精度。
私は施工精度まで分かりませんが、
立地とプランだけならキッチリ判断できます。
その真実を語っているのが資産価値レポートです。

さて、早稲田大学エクテンションセンターでの春学期、
私の講座が開講されます。そのタイトルもずばり

マンションの買い時、売り時を探る

5月18日の土曜日です。13時から18時まで。
すごいでしょう。1日で90分を3回かまします(笑)。
榊三昧の5時間を、どうぞお楽しみください。

2019年5月11日 (土)榊淳司の不動産売却相談会

この相談会を開催して3年余り。
すでに十数物件、総額6億円以上の相談物件を
ご希望価格に近い成約で売却できました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
そして、最善の売却プランをご提案します。
売らなくてもいい物件の売却はお勧めしません。
会場はいつものところです。

開催日時:5月11日(土)13時~17時
開催場所:セトル 2階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

5月11日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は2組様。
待ち時間は少しだけ発生しました。
次回も同じようになるかどうかは分りません。

「榊淳司のお奨めマンション速報」

よく「榊さんのお奨めのマンションを教えてください」というお申出をいただきます。お勧めのマンションなど、日々変わります。お知りになりたい方は、ぜひ有料メルマガをご購読ください。約3か月(費用4790円)ですべての資産価値レポートのタイトルを一巡します。それでレポートの価格にして数万円分となります。
購読料 1ヵ月 1,590
※購読料金のお支払いはクレジットカードのみとなります。お申込みは コチラから  次のページの右下「カートに入れる」をクリックしてください。

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2019/5/8 14:39 Comments (1)

1件のコメント

 価格に見合わないマンションを買う人たちは、多分「自分の頭で考える」という習慣がないのだと思います。
 同僚や友人が買ったからとか、「今が買い場」と唆されたとか、将来資産になるから、といった周囲の意見に飲み込まれているように見えます。
 私もマンション購入の相談を受けますが、ほぼ100%買う物件がほぼ決まっていて背中を押してほしい人です。
 こういう人は「買うか買わないか」ではなく「どれを買うか」しか頭にありません。
 最初の頃は、真面目にアドバイスしていましたが馬鹿らしくなってきたので最近は「好きにすれば?」と突き放しています。

2019/05/09 14:41 | by 如月五月

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